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星空ペダル  作者: シノシノ
第一章 高校二年
42/85

先輩、作りました

明にさっきの授業で分からない所を聞いていた昼休み。それは突然やって来た。


「坂雪先輩~、可愛い後輩やって来ましたよ」


自称可愛い後輩……自分で言うかね。


「フン!」

「痛っ!?」


不機嫌になった戸部に膝を蹴りて痛みが走った。本気で蹴ってきたので衝撃が骨まで響いたぞ。


「なんで蹴るだよ……そして明はなんで踞ってる?「」

「坂雪先輩同様なんか失礼な事を考えていたと思いました」


(ブルータス)お前もか。

取り合えず踞ってる明は放って置いて置こう……痛みが引くまで。


「それで今日はどうした?」

「真那ちゃんからお菓子貰ったと聞いたので、私も作ってみたした! ちなみにクッキーです!」


意味は分からないが、星見がお菓子を作って俺に渡したので私も作ってみたした…所かな?

でも戸部のお菓子か…。机にクッキーを入れた袋を置いた。


「私は教材の準備がありますのでこれで!」


シュバと音が聞こえそうな程、翻して教室から走って消えていなくなった。


「よ…ようやく痛みが消えた…戸部は何しに来た?」

「お菓子を作ってきたみたいだ」

「あいつが」


若干青くなる明……俺も青くなってると思う。


「それで結心何割だったか?」

「8対2だったかな」

「8が外れだったか?」

「2だな」


確率的にはまだセーフなんだが、2割が怖いだよ!

もしかして平気かも知れないから捨てたら罪悪感があって余計に捨てれない。


「それでどうするんだ?」

「食べみる」

「俺も同行しよう」


お互いにクッキーを取り出して、目で合図と共に口に入れた。


「「しょっぱ!?」」


甘いとかじゃなくて海水を飲んだみたいに……これは塩だよな。


「どうやら2割のようだな」

「みたいだな」


戸部が作るお菓子は2割の確率で何かを失敗する……それも確実に。それには琴羽もお手上げだった。


「これは失敗だとわかったが、どうする?」

「貰ったからには持って帰るよ」

「前もそうやって持って帰ってたな」

次回予告

戸部「真那ちゃん、私もクッキー渡してきたよ」

星見「……大丈夫?」

戸部「一体なにが?」

星見「砂糖と塩を間違えてない?」

戸部「だ…大丈夫……じゃないかも…もしかしたら間違えたかも。次回予告『先輩、ちょっと付き合って下さい』」

星見「どんまい」


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