もう二度とないと思っていたトキメキ7
「過去の出来事を振り返ったらそれが恋で、偶然にも隣のクラスにいて運命を感じたと」
「やっだなぁ!そんなに言ってないでしょ〜」
「はぁ、告ればいいんじゃないですか?」
「振られてたらどーすんの!?」
「その時はまあ、お気の毒としか」
「無責任!」
「君に対して責任は負いたくないし、君なんか扱いだし。話を聞いてあげてるだけでも褒賞が貰えるくらいだよ」
「がめつい」
「振られてしまえ」
「直ぐに、直ぐに拳が出るのは癖か!?拳法家か!?」
「はっ、つい」
「つい殴りたくなる顔だってか……。ラブレターでも書けば?では帰りますので」
「え、待って。本当に行っちゃうの?私だけ一方的に話して?」
「勝手に話し始めたんソッチ」
「君の事、知ってるんだよ……」
「…………なんの事かな」
「ナツメ」
「…………知らないなぁ」
「目をそらさないで。こっちを見て?正確にはこのスマホを」
「…………分かった。取引と行こうじゃないか」
彼女の掲げたスマホは通話画面になっていて、通話相手の名前にナツメと書かれていた。
それがフェイクかどうかは今はどうでもいい。
問題なのは俺の満喫の珈琲よりも苦い過去を知ってる可能性があり、若干ヤケ気味なこの人が言いふらしかねない事だ。
振られた日には目も当てられないだろう。
故に取引。
内容は考えていない。頑張れ現国最高70点の頭脳。