決まらない
今回は短いです
修学旅行が終わって二週間が経とうして、今だに星見のお土産を渡せてない。
徹底的に避けられて、琴羽や明はすれ違ったら挨拶くらいはしてくれるそうですぐにいなくなるそうだ。これには俺たちは頭を傾げた。戸部が星見や蛯原が気付かないように探ってくれるそうだ。
ため息が出そうになるが堪えた。最近ため息をしてるから……ため息を吐くと幸せが逃げていくって言うから。
そんな思いながら、相棒の自転車を整備していく。乗ってなくても油が落ちたり、錆びがついたりするから整備は欠かせない。もし整備を怠ったらコーチから鬼ように説教とハードな訓練を課せられる。
「兄さん兄さん、ため息を吐かなくても目が遠いだけど」
「悪い……昔を思い出してた」
「よくご飯を食べて死んだように寝てたね」
あの頃は限界まで酷使していたから、両親はともかく妹弟に心配掛けてた。体力的に余裕があったら遊んだりした。
弟も自分の自転車を整備している。………失敗したら俺にバトンパスする為らしい。
「それにしても巡も大分慣れてきたよな」
「兄さんが教えてくれたからね。兄さんもはどうするの?」
「正直、明にも言ったが迷ってる」
「だよね。ずっと楽しそうに頑張ってたんだし」
楽しかったのは楽しかったが、それ以上ツラくもあったんだ。たまにMじゃないかと思う時があった。だってなんであそこまで頑張れるか不思議だった。
「巡も絵を書くを頑張ってるな」
「絵っても鉛筆で書くだけだよ」
「似たようなモノだろ……素人からしたら」
絵なんぞ、美術の先生は俺が書いた絵から目を逸らした。なお成績は平均点を付けてくれたが。先生のなんとも言えない顔は忘れない。あと幼馴染みたちの………琴羽さえ表情も固まった。
「俺には絵のセンスがない」
「僕には兄さんみたいに体力はないよ」
お互いいいことずくしじゃないだな。
次回予告
蛯原「最近、星見の様子が変なんだが」
戸部「ソンナコトナイヨー」
蛯原「どこか怪しいだか? 次回予告『どうしたですか?』」
戸部「こりゃ、バレるのは時間の問題だね」




