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星空ペダル  作者: シノシノ
第一章 高校二年
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あの、ちょっと

明に指摘されてから、もし星見の事が好きなんじゃないかと思ってしまう。次の日からは星見に対する態度がちょっとぎこちなくなってしまった。まぁ、星見はそれに気付いてなかったのは幸いだった。


「明が変な事を言うからな」


もやもやしながら書店の帰り道を歩いている。今日も星見の天体観測はなかった。琴羽と戸部に連れて行かれた。

今はまだ怪しまれてないがいずれバレるかも知れない。それまでにどうにかしないと。


「あの、ちょっといいかしら?」


考え事をしていたら、呼び止められた。30代後半くらいの女性だった。買い物袋を携えているからして買い物した帰り道なんだろうな。


「間違っていたらごめんなさいね。○○高校の学生さん?」

「そうですが」

「じゃあ、名前は坂雪結心さんかしら?」

「えっ、そうですが。あなたは?」


制服で学校がわかるのはいいが、名前まで言われるとは思わなかったし、この人は知り合いの中に入ってない。


「あら、ごめんなさいね。私は星見志穂です」

「星見って……もしかして」

「星見真那の母親です。娘がお世話になってます」

「いや、こちらこそお世話になってます」


やっぱりそうであった。……うん、それはわかったんだが。


「真那のお友達の柚希からどんな人か聞いてたから、すぐにわかったわ」


戸部、お前が話していたのか!そこは普通は星見だろうが、まぁ星見がペラペラ話す所は想像出来ないな。


「あの子からそうゆう話しは一切出ないからね」

「星見は自分から話す事あまりしませんよ」


話し掛けたら話してくれるが、基本無口なんだよな。


「そうなのね。外でもそんな風なの」


……あれ、どうやら知らなかったようだ。家でもあまり話さないのかも知れない。


「母親でも話さないのは星見らしいですね」

「それもあるかも知れないけど、私が本当の母親じゃないから」


とても悲しそうで寂しい表情を浮かべた志穂さんに俺は何も言う事が出来なかった。

次回予告

戸部「私たちの高校の名前が出てない」

蛯原「作者が思い付かなかったみたいだ」

戸部「ちゃちゃっと出したらよかったのに」

蛯原「それはいいだろ別に。次回予告『星見の過去』」


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