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烙印  作者: いろは
5/8

シャトルは、高く弧を描き、僕と岡田の間を往来する。午後の薄くなった空の色に、白いシャトルが、映える。

「岡田、知ってる?」

「ん?何を?」

「土屋の…」

進路、と続けようとすると、岡田は僕の言葉が結ばれるのを遮って言った。

「やっぱり?そうだよなぁ。あいつ頭良いしな、うん。それに結構見た目も…」

「何?知ってたのか?」

「いや、見てれば大体分かるよ。俺、そういうの目敏いんだよ」

「見てれば?そういうものかなぁ?」

「まあ、土屋は、ポーカーフェイスだから、あれだけど向こうはもう確実だと思ってたよ」

「え?どういうシステム?」

「そりゃ、久保田からアプローチしたんじゃないかって事だよ」

「いや、ちょっと待って。何かごちゃごちゃしてきた。何で久保田が出てくんの?」

「だから、土屋と久保田が付き合ってるって話じゃねーの?」

「はぁ?そんな話じゃないって。大体いくらなんでも、そんな事ある訳無いだろ」

「いや、土屋はどうか知らんけど、久保田は、絶対好きだと思うな。」

「そうかなぁ」

「ん?じゃあ藤本は何の話しようとしてたんだ?」

「ああ、いや、進路の話。京大だってさ」

岡田は、一瞬ぎょっとした表情になった。

「へぇ?東大じゃないんだ」

「何か東京が嫌いとかなんとか」

「何だよ、その理由。俺が土屋だったら迷わず東大に行くのになぁ」

僕はくすくす笑った。

「だよなぁ」

「京大か」岡田は少し遠い目をしていた。

不図気が付くと、久保田の視線がこちらに向いていた。

一瞬間、僕と久保田の視線が絡んだ。そうして、すぐに二人の視線は別へ向いた。


その頃から、以前感じていた視線は、久保田から発せられていたのではないか、と疑い始めた。

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