光を戻れ!
今日は珍しく琴羽と一緒に寄り道をしてから帰えるつとりだった。いつもなら明と一緒に帰ってる琴羽だったが、買い物に付き合わせられた。
「お目当てのは買えたのか?」
「もちろーん!明の誕生日プレゼントだもの」
あー、もうすぐ明の誕生日か。お互いに毎年毎年祝ったりしてたから、ほぼ恒例イベントの誕生日。
母さんから聞いた話しだが、父さんと付き合っている頃互いの誕生日を知らなかったみたい。どんな付き合いしてたのか。
「『プレゼントは私』するなよ」
「結心はエスパー!?」
マジでするつもりだったのか!?いくらなんでも明でもドン引きするだろ。その為の買い物だったのか!
琴羽………おばさんに似て来てるぞ。
「明に付き合ってもらったらいいのに」
「だって、全力止められるから。それにサプライズしたかったし」
知ってたら俺でも止めるに決まってるだろ、明の心労の為にな。
「どうする?どっかカフェに寄っていくか?」
「そうだねー、もちろん奢りだよね」
誘ったのは俺からだからいいが。
近場のカフェに入ろうと足を運んだら、二人とも足が止まった。
そこから写る光景に止まった。
何十年と見ていた幼馴染み明と後ろ姿見えないが私服の女性。俺はどこか見た覚えがあるような。
そんな所じゃない…………恐る恐る横に目を送ると笑ってるけど目に光が灯ってない琴羽さんがいらっしゃた。
「琴羽さん、一端落ち着きましょうか」
「大丈夫だよ結心……落ち着いているから、明日から明は学校に行けないと思うけど」
それのどこが大丈夫なんだ。明に何をするつもりなんだ!
「ベッドに縛り付けて、逃げれないように扉には鍵を付けないとね」
はい、病んでる!いつも以上に病んでる。いや殺の方じゃないだけマシかも知れないが、明の為に止めておこう。
「浮気とかじゃないと思うけど、隅で観察してみよう」
「……………そうだね。でも浮気なら日の光はこれが最後だね」
頼む明、浮気ではない事を切実に祈ってます。お前の平穏と命がある事を。
そして琴羽、目に光が戻ってくれ。隣にいる俺が怖くて仕方ない。通行人も早足で去って行く。
次回予告
戸部「琴羽先輩って一途だけどヤンがすごそう」
星見「……常識」
戸部「常識だったの!? 次回予告『どこかで見たような』」
星見「柚希、遅れてる」
戸部「真那ちゃんだけに言われたくないよ!」




