後夜祭
文化祭も終盤を迎え、校庭には薪が組まれて燃えている。そしてその周りで踊る生徒たち。
去年も見たが……こうゆうの普通にはないよな。安全を確認している教師たちの姿もあった。
「お前が素直にあそこで踊ってたりしてるとは思わないな」
「折角の開放………星見ないと損」
「お前らしい理由だな」
俺と星見はいつも通り屋上で天体観測をしている……望遠鏡を覗いてるのは星見だけなんだが。そして俺は出入口で座っている。
俺としたら下で踊る相手もいない訳で(戸部は探してます)……明は琴羽と踊っているだろう。踊らされているの間違いだ。
「この後夜祭って両親の時代に出来たらしい」
「……驚き」
口にしてるだけで対して驚いてないよな。望遠鏡を覗きながら言ってるから尚更。
「こんな明るくても星は見えるものだ」
「都会だと明ありが多くても見える星もある」
後夜祭での火が明るく照らしてるが、それでも夜空に星が輝いている。 最近はよくお風呂上がりに夜空を眺めている……感化された訳じゃないが星見に染まった。また妹たちも一緒見るようになった。
「……ゆっしんは踊れない?」
「プロ並みは踊れないが、一応踊れるぞ。星見はどうなんだ?」
「……リードがあったら」
星見がそう言って覗いていた望遠鏡から離れて、フェンスから見渡すように校庭を見ている。俺も思わず星見の横に移動して校庭を見下ろした。
「………………星も綺麗……そして…あの炎も綺麗」
「そうだな。みんなで作り上げたからな……その達成感もあるんだろ」
ユラユラと炎の暖かい光……去年はボーと眺めていたが、今年は横に星見がいる。
ソッと盗み見したがすぐに視線を出す戻したが、頬がものすごく熱くそして心拍が早まってる。それはなんでかはわかっている。校庭を見ている星見が優しく微笑んでいた。あの表情は反則だろ。
俺って星見の事が好きなのか………でも過去に星見でこんな事あったな…………本当に本当に星見の事が好きなのか。でも納得してしまう。
「星見、よかったらここで踊ろう」
星見に向き合い、手を差し出した。困惑気味に差し出された手と俺の顔を何回か視線を行ったり戻ったりしたが、表情はいつも通り無表情だけど。
「はい、喜んで」
優しい声で返事を返して差し出した手に自分の手を乗せてくれた。
そこからは校庭から鳴る曲と共に踊りだした。誰もいなく、二人っきりの空間だった。
次回予告
戸部「おっ、蛯原~」
蛯原「ん、どうした?」
戸部「坂雪先輩知らない?あと真那ちゃんは?」
蛯原「先輩は知らないな。星見はこうゆうのは参加しないな」
戸部「琴羽先輩たちならいるんだけど。次回予告『どうしようか?』」
蛯原「相楽先輩に振り回されてるが」




