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06 ルーカスの生配信後編

やっほー! ルーカスです!


マスターが撮影協力してくれるっていうので、お願いしてます。

わあ、コメント来てますよ、マスター。


『うちの駄犬をありがとうございます』?

いやいや、誰がお前らの犬なんだよ!

ま、まあ、そんなに『冒険者サバイバー』として活躍はしてないけどさ。



えーっと、ではフルーツ飴を! 作っていきます。

酒場の裏手に生えてたのを、マスターが採取してくれました。


『マスターに金を払え』?

あ、そうですね。材料費だもんな。

ごめんなさい、借金してる分際で……えっと、幾ら渡したらいいかな。


え? あんまり使わないからいいよって?

スンマセン、ありがとうございます。


な? めっちゃ優しいんだぜ、うちのマスター。

では、早速作っていきます!


砂糖を小鍋で溶かして……弱火で焦げないように透明にします。

で、ここに棒に刺したフルーツをつけて、網で乾かす!

簡単だろ。

お手軽スイーツなんで、オススメですよ。


えーっと、最初はこの苺みたいなやつ!

結構大きくて、つやつやしてる。

でも紅くなくて、虹色みたいに不思議な色してんなあ。

マスター、これ全部食べられるやつですよね?

え? 新種の苺?

ああ、そうなんだ。

いいんすか、そんなの。

いっぱいあるから? よかった、ありがとうございます。

フルーツってカクテルとかにも使いますもんねぇ。

いやー、ほんと、色がキレイ!


『待て』『おい』『裏庭に生えてるわけない』

『レインボーって……レベル10上がるあれ』

『常識的に考えろおかしい』

『それフェニックスの涙』

『貴重過ぎるから売れ』

『もったいないやめろ』?


だからさー、フェニックスの涙みたいな激レアアイテムが、こんなところにあるわけないの!!

俺が世間知らずだからってそうやってだましにかかってくるのな、お前らホントそれはな、よくないぞ。


はぁい、マスターが採取した新種の苺でーす。

見えます?

それにこう……串をぶっさして!


『うわあああああああ』

『終わった……』

『売れば100万Gが……』


うはは、うるせーよ。

ほんとに100万Gだったら売ってるわ!

マスターすみません、これね、視聴者がコメントくれるんですけど、俺のチャンネルのリスナーってちょっとアレなやつが多くて。すぐふざけるんスよ。


わー、きれいな苺だなあ。

うん、思い切り良く。

で、飴を絡めて……完成ー!!


マスターどうっすか?

え? 映えそうですね? おー、よかった。


じゃあ、次いきまーす。

今度は、これかな?

えーっと、なんだろ? これ? ブドウ?

初めて見るもんばっかりだな。

お前ら知ってる?


『っwwwwwwww』?

『うえっっっ』『ちょ』『ま』

『あああああああああ』

草はやしてんじゃねぇよ。

言語喋ってくれ。


『エーテルの雫』?

何それ? マスター知ってる? 知らない?

『きちょう』『れあれあれあれあ』『ぼぎょりょく』『ちーと』『はやくうr』『100万どころじゃn』?


マスター分かります?

分かんない?

じゃあ、これもいつもの冗談か。

分かりにくいんだよ、お前ら。

いつも見てくれるし、嫌いじゃないけどさ。


じゃあ、これも、洗ってよく水気をとって、飴にします!

一個一個水を丁寧に拭いて、刺していきます。

じゃーんっ、完成!

キラキラして、青い宝石みたいだな。



最後にこれ……何これ?

あっははは、ドラゴンの顔みたいに見える!

ね? マスターこれドラゴンっぽくないですか?

表面がごつごつしてるけど……果物?

いけるかな、あ、刺さりそう。


コメント来てるかな。

えーっと……『けんじゃのみ』?

『MPの最大量が爆上がりするSSSSレアやめろ今からでも遅くないからギルドに持って行け串を刺すな今すぐに行け借金どころじゃない』だって?


えー、長いな……悪ぃ、長いコメント苦手なんだよ俺。

10文字以上、読めねぇ。


ていうか、『じゃのみ』ってなんだ? 

つーか最近お前らの冗談、かなりリアルだよな。

ふふ、だまされねーよ!


マスターこれ何すか?

新種のバナナ?

バナナって紅いんスか?

え? 時代だね? 


最近のバナナって紅いんだー。

知らなかったな。


えーと。気を取り直して。

じゃあ、これも飴にしまーす!

ぐ、結構力いるな……おりゃ!

よーし、貫通ッ!


すげー、めっちゃでっかい飴になっちゃった。

串、もう一本刺しとこ。


『あ、ああああああああああああ』

『うわああああああああああああ』

『伝説の誕生wwwwwwwwwww』

『歴史的なあほwwwwwwwwwwww』


悪口やめろって!

もー、俺だからいいけどさ、他の奴にはやめろよな。

傷つくぞ。


『こんなバカお前以外いない』だって?

うるせーな! あんまり頭がよくないのはホントだけどさ!

自覚してるっつーの。



さて、飴も乾いたことだし。

良い感じだな。


ってなわけで、完成ー!


食べるところも見せたほうがいいのかな。

いや、まあ、可愛くも無い男がフルーツ食べたところで需要ないか……。


え? 一緒に食べましょう? ぜひぜひ!

よし、じゃあマスターと一緒に美味しくいただきます。


撮影はここまでっ。

見てくれてありがとう。


以上、ルーカスでしたー!








「ん……? なんか、配信伸びてるな?」

「どうしたのですか」

「ああ。マスター。いや、俺のチャンネルって自分で言うのもアレですけど、かなり視聴者数少なくって。いつも100再生くらいいれば良い方なんですけど」

「ほうほう」

「今回はもう3000くらい行ってて、なんかコワイっつーか」

「ルーカスくんの魅力が世界に認められたんじゃないですかね」

「マスター! もう、ほんと、俺に優しすぎますって……泣きそう……」


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