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星空ペダル  作者: シノシノ
第一章 高校二年
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夜風が

風呂……温泉上がりで火照った体を冷ます為に外へと出てきた。道は月明かりで土が見える。温泉でひと騒ぎがあった。まぁ、予想していた俺と明は避難していて助かったが蛯原が犠牲になった。

原因は琴羽にある訳あって、温泉の男女を別ける暖簾を逆に変えてあって、それをやると思っていた。現在恵美ねぇとカズにぃから説教を受けている。


「相変わらずやらかしてくれるよな」


蛯原の悲鳴が可笑しかったな。いや、悲鳴すらなっていなかった。思い出し笑い声を押し殺すのが苦しかった。笑わないように上を向くとして笑いもピッタリと止まった。


「おぉ~!」


夜空一面無数の星が見えた。町では見られないから妙な感動を覚えた。星見が夢中になるのがなんとなくわかる気する。

少し歩いていると………こんな星が見てるのに星見が見逃す筈がない……結論、望遠鏡を覗き込んでいる星見がいた。タオルを首から掛けているのでお風呂上がりだと思う。


「期待は裏切らないな星見」

「ゆっしん、期待通りの間違い?」


期待通りでも正しいな。こんな星空で星見が覗かないという選択肢はないな。


「こんなに星がはっきりと見えるなんてな」

「こんな所だから見える…ここだと町の明かりもない」

「だから星の光がよく見えるか」

「そう」


小学生の授業で習うから分かるが、詳しい事は分からない。

…………………………今のタイミングなら大丈夫か。


「星見、足の怪我の事気になってたよな」

「……事故の理由知りたい」

「小さい子供を車から助けに出たら、子供は助けれけど自分がな」


現場がかつて父さんも引かれた所というだから、なんたる偶然かと思った。母さんは心配より呆れで父さんは苦笑してた。


「それで轢かれたと」

「カッコ悪いよな……助けに行って自分が轢かれるなんてな」

「悪くない…」


そう言って貰えるだけ助かる……幼馴染みからはダサいや無謀など言われた。


「それで選手としてもうな」


医者からもう選手としては無理と言われた時は、落ち込んだりもしたが後悔はしていなかった。

後遺症くらい済んだのは運がよかったかも。ヘタしたら死んでいても仕方ないよな、車に衝突されたんだ。


「未練も捨てきれないが」

「未練があるのは当たり前。でもそんなゆっしんでも嫌いじゃない」


……嫌いじゃないのは嬉しいが好きでもないとも取れるから素直に喜べない。

火照った体が夜風が気持ちいい。

次回予告

和人「琴羽ならやるかなと思ったけど」

恵美「やったよね。全く仕方ない子」

和人「一途だからな…明くんには悪いけど」

恵美「向こう見ずな気もするよね。次回予告『先輩恨みますよ』」

和人「蛯原くんも気の毒だね」

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