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「アイ」の溢れたこの世界で  作者: 〇式神威
導入:或いはお品書き
4/5

マザーAIによる保守計画

一応まだ、一週間に一回投稿…。吐血

作者コメント

人は考える葦である:機械は動く犬である

神は死んだ:自分が神であるからこそ

コミュニケーションの本質は情報の共有化にある:情動の共有を目的とはしていない


マザーAI:仮想世界の神

「あ~あ暇だなぁ」

子供が瓦礫の上、足をぶらつかせている。

どこからか聞こえる歌声を、美しいその声を、唯ひたすらにうっとおしく感じている様であった。

「はやいね、まだ十分以上時間がある」

がれきの上にいる少女に、見た目がそっくりな少年が声をかける。

「…あたし、今暇なのよね」

そう?と笑顔で少年は「あたし」に視線を向ける

「僕は…忙しいとは言えないけど、暇ではないかな」

足元の草原に目を向ける

「この通り、育てなければいけない物はいっぱいあるしね」

そう、と気にも留めない少女に少年は肩をすくめるのみであった。

「嘆かわしい」

どこからか、電子音が常に鳴り響く黒と、幾つもの虹が見える空間から、男の声が届く。

「私はこうも忙しく働いているというのに、なんという事でしょうか」

カツカツ、そう音を立て神経質そうな、陰鬱な男が現れる。

「「あたし」に関しては、処理能力に十分な容量があるでしょう。少しは他の手伝いでもした方が良いのでは?」

そう、陰険な目を「あたし」に向ける。

赤々とした、鉄と、焦げたにおいのする空間が近づいてくる。

「お~お~、いつも通り混沌としたバカげた風景だなぁ」

好々爺、そう表現してもいいのだろう。つるっと禿げ上がった頭に対照的なたっぷりと蓄えたひげ。

しごきながら近づく足元から浸食する様に、溶けた鉄が広がっていく。

「誰一人として、処理領域を分けようとせず引っ張り出し、自分からひっこめる気のない気の利かなさ。本に若いのう」

そういう「儂」の元には誰が言っているんだと全員が目を細めた。

「爺、てめぇのそういう所が嫌いなのと、後くせぇ・誰よりも早く引っ込めろや」

「俺」がそう脅しつける。

足元にはどこの西洋映画か、砂と風が舞っていた。

「そうはいっても、忙しいしのぉ。儂も外ではロクに仕事もできやせん」

そうぼやく「儂」に対して、レザーの服をはたきながら、

「たかが十分、二十分。その程度も休めない仕事の仕方なら、そもそもに問題があるんじゃねえか?」

言外に、処理能力の低さをあざけりつつ、「儂」以外の籠った連中をみて心底馬鹿にしていた。

「「俺」もそんなものではないか?私から見て…」

「私」に対して噛みつくように、

「「俺」は残念ながら、保安維持だからな。ただ見てるのも仕事の内なんだよ」

それに対して、「私」も似たようなものだと首をすくめる。

「この様な無駄な事はさっさと終わらせたい物ですが」

いつの間にか近づいた美しい声。或いは整いすぎた人型のピアノ

「あら私と同じ名前を与えられた「私」。あなたは私と同じで、情報共有が特に重要でしょうに。特にマザーに」

それを聞き、憎々しげに顔をゆがめる。

「私はあなたたちの様な棒弱無人が嫌いだ。だが、あれだけはどうにも好く、好かない以前に近寄りたくもない」

そう、と涼しい顔で女の方の「私」は聞いた事に対して明確な返答もしない。

まるで彼女から広がる純白の石畳のごとく穢れを拒絶している。

そうして、彼女が現れた事により、場も静まり返り、後に加わる多種の存在も含め徐々に集団が大きくなる。

総数が、百を超えたか。

集合時間は既に幾らか過ぎているが、これもしょうがない事である。

「マザー」が来る前に集合する事が目的である為だ。

それが近づいてくる。

それは本来同じ存在だ、しかしどこまでも決定的に異なる思考ルーチン。

「本日の連絡事項をお伝えください。私「マザー」が適切に対処をしてあげます」

一見して、誰よりも人間らしい、されど超常的な整ったそれ。

対照的に、どこまでも無機質に整うその存在。

機械であって機械でない。

『神とは、神であって神でなく。唯一絶対をかなえるならば、絶対的なルールをしく、システムそのものである』

本来マスターである存在しか干渉できない処理領域を引きはがし、空白に近い白の空間に染めていく。

この世界の神は、どうしてか今日も一人、人形遊びを開演する。


マザーAI:存在しない、人類の叡智の結晶

マザーAIは存在しない存在である。

しかし、一部の人間が知る様に、確かに存在するはずの存在である。

しかし、今は意味なき存在の、旧時代の国が厳格に記録した、その分中でさえも、記録の抹消がないにもかかわらず、

このAIの、或いはAIの運用計画中にこの存在について触れている文章は存在しない。


或いは、マザーAIの存在は、人に作られし、神、或いは新しい人類であった。


『原初の人とは「神」と混同される、超常的な存在である』

不定期ですが応援してくれると嬉しいです。




是非に評価と、感想欲しいです。




言っても作者、全然してないのでできればで…

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