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21話 猛虎炎帝による魔法講座から次の修行へ


 対魔物防衛隊所属第二調査班、通称・対魔防二班班長【猛虎炎帝ビスマルショット】は調査班に入った頃はまだ容姿ともに普通の青年だった。

家系がヒーラー(回復役)寄りだったため例に漏れずヒーラーの道へと進んだ。

ある時他国で有名なヒーラーが普段一般公開していない自分の聖堂を有料公開したため財産のほとんどを使って申し込み見事ハイヒールを授かることができた。

 ハイヒール級を使えるとなると三班以上のヒーラーとして採用されるため将来の安泰が確約される。

 家族に報告したらどれほど喜ばれるか、それを想像するだけで飯を5杯は食えると思いながらの帰路の途中、強力な魔物が出ると噂が立ったため急遽ルート変更をして帰ることとなった。

 選んだ道は悪路によってかなりの揺れがあり、馬車の中一緒に国に帰る者同士で支え合って耐えていた所、強風により崖下に転落。気がついた時には自分だけが生き残っていた。

 途方に暮れ森をさまよっていると加齢により衰弱した白と黒の虎斑(こはん)を有した巨大な虎がいた。

 そのあまりの美しさに惚れ世話をすることになり5年の月日が流れ虎はこの世を去った。

 別れに泣き寄り添って寝たその夜、夢に獣神が現れ眷属となった虎に話を聞きお礼をしたい言う。

 夢から覚め指示のあったとおりに火葬をすると火は虎の形となりビスマルショットの体へと入っていった。

 それが獣神から授けてくれた『猛虎』だった。

 『猛虎』の力に恥じぬよう力と魔素を鍛え10年が立ち、計15年の時を経て母国へと帰ってきた。

 その圧倒的な力により一気に対魔防一班班長に上り詰め、ポンドゴーが現れてからは代表はめんどくさいと席を譲り二班班長の座に降りる。


 これ一本でおとぎ話が作れるだろって内容に俺は今すぐにでんでん太鼓を持って龍にのり世間に広めていきたいと思った。それと同時にとんでもない行動を取る師匠は何か意図があってやっているのではと疑問に感じた。


 そう、バタバタしていたためなぜこんな行動を取るのかという疑問をおろそかにしていた。

 昨日これについてもしかしたらと答えにたどり着いた説がある。ズバリ師弟対決!強くなりすぎるとお互いに大怪我を負うためよほどのことがない限り手を出せなくなる。そこで俺が落ちてたから拾ったら面白いことになるのではとやってみた結果がこれじゃないだろうか。

 あとは…初めて会ったときに確か俺が師匠に鍛えることを求めると言っていた。結果的にそうなっている。これほどの力を見せられて魅せられない奴はいないだろう。

 すべて計算してやってたらすごいな。けど師匠なら難なくやれそうだと思わせてくれる凄みがある。

 辻褄が合っているしこれで確定していいだろう。事件は解決した!閉廷ガラガラ!


 1人納得していると実際に魔素を(まと)ってみようという話になった。


 ここで問題があるかもしれないため黙っていたことを伝える。


 「今までの話からすると魔素を(まと)うっていうことは魔法を使うっていうのと同じだと思うんです。実はボクスさんから俺は魔法が使えないかもしれないって言われているんです。特別だからなんとかで」

 「なんだそりゃ?特別だから魔法が使えないだって?…魔素は生きている全てのモノが生産しているんだぞ。最初は訓練しないと魔素が少なく纏えない者もいるがそれは誰もが知っている事だ。ボクスが言うからには何かあるとみて間違いはない。となるとポンドゴーが『魔眼』でみた結果なんだろう。あいつは何を見た……」

 「あ、いや、かもしれないってだけでやってみないとわからないとも言ってました」


 そうだった、やってみないと分からないとも言っていたんだった。ここまで言わないと変に疑わせてしまうだけだ。失敗した。


 「ん、そうか、かもしれないか。大事なことは早く言えバカがバカだな」

 「ごめんなさぃ」


 俺が悪いけどバカって二回言うなよ…バカバカって二回言っていいのはピンク髪のツンデレ魔法使いだけだぞっ


 「なら当初の予定通りやってみるか。魔素障壁(バリアー)は卵の殻をイメージしろと言ったがそれは魔素を鍛えてからだ。まずは指の先に豆があるイメージをしてその豆で自分を守ると強く念じろ」


 俺は指示の通り指を鉄砲の形にして指先に豆のイメージをする。


 (守る守る守る守る守るまもるうううううううう)


 するとどうだろう。何も感じない。さっぱりわからない。ハァ?いや一回じゃだめだ。もう一回!!


 (守る守る守る守る守るまもるくぅううううううううん!私を守って守るくぅうううんん!!!その強靭(きょうじん)な肉体で全ての攻撃をパリィしてえええ!豆ええええ!豆ええええ!!!ウリイイイイイ)


 あらゆる守りの思考をするが一向に出る気配がない。なしてなん。おかしいやろこんなん……


 「……すまん、いい忘れてたことがある。魔素は頭から上に向かって出るんだがその流れを集めるイメージで豆を作れ」

 「あ、はい」


 さっきの気合なんだったん……めっちゃはずいやんけ……あまりの気合と虚無感で口調が変わってしまったじゃないか。


 気合新たに頭から魔素をかき集めて指先に豆を作るイメージをする。


 (ふぅ~~~お豆ちゃんお豆ちゃんかわいいお豆ちゃんこの指先を感じるんだ~~。そうそうそうここだよーほ~らここに……よっし……感じてきたぞッもう少しで……ここを円を描くようにツツツツーと……い!……くっっ)


 頭をフル回転させてイメージを拡大し遂に指先に豆が出来上がった。


 「ハァハァハァハァ……師匠!出来ましたぁぁ!!! 頭からちょろっとなんか勢いよく出た感じがして……ハァハァハァ……豆が! お豆ちゃんが!!」

 「そうか!! 出来たかああああ! やったじゃないかあああああ!! いいか、今回はほんのちょっとの魔素を使ったからちょろっとした感覚だったが、この量を一気に増やすとどばって勢いよく出るから立ちくらみに近い怠惰感(だるさ)があるかもしれん。だから少しずつ量を増やして慣らしていくんだぞ!! 今日の魔法講座はここまで」

 「やったああ! 俺のお豆ちゃんっっっ! くぅぅぅぅ」



 最初に挑戦したときに出来なかった。俺は本当に魔法を使えないのだと諦めかけた。しかしどうだろうか! どうだろうかっ! 今! 俺の指先にはお豆ちゃんがある! そう感じるんだ!!! 他人から見たら小さい一歩だけど、俺にとっては大きな一歩だ! 可愛くて可愛くて舐め回したいぞおお!


 歓喜に震える俺に師匠は満面の笑みを浮かべ「おめでとう」と言い幼虫がいっぱい盛られた皿を出してきた。

 嬉しくて今なら美味しく食え――なかった。やっぱり一線を越えたまずい物はまずい。ダメだコレ。

 チョチョコーネに教えて貰った葉っぱと牛乳を頼りに完食した。もうね、あまり噛まずに飲み込むのが一番だ。噛むとエグい味が口の中に広がって億劫になってしまう。


 食事後休憩を取ると筋肉痛は今朝より大分引いた。休憩中にマッサージをしてたのが良かったのかもしれない。

 少し散歩をして違う葉っぱを探し出し持ち帰ると、筋肉痛の治りが早いからということで午後は剣の稽古をすると告げられた。

 剣! それは男の子なら誰でも夢見る……Man’s dream 英語にしただけだがドリームだよドリーム! 剣も魔法も使えるなんてロマンだよ!


 「師匠! ぜひ教えて下さい!!!」

 「良い返事だ! よし準備する! 少し下がっていろ!」

 「はい!」


 師匠は木に向かい右手を左から右に一閃する。矢継ぎ早に返し手で掌打をすると木が押された方向に倒れていく。

 ズザザザザバキバキバキ……ドゴンッ

 周りの枝に当たりながら倒れた木の切り口は鋭い刃で斬られたかのように綺麗な年輪を晒していた。


 「はぁ?」


 そうとしか言葉にできない光景が目の前で行われバカっ面で見つめるしかなかった。


 倒れた木に近づき同じ様に手を動かしバッサバッサと斬っていく。

 そして出来上がったのは木剣とカカシだった。


 「よぉおし待たせたな! 剣の修行だああ!」


 これが達人かよ……うは、うはははは! 楽しくなってきたぜええ!


読んでいただきありがとうございます。

読んでいただき本当にありがとうございます。


修行回長くてすみません。ハンターハンターとかの修行回大好きなんです。

同士がいると信じて書いてます。


途中バラが背景にあるような怪しい描写がある?

はて…?想像力が豊かすぎやしませんか?

ナンノコトカサッパリデサー


それでは次話もどうぞよろしくお願いいたします。


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