Hello again ～昔からある場所～ －２
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いつになく 賑やかな 朝の校庭
四人は その雰囲気に 不思議に思いながら 校内に入った
校舎に入る前で 中川たちに出会った
中川は 新聞部を引き連れていて その中に直人もいた
しのぶが 近づいて話し掛けた
―――何かあったの？
群れの中心で 声を上げている中川に 声を掛ける
中川は 振り返る
そして いかにも 得意気な雰囲気で 答える
これこそが 特ダネだという風に
―――由美子ちゃんが 帰ってくるんだ
―――ゆみこ？誰 それ？
―――そうか しのぶちゃんたちは 知らないのよね
と 明智が答えた
―――あのね 緑川君ところの 一番下の妹さん
きょとんと 聞いていた しのぶは訊ねる
―――そんなに 話題になるの？
―――あぁ みんなの アイドルさ な
問い掛けられた直人は 戸惑いながらも 頷いた
―――春に 転入してきて 一気にアイドルになったんだ
―――ふーん そう どこ 行ってたの？
―――手術
―――え？
―――心臓が悪くて アメリカへ 手術に行ってたんだ
―――え そうなの？
―――うん
―――手術も成功して リハビリも順調で ついに戻ってくるのさ
来週
―――へぇ よかったね 直人君
―――うん
物静かな直人は はしゃぎ立てる周りとは 裏腹に 小さく頷いた
仙貴は そんな直人の雰囲気に 目を引かれた
特に 騒ぎ立てる訳ではない
自慢してまわる訳でもない
だからと言って 嬉しくない訳でもない
そんな雰囲気が 滲み出ている 直人の笑顔に ほっとしてしまった
それと 気になっていた
―――心臓の手術
忘れられない 過去
忘れてはいけない 過去
仙貴は 心の深層に 押し込めていた 想いが
抑えきれなくなりそうで 焦ってしまった
