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プロローグ 3話 やった!葉っぱ一枚あればいい、なかったらもっといい?

初執筆 処女作です

 ついに手がかりを見つけた甘味は、子供の頃新しいおもちゃを買ってもらい嬉しさのあまり飛び上がって喜んだときと同じように、砂漠の中一人で「ひゃっほー!」と歓喜した。下着に縛られていないため、甘味通のマイサンもぷるんと喜んでくれたのは言うまでもない。


 「何が起きたのか分からないけど感覚はあった。貴重な第一歩だ!」


 YATTA! YATTA! YATTA! YATTA!

 甘味は記憶にある喜びの舞を自然と踊っていた。この喜びはゲームの裏技を発見した時の「お、こんなことができるんだ」のワクワクと似ている。

 勇者よ、旅立ちの時だ。ひのきの棒をくれてやる。さあ、ドラゴンの王を倒してくるのだ!

 脳内で物語が進んだ。妄想って楽しいなぁ。いや、妄想じゃない! 今本当に現実になっている。俺は勇者だYATTA!


 「さっきので何が起きたのかたぶん分かったような気がする。暑くなくなってるから全身に【魔法の壁】みたいなのが出たんだ。これでこの砂漠を動けるようになったぞ」


 この時に余裕があるなら、甘味が人生のバイブルと呼んでいる時渡セイヤ 氏の【異世界に転生、転移、憑依したら】税込み¥4,800に書かれている確認事項の続きをやるべきなのだが、全裸で砂漠にいる状況でこれ以上本の内容を思い出す余裕など生まれるはずもない。

 とりあえず動いてオアシスを探しに行かなくてはと動き出す。気合によって出た魔法の壁だけでも大収穫だ。

 太陽の熱で砂が高温となっていたが、魔法の壁のおかげで足の裏は熱を感じず、ジャッジャッと心地よい音を立てて砂海を歩いて行けている。


 10分ほど歩いた頃にふと芽生えた感情がある。悪くないな、と。元の世界だと窮屈だったのだ。しかし状況が、法律が、世間がそれを認めない。子供の頃から刷り込まれてしまうのだ。人前では服を着なさいと。当たり前だ、常識的に考えて。服を着ない者はおまわりさんにメッ! てされちゃうからだ。

 そんな時代に風雲児が現れた。服の定義を覆してしまった。彼らグループは葉っぱ一枚で全国放送をしてしまったのだ。あれが正装彼らのビジネススーツ。気持ちよさそうに歌って踊っている。その彼らより“先”に行ってしまった甘味は彼らが感じていた以上の開放感を得てしまった。


 これは悪くない。いいものだ。


 そういえば変なアンケートを見たことがある。“時を止めれたら何をしますか”何ってナニだよが多数であとは金や危害を加えるものだったのだが、全裸になって町中を徘徊するというものがった。何をもったいない使い方だと馬鹿にしたものだがこの状況になってみてわかったよ。悪くない。馬鹿にして悪かった。全人類よ! 己の殻を開放せよ!!


 砂海を歩いて疲れが出てきた。俺が動くとマイサンも動く。マイサンは遠心力をもって俺を前へと引っ張ってくれる。がんばれ! がんばれ! と応援してくれているようだ。まあ腹の肉で見えないからイメージだが……想像をしたら少し元気がでた。


 20分ほどで暑いかもと感じるようになってきた。歩いて体力を消耗しているんだから当たり前だろうというのとは違う。その疲れは10分前から感じている。陸上部だった頃の体力がうらやましい。その疲れとは別で魔法の壁で遮られていた気温の熱がわずかにだが肌で感じとれる。つまり魔法の壁は時間内一定の効果発動タイプではなく纏った壁を消耗していくタイプなんだろう。本格的に暑くなってきたら魔法の壁を掛け直したほうがいいな。


 40分が経過したところで魔法の壁を掛け直してみる。


「出ろおおお!!!」


 気合を入れてあの感覚をイメージする。男ならイメージは得意だろう。毎日がイメトレして鍛えているようなものだから。ナニを? 何だろう……暑さでよくわからないことを考えてしまった。

 邪念があったのがいけなかったのか掛け直しに失敗してしまった。

 止まっていてはオアシスを見つけることはできないので、歩きながら魔法の壁を掛けることにする。


 ここまでが世界転移してからの60分内に起きたことである。


 歩きながら【魔法の壁】の掛け直しに挑戦したが一回も成功しなかった。疲れと暑さとクラクラとする気持ち悪さに耐え、ただただ赤髪女神を呪った。

 「ちくしょおお!【創造】さえ、【創造】さえ使えればぁああ!」あまりの無力さに叫ぶ。

 「ちくしょおお!【創造】さえ、【創造】さえ使えればぁああ!」太陽の容赦ない日差しに怒り叫ぶ。

 「ちくしょおお!【創造】さえ、【創造】さえ使えればぁああ!」こんなはずではと涙する。

 「ちくしょおお!【創造】さえ、【創造】さえ使えればぁああ!」心の叫びは気力を引き伸ばす。

 「ちくしょおお!【創造】さえ、【創造】さえ使えればぁああ!」大事なものがあった。服と一緒に消えていた。

 「ちくしょおおぉちくしょぉ」ごめん……紅白君、無くしちゃった……一生大事にするって言ったのに……


 こんなのハードモードじゃないよ……ルナティックだよ……

 この道なき道に目指している場所があるのだろうか。



 いや…ある! 絶対に! 信じるんだ!!

 俺は勇者だ!!

 親友よ、しばらく会えないであろう親友よ。応援していてくれ。俺は憧れの異世界で絶対に成功してやるから。

 創造スキルをマスターしたらこっちに連れてきてやるからな!!


読んでいただきありがとうございます!


元の世界でやり残したこと、やりたかったこと、それを異世界に求めるのが今のなろう小説の傾向かなと。

私はもし剣と魔法の世界で強力な力を得たら親友を喚んであげたいなぁと思いますが大きなお世話なのかな。それよりも元の世界でダンジョンを作ったほうが・・・創造の力があればあああ!


では次話もどうぞよろしくお願いいたします。

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