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開幕~プロローグ1~

はじめましてギュス太です。最近ラノベとネットにはまった素人です(MIXIもチャットもやったことがない)。

正社員からフリーターにクラスチェンジを先日果たしました。この小説になろうの住人になりたくて私自身も投稿しようという考えに至りました。書くのは初めてなのでご指導ご鞭撻のほどよろしくおねがいします。また、このサイトについて知っておいたほうが便利、知らないといけないことがありましたら是非教えて頂けたら助かります。それでは楽しんで作品を読んで頂けるよう精一杯執筆いたしまうのでよろしくおねがいします。

開幕  


 馬蹄の音が聞こえる・・・・・・。

 今日もまた退屈な日々が始まる。

 ラインハルト・シュニッツラーは部下とともに城下町リターナを巡回していた。


 今日も何事もなく朝日は昇り、何事もなく馬に乗って城下町の見回りをする。そ

れが俺の仕事だ。この街の治安を守るのが役割だからだ。面倒だ、巡邏隊長という

肩書があるから、とりあえず最低限の事はしておかなければならいない。

 悪党がいたら取り締まり、怪しい奴がいたら絡んで迷惑料を出させる。

 隊長であるのにそこらの兵士の下っ端に毛の生えた報酬しかもらっていない。こ

れぐらいの権利はあっ てもいいだろう。治安は表面上よくなっている。つまりな

んの問題もないのだ。


 後ろにいる数人の部下とともに城下街の大通りを進む。今は週に一度の市場も終

わったばかりで、人通りも寂しい。ご大層に城下街といったが、田舎も田舎、人口

も少なく、これといった産業もない寂れた街だ。計画性もなく適当に民家が立ち並

び、よそ者が来れば、すぐ道に迷う。要するに俺にとっては気に食わない。駄目所

だ。中途半端にある立派な城がまた哀愁を誘っている。

 

 意味もなく馬上から周囲を見渡す、隊長である俺がそうすることによって、部下

もそれに倣う。緊張感は絶えず持たせるようにしている。サボっていると判断すれ

ば即座になぐる。理不尽なことを繰り返すことによって上下関係をはっきりさせお

けば、隊の規律も上がり、仕事も楽になるのだ。


 長閑な風景がみえ、子供が大きな声を上げながら走り回る、談笑しながら椅子に

座り、縫物をする女たちがいる。秋の実りも無事に収穫が終え、すれ違う人々は例

外なく大なり小なり笑顔で道を歩いている。どことなくリターナの街全体が活気づ

いている気がしないでもない。つい先日まで長雨が続き、作物に影響が出ると危ぶ

まれていたが、それは杞憂に終わった。農作物でなんとかもっているこの街の人間

たちにとっては、ようやく肩の荷が下りたのだ。昼間から酒を飲んでしまう男たち

もちらほら見える。楽しそうだ、幸せそうだ、その光景を忌々しく感じてしまう。


 「(・・・・・くそっ、浮かれやがって!)」


 誰がこの街を守ってやっていると思っているのだ。

 最近賊が横行している。つまり、俺の仕事が増えているということだ。父である

モリーの命令で必要以上に警戒しなければならない。ただの賊ではなく正規の武具

を揃えているというのがその理由だ。王都からの横流しであろう。おかげで昼夜交

代の巡邏の毎日だ。日が昇ると同時に仕事が始まり、日が沈めば仕事が終わる。そ

れがこの大陸の一般的な生活習慣であり、俺もそうやってきた。なのに……!

 

 大きな衝撃が、ズドン、と民家の壁を襲う、俺の拳を民家に叩きつけたのだ。馬

上の不安定な体制からでも破壊力はある程度ある。体が大きいわけではないが、日

頃の鍛錬で鍛えた肉体は引き締められている。これで身長さえ高ければ言うことは

ないのだが・・・・。

 後ろの部下たちが怯える気配を感じる。周囲の街人たちも何事かと、こちらに注

目する。俺は突然癇癪を起こすことがよくあり、またか、という雰囲気でこっちを

窺っている。ため息をつき、目を瞑りながら空を仰ぐ。

 

 父であるモリーは老いたりといえども都の元近衛兵であり、今はこの町の城主で

ある。つまり逆らってはいけない相手だ。自分ことラインンハルトはその息子とし

て、若いながらも巡邏隊長という地位についている。

 

 十歳の時であったか戦にでて瀕死の所を助けてくれ、何も話さぬ自分に同情した

のか勘違いしたのか知らぬが突然養子にすると言い出したのだ。願ってもないこと

だ。自分はもともと贅沢な暮らしがしたくて戦に出た。涙を流しながらその申し出

を受けた。そうすれば印象が良く、後で得すると思ったからだ。


 今にして思えばあの判断は間違っていた気さえしてくる。父であるモリーは確か

に自分を可愛がってくれたが、贅沢はさしてくれなかった。それだけでなく自分に

学問をさせたがり、戦に行く事を禁じたのだ。父は必要以上に自分に厳しかった、

言葉使い、服の着こなし、食事の仕方などの礼儀を無理やり教え込もうとする。自

由気ままに出来る金さえあれば、こんな堅苦しいところから逃げ出してやると考え

た事は、一度や二度ではない。学問で何が出来ると言うのだ、結局は力がものをい

うのだ。覚えてはいないが自分の本当の父と母はそれがなかったから、殺されたと

いうではないか。世の中は乱れている、乱世だ。父はその事が分かっていない、た

だ事なかれ主義、暴力を嫌うのだ。


 なめられたらそれで終わりだ。


 所詮この世は弱肉強食、食うか食われるかだ。しかし、この父にはいくら言って

も通じない、仕方がないから今だけは言う事をきいておこう。贅沢な暮らしはして

いないといっても前よりはずっとましな暮らしをしているのだ。

 

 だから、嫌々ながら文学を学び何冊かの書物を読んだ。父は喜んだが嬉しくも何

ともなかった。体を鍛えたほうがよほどいい、並外れて膂力が強く。それ以上に飛

んでくる矢がはっきり見えて、寸前で交わすことはおろか、かわしながら矢をつか

めるようになった。成長期なのだ、それぐらいの事は誰にだってできる。もっと鍛

錬をしなければならない。学問に費やす時間をもっと削らなければ、俺の身長は取

り返しのつかないことになるということが父には分からないのだ。もはや通常の鍛

え方では俺の身長を伸ばすには限界がきている。いくら俺が文句を言おうともモリー

の奴は・・・・・・、


 「大丈夫だ、お前さんの身長は必ず伸びる、信じてそれを待つのじゃ」


 穏やかな微笑みと共にいつも俺を諭すように言ってくるからたちが悪い。同情さ

れている気がしてならない。仕事をサボり、怒っている時でも身長の話となれば、

いつもその態度だ。頭をその度に撫でてくるので振り払うのに苦労し(モリーの身

長は俺より三十cm以上も高い)、鬱陶しいことこの上ない。

思索に耽り、気づけば周囲から俺を窺っていた連中はもういない、馬上から壁に拳

をめり込ましている状態で静止している自分が妙に馬鹿らしく思えてきた。後ろを

振り返れば部下も若干気まずそうにこちらを見ている。


 「―――いくぞ、お前ら・・・」

 「・・・は、ハイッ!」

 「えっ、分かりました・・・!」

 

 返事はまばらに返してくる、衝動的に殴りたくなったが、馬の上だから仕方なく、

諦める。決して手が届かないのではなく、一年後に成長した自分のほうが簡単に殴

れるのでその時までとっておこうと思っただけだ。

 

 気を取り直して巡回に戻る。田舎といえども油断は出来ない。活発になった賊ど

もは、調子に乗って徒党を組んで街までくることはザラになってきている。殺し合

いが当たり前になってきているのが今の世だ。大きな街ならば城壁や検問でそうい

う輩を排除しやすいが、田舎であるリターナではそうはいかない。紛れ込んでくる

のは簡単だ。


 これまで実際に二、三度賊とぶつかったが、全員叩き潰してやった。暴れれば、

取り締まる。何も難しいことはないのだ、こうした方が治安はよくなる。

 おかげでラインハルトの巡回を遮るものはいなくなった。

 しかし、父は自分のやり方に文句を言ってくる。人を一人でも殺すたび、人の命

の尊さや訳の分からぬ理屈を言ってくる、自分を拾い養子にしてくれなければとう

の昔にぶった切っているところだ。

 くだらない毎日だ。自分のやり方にケチをつけられ、やりたくもない学問をする

毎日、これが生業というのだから俺の人生はつまらないものになろうとしている。

 

 「(誰かを斬りたい・・・・・・)」

 

 むしゃくしゃしていた。血に飢えているというわけではない。ただ単純に斬りた

かった。馬を適度な速度で歩かせながら俺はそう考えていた。

 悲鳴が聞こえた。俺は自分の心が湧きたつの感じる。


 「っ、ラインハルト様!、あれを御覧下さい」

 「・・・分かっている。」


 目線を近場ではなく、遠くのほうに投げかけると人々が逃げ惑っているのが見え

る。街の大通りから外れると麦畑がすぐに現れるのがリターナの特徴だ。自分の持

つ麦の近くに家を建てる町民は少なくない。今、襲われているのはそれが固まって

家が建っている場所だ。

 

 五十人ほどの賊が、暴れていた。

 

 胸の鼓動が高鳴っているのがはっきりと分かる。体がじわりじわりと戦闘態勢に

移り、いつでも相手に襲いかかれる準備を始めた。

 

 五十人もいると、数人ほどしか率いていない俺を恐れる素振りさえ見せない。む

しろ、日ごろの恨みを晴らしてやるとでも言いたげな雰囲気だ。よく見れば見知っ

た顔がちらほらいる。どいつもこいつもある程度いたぶれば簡単に逃がしてやった

奴らだ。恩を仇で返された気がして、イラっときた。


 問答無用に斬り捨てたかったが、まずは部下に名を名乗らせ投降を呼びかける。

平和的解決を望む父の意向で一応だがやらなければならない。


 「何が巡羅隊長だ!ここは今日から俺たちの縄張りだ!」


 そういう声が返ってきた。静かに愛用の槍を構え、前にでる。


 「失せろ、もしくはここで死ぬか?」


 そういった時、矢が唸りとともに飛んできた。すかさず手で掴み取る。


 「これが貴様らの返事だな?」


 掴み取った矢を指だけでへし折り、投げ捨てた。

 先頭にいた数十人が剣を抜いて襲い掛かってくる。躊躇せず、馬を駆けさせる。

槍を頭上にかかげ、雄叫びをあげる。馬腹を蹴り、腕を振り回す。

 賊の怯えた顔が見えた、

 五十人の中を駆け抜けた。十人ぐらいの賊が転がっている。誰もが立ちすくん

で動けないでいる。


 「このラインハルトの槍を受けられる者が、この中には一人もいないのか!」


 ラインハルトは小さな自分の体躯をめい一杯馬の上で広げ、相手を威嚇する、

賊もそれでやっと思い出したのだろう、自分たちがいったい誰を敵に回したのか。

馬を駆けさせ、再び賊の中に突っ込む。しかし、四人しか叩き伏せることが出来な

かった。身をかわすのではなく、逃げたのである。

体中が熱くなった。こんな奴らのために毎日退屈な巡察をしていたのか!


 「捕らえろ!刃向かう者は殺せ!逃げる者も殺せ!」


 部下にそう命じた、生かして捕らえる気はなくなった。それだけのことを奴らは

やったのだ、


 「(・・・・・・見せしめにしてやる!)」


 賊だけでない、気に食わない奴らすべてに俺を敵にしたことの恐怖を刻みつけて

やる、高ぶった気持ちを抑える冷静な心は生憎持ち合わせていない、自分自身も槍

を構え再び突っ込む。賊は算を乱して逃げ出す。


 ラインハルト一人に怖気づいたのだ。三十人以上の賊が残っていようともこうな

ったら数人でも充分に圧倒する。槍を右に左に動かすたび鮮血がほとばしる。誰も

逆らう奴はいない。抵抗すらまともに出来ないようになっている。だがこれでは斬

るのに飽きてしまう。


 「(・・・味気ない・・・・)」


 これではストレスの発散にもなりはしない。俺はなんのためにこんなことをやっ

ているのかが心底不思議に思えてくる。


 贅沢な暮らしがしたい!

 出世がしたい!

 一生こんな田舎でくすぶってたまるか!

 父の存在がうっとうしく思える。何か方法はないのか?

 何か・・・・・・・?

 っ、腹が立ってきたっ・・・・・・!


 気づけば賊の体を半分に両断していた。

 

 それで戦意を喪失したのか、みな武器を捨てた。すでに大半の賊は倒れていた。

ほとんど俺一人でやったようなものだ。無意識に手加減したせいか賊もあまり死ん

ではいない。


 「そこの五人を前に出せ。」


 低い声で言った。前に出された賊がラインハルトの顔を見て泣きそうな表情を見

せる。馬腹を蹴った。駆けながら賊の顔を槍の逆突きで的確に打ち込む!

 しんとした。

 鼻を中心に潰したためか、五人とも派手に赤い液体をまき散らした。

 血の匂いが辺りにたちこめている。


 「縄を打って、引き立てろ」


 気持ちはもうおさまっていた。血の匂いがそうさせるのかもしれない。

 冷静になった頭でラインハルトは考えていた。

 父モリーになんていい訳をしようか。

いかがでしたか?

少し時代小説風味なっているとは思いますが・・・・。

イメージとしては、主人公の容姿が、最近はまっているアニメWORKINGの妖精ポプラちゃんです。戦いのイメージは富士見書房の「火の国、風の国物語」です。なにかと文章は他のプロの作品の影響を受けがちですが、徐々に可愛く書けるように努めますので、暖かく見守って下さい。


誤字、脱字がございましたご連絡のほどよろしくお願いします。

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