オニ令嬢が後輩と共に、婚約を破棄した令嬢と、浮気した第一王子、二人をぶっ飛ばしてスカッと丸くおさめます。(切りぬき104)
「第二王子様とギンチヨ様のご入場です」
司会者の声が会場に響き渡りました。
これから、舎弟クロとの婚約を破棄した令嬢、後輩ロックスワン嬢の婚約者なのに浮気している第一王子、二人をパーティ会場でぶっ飛ばします。
…
私、ギンチヨは、帝国の内部監査員として各国を回っています。
今日は、学園のパーティへ2年ぶりに参加します。
でも、パーティは、私の手で修羅場にしてあげます。
…
第二王子は、恋わずらいなので、エサで釣って、私をエスコートさせました。
多少目立っていますが、計算の内です。
第二王子は、シナリオどおり、出口に近い場所で待機、、、
あれ? 令嬢達に囲まれています。
会場内には、剣などの武器は持ち込めません。
しかし、王族だけは特別で、護身用に剣を持つことが許されています。
「第二王子は、ロックスワン嬢を守るのが役目でしょ?」
これは計算外です。
2年生である舎弟のクロは、壁のシミになっています。
クロとの婚約を破棄した令嬢を、もうすぐぶっ飛ばしてやるので、今は耐えて、、、
私は、会場の中央付近で、3年生のロックスワン嬢と談笑します。
ロックスワン嬢は、第一王子の婚約者です。
エスコート無しで入場したので、会場がざわつきましたが、今は、おさまっています。
「ご来賓の第一王子様がご入場されます」
司会者の声が響きます。色々な意味で、パーティーが始まります。
扉が開いた途端、会場がざわつきます。
第一王子が、婚約者ではない令嬢をエスコートしています。
「ロックスワン嬢、あなたとの婚約を破棄する」
早速、第一王子が断罪ショーを始めました。
「王族の命令に従います。でも、何故ですか?」
ロックスワン嬢は、容姿も演技も素晴らしいです。
「私は真実の愛を見つけた。この令嬢は私の子供を宿している」
驚きの声が、会場にあふれました。
「静まりなさい!」
私の声が響き、場内が静まります。
「これは王国の信頼度を落とす事案です。帝国の監査員である私、ギンチヨがこの場を仕切ります」
私は、第一王子と向かい合います。
「第一王子様、婚約破棄には法に基づく手続きが必要ですが、お済みですか?」
「そんなものは必要ない、私が宣言すれば良いことだ」
法を守る気持ちは無いようです。
「横のご令嬢は、もう安定期に入っているのですか?」
「そういうことだ」
「婚約者がありながら、半年も前からそういう関係だったのですね」
「うるさいぞ、ギンチヨ!」
「それを世間では浮気と言い、民法に反する事案です」
「お、お前は学園にいる時から目障りだった!」
「オニと呼ばれる令嬢は、私が成敗する!」
第一王子が剣に手をかけました。
まずい、これはシナリオにない展開です。
この浮気男は、王族が会場内で剣を抜くことの重みを理解していないのですか!
「え?」
第一王子が、剣を抜く直前、靴に風魔法が当たり、バランスを崩して片膝をつきます。
地味に、私に、ひざまずいている様に見えます。
これは、クロが得意とする、見えない風魔法です。
会場内で気づいた人はいません。
「誰であろうと、法律を守りなさい!」
うなだれる第一王子と令嬢、、、
断罪のために第一王子が用意した近衛兵でしたが、急いで二人を退場させます。
「ふー、スカッとしました」
この件は監査報告書に記入しますので、二人は遠方に飛ばされるでしょう。
司会者が、会場を静めるため、ダンスを始めようとしています。
「ギン姉さん、俺とファーストダンスを踊って下さい」
突然、クロが私にダンスを申し込んできました。
「はい、よろこんで」
しばらく見ないうちに、背が伸びて、私の身長を少し抜いています。
会場にムーンリバーの演奏が流れ始まりました。二人でワルツを踊ります。
「あの令嬢は、クロの、、、」
「俺は、何もかも失いました」
あの令嬢は、クロの元婚約者です。
「クロ、明日の朝、稽古の後に、朝食を一緒にいただこう、いいな!」
「はい」
クロには私がいます。
これで私の好感度が上がりました。
あっ、第二王子とロックスワン嬢を忘れていました。
まぁ、いいか、お幸せに。
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