先輩、ちょっと付き合って下さい
放課後、琴羽主宰の女子会を開いて星見と戸部を連れて行った。どこまで連れて行ったのかは琴羽次第で明さえ分からない。
という事で放課後なにもする事がないので帰ろうと下駄箱で履き替えていると声を掛けられた。
「先輩、今帰りですか?」
「ん?蛯原か」
星見の幼馴染みの蛯原だった。この最近見てなかったので忘れていた。
「部活じゃないのか?」
「シューズを買いに行くので休みです」
星見さえ絡まなければ蛯原は礼儀正しい後輩なんだけどな。
「先輩が帰りならシューズ選び手伝って貰ってもいいですか?」
「まぁ、いいが」
帰ってもあまりする事もないから了承した。そしてかつて通っていたスポーツ店に向かった。あそこなら多少は安くしてくれるだろう。
「先輩が通ってた店ですか」
「もう通ってないがな」
店内に入ると俺を知ってる店員から挨拶されたり、または心配してた声とかがくる。
あれ以来通うのは止めてたからな。
「何があって来なくなったですか?」
「まぁ、色々あってだな」
言葉を濁すと蛯原もそれ以上は聞いてこなかった。俺としては助かるからいいだが。
「それでどんなシューズを探してるだ?」
「まずは動きやすいヤツですかね」
「なら、ここら辺がいいだろう」
値段も手頃でなおかつ性能面も保証されるのを数個選んだ。
バスケット選手が履く靴はとんなのがいいのか分からないが、この辺りが妥当だと思う。
「バスケならこれがいいじゃない?」
「ちょっと試しに履いてみます」
試着しては軽く跳んだりして感触を確かめている蛯原を見ているとかつての自分を見ている気分になってくる。
「中々いいですね」
「品揃えや質はいいからな」
「これからもここ、通わせて貰います」
常連が出来てくれるのはありがたい…俺が来なくなったしまったから。
「値段は………安っ!?」
「うんうん、その驚きは俺もした」
1万する筈がここだと6千くらいなるからな……ここの売上が心配になる。でも 常連が多いからいいのかな、。
次回予告
戸部「琴羽先輩、よくお店を見つけてきますよね」
琴羽「楽しみのひとつだからね」
戸部「一番の楽しみはなんですか?」
琴羽「明といる事」
戸部「聞くじゃなかったです。次回予告『夏休みだぜ!』。観察日記とかつけてませんよね」
琴羽「…………」
戸部「黙ってニッコリしないでください!」




