ラジオ体操の高齢化
お盆期間のある朝、午前四時半に目が覚めた。
眠れずそのまま起きた。することがなくて、暇すぎて早朝散歩を兼ねて、返却期日が迫っている本があったので、近所の図書館まで行ってみた。
近所の図書館は入り口の前が、広場のようになっている。
図書館に着いたのは午前六時半過ぎだった。広場には高齢者が六、七人いた。いずれも帽子を被り、トレーニングウェア姿。
山登りをする団体が、ここで待ち合わせているのか? と思った。この地域には、初心者向けの登山ができる山がいくつかあり、山登りをしている高齢者をよく見かける。
返却ポストに向かうため、その一団に近づくと、視線を感じた。私も帽子を被り、パンツスタイルでリュックを背負っていたので、仲間だ、と思われたかもしれない…… と急に不安になり、
「私は仲間ではありません。本を返しに来ただけです」
と、アピールをするため、リュックから本を取り出した。
無事、返却ポストに辿りつき本を入れていると、後ろからラジオの音が聞こえた。耳馴染みのある曲。
ラジオ体操だった。
高齢者の団体は山登りの待ち合わせではなく、ラジオ体操で集まっていたのだった。
三十年前、私が小学生の時は、夏休みのラジオ体操といえば宿題の一つで、子どもが近所の公園に集まってするものだった。
私の身近で年配の方が、ラジオ体操をするのを見たことがなかった。だから、ラジオ体操は子どものための体操だと長らく思っていた。
それが今や、子どもよりも大人(主に高齢者)が集まってラジオ体操をするのしか目にしない。
ラジオ体操は夏休みの宿題の一つではなくなったのだろうか。集まるほどの子どもがいないのだろうか。
ラジオ体操にも高齢化社会が垣間見えた、お盆の早朝だった。
読んでいただき、ありがとうございました。
高齢者を見習って、健康的な生活をしなきゃな、と思いました。
(具体的に何をするか、考えていませんが 笑)