また落ちた(物理)
カズにぃの運転よりたどりついた海。うん、太陽が眩しいな。
かつて両親が幼馴染みの両親たちと遊んだらしいが、詳しくは聞いてない。
「車を止めて来るから、先に行っていいよ」
車を止めに向かうってカズにぃとそれに着いてって行こうとする恵美ねぇ。
恵美ねぇの魂胆は見え見えな分、邪魔をする気は起こらない。それは星見たちも同じで……琴羽は親指を上げている…頑張れと言う事な。
「じゃあ、男子ども荷物を持ってね」
琴羽の号令とともに荷物を持つ俺と明。不満そうにしている蛯原がいたので耳元で今回の費用を話すと素直に持ってくれた。まぁ、俺や明は慣れてるから費用を聞いても驚かないが、初めての蛯原ならビビるな。
「そういえば蛯原」
「まだ何かあるんですか?」
「俺の両親がここに来て言った言葉がいるんだ」
「嫌な予感しかしないですが」
その予感は正しいとは思う。
手ぶらな琴羽と戸部がはしゃいで突撃していくのを眺めていた。そして足を滑らしてです堤防から落ちていく。
「落ち着きないなー」
「だな」
「落ちたですけど!?」
慌てる蛯原の反応がなんか新鮮だな。俺と明は予想していたから落ち着いているが星見は驚きすらしていない。
「下は砂だから大丈夫だ」
「まぁ、明の言う通りだな。さて行くか」
「そんなでいいですか」
琴羽と戸部なら怪我ひとつもしてないだろう。怪我してても自業自得で済むからな。
常識を疑っているだろうが蛯原…これが俺たちの中では普通なんだ。
「翔、行こう」
星見が蛯原を率いてくれるので放っておいた。
「明、俺たちの常識は可笑しいのか?」
「まぁ普通じゃないのは確かだ」
だよな。
琴羽と戸部は星見に任して着替えに向かったが、ここで問題がある。
拠点を設営したら誰かが残って荷物を見ておかないと行けない。
俺たちは三人顔見合わせて、次どうするかなんて決まってる。
こんな暑い中で待ってられるか!
次回予告
蛯原「常識ってなんだろうな」
星見「哲学的」
蛯原「いや、先輩たちを見てるとな」
星見「ゆっしんとアッキーは常識。琴羽が可笑しい。次回予告『だよな』」
蛯原「そうなのか」




