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<プロローグ>1話 祝!異世界デビューします!

初投稿 初執筆 初お披露目

温かい目で見守ってやってください。


こちらはプロローグとなっております。


プロローグ 祝!異世界デビューします!



 「ヒヒ! イヒヒ! これってあれですよね! 異世界ってやつ!!! キタキタキタキタ!! 俺の時代が!! やっぱりなんか違うって思ってたんだよなぁ! 俺の生きる場所じゃねえってさぁ! そうだ! スキルあるんでしょ? 特別なやつ! 俺欲しいスキルがあるんですよ! 【創造】のスキル! 分かる? 思い描いた物をなんでも作れちゃうってやつ! 超便利だからめちゃくちゃ欲しい! 頼みますよおおおお! 俺勇者なんでしょ!? 世界救って欲しいんでしょ!? ならいいじゃないですかああああ! 神の力でお願いします、一生のお願い!!!!」


 俺は土下座をしながら目の前にいる赤い髪の女神にあらぬ限りで叫んだ。


 この状況を待ち望んでいた。生きてきた中でこれほどの興奮は初めてだった。高ぶる興奮のせいで変な笑い方になってたのなんてどうでもいい。


 異世界モノは最初が肝心なんだ。ここで傲慢になって願いを伝えないと、勇者特有のありきたりなスキルを割り振られて強敵と戦うザ・定番のストーリーに成りかねん。

 泣きついてでも創造のスキルを得て、元の世界でできなかった俺つえー! 俺かっけー! んで美女ハーレムを作ってみせる!


 夢が広がりまくって頭に血が昇る。女神の靴でも舐めたい気分だ。



 ここで自己紹介といこうか。


 俺はマンガやゲームを趣味としている。運動は中学までは好きだった。

 勉強は小学5年から周りについていけてないと自覚するようになった。勉強をする意味がわからなかったから身につかなかった。大人たちも学校の勉強なんて社会で役に立たないぞって言ってるし。

 それよりもマンガから伝わってくる勢いが好きだった。ゲームのファンタジー世界を操作して冒険に浸るのが好きだった。


 【剣】【モンスター】【魔法】に恋い焦がれる典型的ファンタジー脳の持ち主、それがこの俺“甘味かんみ とおる”19歳だ!


 俺が勇者として異世界に呼ばれるまでを語らなきゃならないよな? お決まりだしそこを語らないでどうするって後から苦情が来ても困るので、伝説の始まりってやつを語らせてもらうぜ。



 あの日は俺が愛読している“小説家になろう”の有名作からキャラたちが集って面白おかしく日常を過ごすアニメがあるのだが、その舞台となる学校を特定できたのだ!

 電車で2駅の場所という近さだったため、いても立っても居られず飛び出し現場に向かった。

 そういえばいつもは重く感じる体が、あの時は水中を歩くときみたいに軽く進んだんだよな。思い返してみるとあのときにはもう【勇者】として導かれていたんだろうね。


 駅についた俺は電車がまだこない時間を利用して、駅付属のコンビニ寄り走った疲れを癒やすのと聖地特定できたご褒美に、炭酸飲料と甘いスイーツを買ってホームに向かったんだ。名字が意味しているのか俺は甘いものが大好きなのだ。


 電車が来るまでにあと2分。2分もあればコンビニで買った体力回復アイテムは余裕の完食。早食いできなきゃ男じゃないよね。千五百円分ごっそうさん!

 周りのギャラリーからは俺の食べっぷりに尊敬の眼差しを向けてくる。いや、もしかしたら【勇者】ってバレてたかもね。隠しきれないカリスマを持った自分がニクイぜ。


 【勇者】を迎えに来たかのように電車がホームに侵入してくる。俺はベンチから立ち上がり前へと進む。するとどうだろうか。俺の目の前に綺麗に扉が止まるではないか。


 祝福されている。


 聖地特定には神からの恩恵があるのだろう。勝った。今俺は周りの誰よりも神に愛されている。俺を馬鹿にしてきた奴らよりも“上”にいっていることがわかる。

 勝利の笑みを浮かべながら電車に乗り座席に腰掛ける。神に愛されている俺を見て悔しそうに下を向く下民共を見るのは愉快だった。

 目的の駅に着くまでにつぶやきアプリで聖地特定の報告をあげると〈神降臨!!!!〉〈うpうp〉〈お前は神か?〉と賞賛される。


 イヒャッヒヒヒ。おっと、笑い声が漏れてしまった。反省せねば。


 その後目的の学校に着き記念写真。ここから俺の名が世に広がっていくと思うとつぶやきアプリに上げる写真は普通のなんか論外。アニメと同じショットが分かっている風を演出できていいだろう。

 学校周りを散策しているとベストポジションが見つかった。そっくりだ。アニメーターうますぎだろ。

 邪魔な物をどけてから撮影をしてつぶやきアプリに投稿をした。

 ここから俺の人生スタート間違いなし。一躍人気者になり忙しい毎日が俺を待っていることだろう。


 どうだ?俺の凄さが伝わっただろうか。ここから先も歴史に名を残す凄いことが続いたのだが、異世界行きのほうを早く語りたいから時間を進めるぜ。


☆☆☆

 やはり世間は俺に嫉妬したらしい。悲しいことだがこれも有名税ってやつなのかな。フ~やれやれだぜ。


 今俺は警察官に不当な尋問を受けている。


 どうやら学校周辺で不審者がいると通報があったらしい。たまたま近くにいた俺が警察官の標的にされてしまった。

 まったく、超有名人の俺とそんな不審者、一緒にしないでいただきたいものだ。情報に疎い奴め。

 スマホを見せろと言ってきたので無実を証明するために警察官に手渡す。

 怪しんでた相手が素直にスマホを出したことに驚いたのだろう。こいつ俺のスマホを受け取り損ねやがった!


 俺は慌てながらも素早い動きで拾おうとするが、警察官のバイクに体当たりをしてしまう体勢になってしまった。

 ガシィン! と強い金属音を鳴らし倒れるバイク。

 それだけなら良かった。これは俺の身体能力が【勇者】になっていっているから起きてしまった俺の不注意だ。力加減を間違えてしまった。


 しかし今は最悪のタイミングだった。


 日は沈み陰が強くなる下校時間。歩道でのやり取りだったため、これを避けるべく人の流れは道路へ膨れていたのだ。

 バイクが倒れると同時に膨れていた波がさらに大きくなる。

 狭い道、ギリギリ通れるだろうと横を抜けようとしたトラックが、状況に追いつけず弾けた波を飲み込もうとする。

 人間性なのだろう。【勇者】のサガなのだろう。俺はスローモーションで時が刻む中を素早く動き波をせき止めたのだ。


 しかし力の方向は止められない。俺はトラックの前に投げ出され、そして……女神の部屋へと導かれたのだ。



 これが俺の異世界への飛び方だ。こんなことができるのは神の祝福を受けた【勇者】である俺だけだ。真似しようと思わないことだな。


 赤い髪の女神は俺の願いを聞きながら立体ホログラムのキーボードを操作している。入力音が止み言葉を発しようと一度咳払いをした。


 「勇者よ、世界を導く星よ。大地に実りを、果てに希望を築くのにその望みの力が必要ならば与えよう。」


 赤い髪の女神が持つ杖が輝きを放ち俺の全身を光が包みこむ。

 気のせいかもしれないが額と両手がほのかに熱を持った気がする。違うか、光に包まれたときに土下座をしたんだった。興奮のあまり勢いがついたから熱をもったのだろう。

 光は徐々に小さくなり俺の中へと消えていった。これで創造のスキルが使えるようになったのだろうか。

 お約束で分かりやすい演出だ。実にいいぞ。嫌いじゃない。大好物だ。異世界モノの定番は外せないよな。


 何か難しいことを言われてあまり理解できなかったけど、要は力を使って世界をハッピーにしろってことだろう。じゃあもう一つぐらいおねだりしてもくれそうだな。世界のために必要なんですううう! って言えばいけるっしょ。


 「ああああありがとうございますううう! この力で幸せになります!!! いや、いえ、幸せにしてみせます! 興奮で間違えましたスミマセンッ。あと、あと! もう一つお――」「では勇者よ、世界を導き給え。期待しておるぞ」 


 おっふ、俺との会話強制終了。


 女神様は美人すぎてまともに顔を見れないし、そもそも女性と会話するなんてカーチャンと先生以外したことがないから震え声で聞き取りにくかったかな。

 失敗した。まあいい、創造スキルがあれば十分だ。


 赤い髪の女神は魔力っぽいもので魔法陣を構築し俺に放った。神だから神通力? なのかな。

 まあいい、ここから俺の異世界冒険の始まりだ! 神の力が魔力なのか神通力かなんてどうでもいい。


 神よ、ありがとう。最大の感謝を!


 魔法陣による浮遊感を感じながら俺は異世界を想い、胸を高鳴らせる。


 勇者甘味 いっきまあああす!



 (そういえばあの女神の名前を聞き忘れたな)


 心残りをしつつもこれから起こる伝説の世界最強最高勇者物語~現代知識で俺ツエー~妄想にとっては些細なものだった。



読んでいただきありがとうございます。


普段は普通だと思えるはっはっはっはみたいな笑い方なのに興奮状態になると変な笑い方になったりしますよね。赤面モノです。

次話もよろしくお願いいたします。

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