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Once again…  作者: 折原奈津子
第2章
21/48

異動

なんとか書けたのでUPします


 

 このところ、ちょっと食欲が失せてたからか、体が少し軽くなった。

スーツも何着かお直しに出して、ウエストとヒップを詰めてもらった。

「俺、もう少し触り甲斐のある方が好み…」

「意味分からないですから」

「だからさー、もうちょっとこう…肉付きがさー」

「…いつから小栗君は、デブ専になったんです?」

「別にそんな、デブ専じゃないですし。でも安井さんだってガリガリに痩せてるよりは、ある程度肉付きがいい方が良くないですか?」

「うん、そりゃ確かに」

「…お二人とも…それ以上はセクハラになりますからね」

 軽く睨みつけると、安井様は肩を竦めながらうっすらと笑う。

 

 その日は、小栗さんに連れられて、安井様と打ち合わせに来ていた。

正式に資材部から、営業1課に異動になったのは4日前のこと。

斎須さんや寺尾さん、他にも何人かが一緒だった。

クローゼット部は資材部と統括になり、大木部長が取り仕切る事になった。

移動となった私達は、営業補佐と言う立場での移動だったので、基本的には営業に同行する事はない。

けれど、今…私は何故か小栗さんと一緒に営業に来ているわけで。

でも正直言って、私は事務方なので、営業のいろはも分からない。

なのに、今ここにいる。

「部署は変わったって、やる事は変わらない。連絡形態が変わって逆にやり易くなった位だ。だから大丈夫だ」

 異動になった時に、小栗さんがそう言ってくれた。

営業に出る事はないって聞いて、安心もしていた。

「営業に出る事なんかないって言ってたのに。なんで私、ここにいるんでしょう…」

「ま、たまにはな…」

 飄々として【たまには】何て言っていたけれど、異動して以来毎日一緒に外回りをしている。

「たまにはじゃなくて、毎日出てるのはどうしてでしょうね」

「たまたまだって」

「…僕はそこに、小栗君の姑息な意図が見えるけどね」

「やっぱり見えますよね?」

「見えるねぇ。しかも藤森さん、離婚成立したんでしょう?じゃあ、尚更黒いものが見えるねぇ」

「…安井様に見えるのなら、間違いないかもしれません…」

「おいおい…酷いなぁ。そんな、犯罪者みたいに…」

「一歩間違えれば同じです」

「藤森…」


 その日は新製品の営業で、一緒に来ていたのだけど。

資料作りはやったけど、プレゼンなんてまったく出来ないわけで。

だから一緒に得意先回りをしたって、ただのお邪魔虫でしかなくて。

何のためについてくる必要があるのか、正直理解に苦しむ。

なのにいつも、セットで外出になっていた。

「私としては、またあらぬ疑いを持たれる事のないように、出来る限り大人しくしていたかったんですけど」

「まあ、藤森さんがそう言ってもねぇ。小栗君の事だから、今後も引っ張り出されるよ」

「はぁ…」

ちょっとブルーな気分だ…溜息まで出てきた。


「なんで溜息つくんだよ」

 帰社途中の車の中…。

幸い、プレゼンはいい感じにまとまって、今後使って頂ける可能性が高い。

それは良かったのだけど、問題は小栗さんで。

私は移動時に、彼と2人きりになるのが悩みの元だった。

それで痛い目にもあったし、離婚してこれから頑張っていこうという時に、恋愛なんて考えたくない事だったから。

でも小栗さんは、それを知った上であれからもアプローチをかけてくる。

食事へのお誘いだったり、休日に翔太とサッカーをしに公園に行ったり。

「なあ、いい加減、素直になってみるってのはどうだ?」

「何に対してです?」

「俺達の事に決まってるだろ?」

「まだ離婚したてなので、余計に考えたくありません。翔太も混乱しますから」

「翔太はいいって言ってくれてるぞ?」

「いつそんな事聞いたんです!」

「ん? サッカーしに行った時」

「勝手な事しないでください!」

「じゃあ、少しでいいから考えろよ! 今すぐつきあえなんて言わない! でも考える位出来るだろ?」

「…無理よ、そんなの…」

「じゃあ、何が無理なのか、教えてくれよ。そうでなきゃ、俺だって引けない!」

 その後はただ黙り込んだ車内。

それは社に到着するまで続いていた。




ぎゃ!!

最近五時…誤字の増えた折原です。

こんなんでオフィスワーク、無事にやってけるのか微妙ですw

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