別れと出会いと成長へ
ずっと 彼が好きだった
今までいた世界とは違う世界で 私は目をさました
そのとき 19歳。一郎して大学に入学したばっかだろうか?
とにかく まだ 一人でいきていくには若かった
そんな私に 優しくしてくれて、言葉も教えてくれて
生きるために必要な事を何でもしてくれた
そんな彼は 貴族の人。 しかも位も高い。4大貴族のひとつだ
容姿も美しい。彼のスキルも高い。有能だ。
そんな彼に惚れない女なんていない
そして 私は そのなかの一人。
彼を愛しているのだ
出会って今年で5年。24歳
こちらの世界では いわゆる 売れ残り。負け組だ
しかし 4歳下の彼。アンドレイと体の関係になってから3年
彼はもう20歳。 家を継ぐために 婚約者を迎え入れる
つまり 私との関係は もう終わりになるのだ
アンドレイは いつも私の事 かわいい とか 好きだよとか そういってくれる
しかし 情事の最中では ただのリップサービスにしかすぎない
さすがに それは わかる。 だから いつも苦笑いしてしまって・・・アンドレイが怒る
そのひとときが もう 終わろうとしているのだ
「サラ、 婚約者がきまった」
いや 今 この瞬間をもって 終わった。
「そっか。」
「うん。相手は・・・」
アンドレイの口そっと指で抑える
「続きは、 聞きたくはないかな」
いや
いわれなくても しっている
ご丁寧に アンドレイの父親や その婚約者が すでに 私のもとにきたのだから
「そうだよね ごめん」
「いいの。 ただ 今日は このまま あなたの心臓の音を聞きながら しずかに 一緒に寝たいかな」
最後の最後で愛してもらうって もう次はないんだなって そう思うと 涙がでそう
そうしないためにも 私はいま あなたに ただ あたたかくつつまれていたい
月が二人を見守り終わる頃には 二人は同じベッドにはいなかった
サラが アンドレイに別れを告げずに離れていた1週間後
彼女は 森で赤子をみつけた
アンドレイのように黒い髪 そして サラとアンドレイを足して2で割ったようなダークブルーの瞳の色
サラは ためらいもなく 赤子を育てる事にした
さみしかったのだろう
いや
ここは 彼女の世界じゃない
だから サラは この世界で生きるための理由がほしかったのだろう
そして 神が彼女にあたえたんだろう この小さな赤子を
赤子は レイと名付けられた
サラはレイとともに成長しながら
この世界で生きるために試行錯誤していった