どこか行かない?
戸部再会した放課後鞄に教科書などを詰め込んでいた時、お馴染みの明と琴羽がやってきた。それはいつもの事だけど。
「結心結心、どこか寄って行かない?」
琴羽の横で肩竦める明……明が竦めると言う事は止まらない訳だ。
「これから私用で、行けない」
「そうなんだー………私も着いて行く」
「はぁ!?」
今なんて言った!?着いて行くって……俺は構わないが、簡単星見は大丈夫だろうか。明なら、大丈夫だろうが琴羽がな……でも、戸部とも仲良くなっていたからには大丈夫なんだろうが。
明の方も見て見るが口パクで『諦めろ』。そうか、諦めるしかないのか。
「相手にも聞いてみないと分からないから取り敢えず聞いてみる」
昨日教えてもらったlineに入れておいたが、すぐに返事が返ってきた…そこはもう少し遅れてくれ。星見的はいいそうなので連れて行く事になった。
天文部室に寄ってから望遠鏡が入った箱持ち、屋上へと歩いた。それはいいんだが、二人ともせめて手伝ってくれてもいいだろ。
屋上には体育座りで空を見上げる星空がいた……。
「ゆっしん、来た……………後ろの二人誰?」
お互い初めて会うので先に幼馴染みの二人を紹介した。まぁまぁ、普通の紹介だったと言っておく。
「ん、覚えた…アッキーに琴羽」
「なんで私だけ普通なの!?」
「あ…アッキーだと!?」
琴羽はともなく明を動揺させたのは驚いた…明は動揺する事がないから、星見スゲー。
望遠鏡の設置は星見の監督の元組み立ててみた…興味はあったから、頼んでみたが一言「いいよ」だった。組み立てるのが面倒なだけじゃないよな。
「やっぱり冬の方がよく見えるだね!」
「私はそう思う…空気も澄んでるから」
星見と琴羽が仲良くなってるのは予想外だった…仲が良いのは大歓迎だが。
「なるほど、こうゆう構造になっているんだな」
明は望遠鏡の仕組みを感心しながら、後ろから見ている。設置は終わって、細かい調整してるだけなんだが。
「ちょっと手伝おうか思わないか?」
「素人がやるのは危険だからな」
俺も素人なんだけどな!それをグッと堪えておいた。
「次からは手伝ってやるから安心しろ」
「次って……また来るのか?」
顔を星見たちがいる所へ示した。
「真那、また来てもいい?」
「勿論、いい。琴羽とはまた喋りたい」
明に肩に手を置かれた………うん、言わんとする事はわかる。まぁ、星見は友達は少なそうだから友達出来るのはいい事だよな。
次回予告
結心「琴羽と息が合ったようだな」
星見「…かなり…。でも相楽出版社の令嬢とは思えない」
結心「それは言わぬが花だ…令嬢とは思えない普通の女子高生だな」
星見「…凄い友達。次回予告『不思議な人』」
結心「それはどっちの意味で?」