お疲れ様
修学旅行の日も後数日ともなると袖中教師から修学旅行のしおりを配られてゆき、それぞれ日程とかを確認していた。
「やっぱり清水寺も含まれてるだ」
「京都との有名所だからな」
「結心を清水寺からダーイブ♪」
……琴羽~それはダメなやつ。そんなでリアルシャレにならない。あとそれは清水の舞台であって、琴羽が考えてるリアルな出来事じゃない。
「晴明神社もあるんだ!恋のお守り買わないと」
琴羽の願いはすでに叶っているので、意味はないと思うのは言わないでおいた。琴羽に聞かれたらロク事ならないのは明もわかってるので黙っている。
「京都タワーあるんだな」
「ふむ、観光スポットしか巡らないみたいだな」
明の言った通り……巡める場所は観光スポットだった。まぁ、知らない土地だから学校からしたら迷子になっても困るだろうなあとからカラまれたりするのも厄介もある。
「私は明さえ一緒ならどこでもいいよ~あと結心も」
「おまけみたいに言うな!」
相変わらず明大好きな琴羽で………。明に視線を向けると気まずそうに顔を反らした。お前でも完全に制御出来ないのか。
内心ため息を吐きつつ読み進めるとホテルの部屋割り表を見ると止まった。一回目をマッサージしてから再び目を戻すと同じだった。
明を見てみるとこちらを見ていた………二人でこれを持ってきた教師を見ると教師はうなずいた。
「相楽、ちょっとええわ職員室からプリント取って来てくれへん?」
「えー……わかった」
教室を出ていく琴羽を見届けてから明が切り出した。
「父さん、全て琴羽と同室なのはどうしてなんですか!」
最もな事だと思う。修学旅行の間は部屋割りが明と琴羽が同じ部屋だった。
普段は公私を別けている明がこの時はそうとも言ってられなかったみたいだ。
「そうすると相楽が機嫌悪くなるねん」
ウンウンと頷くクラスメイトたち。その意見は俺も同意見だった。
「不純異性交遊になるじゃないか!」
「どうせ、逃げれへんねんから諦めな」
「父親のセリフですか!?」
「お互いの両親公認や」
「その本音は?」
「ローンとか残ってねん」
教師の本音は真剣だった……世の中は世知辛いな。
そして明にはお疲れ様と言いたかった。
次回予告
明 「なんでこうなったんだ」
結心「実家の力だろう」
明 「琴羽の母さんにワガママを言ったのか」
結心「そうだろうな、おじさんなら苦笑いですまそうとするよ」
明 「…………搾られるのか」
結心「…………大丈夫だろうと思う。次回予『結心がいない日』」




