4月 気になる
サブタイトルを「私、気になります!」にしようとしたけどさすがにダメだと思った
その日は武藤と別れ家に戻った。
「武藤ってあんなこと考えたりするんだなー。ちょっと意外」
武藤についてよく分からない。そりゃそうだ。私と武藤は会ったばかり。色々知っている方がおかしい。
「………もう寝よ」
私は部屋の電気を消し、目を閉じた。
次の日。準備をし終えた私は学校に向かう途中で色々考える。武藤が言った`めんどくさい`という言葉、あの言葉はどう捉えればいいのだろう。武藤は女子が好きか嫌いか、嫌いならあんなに自然な笑顔はすごい。尊敬できる。
「私なんかと大違い」
ボソっと呟いた言葉、過去に囚われてる私とは違い、武藤は過去に何かあっても前を向き続けるだろう。そんな武藤を、尊敬し、同時に嫉妬する。
「おっはよー‼︎水無月さん!」
「えっ⁉︎あ、おはよう、武藤」
「大丈夫?暗い顔してたけど」
「ああ、ちょっと昨日の事考えててね。ねぇ、あなたって女子が嫌いなの?」
「女子?俺の顔に群がる女子は嫌いだけど、それ以外なら好きだよ!むしろウェルカム‼︎」
「………………………」
初めて武藤が武藤でちょっと安心した。
女子が好き。むしろウェルカム‼︎
イケメンだからこんなの言えるんだよ(嫉妬)