嫌み
星見からお礼のクッキーを貰り、時間になったので帰宅した。
リビングに向かうと知華と巡が一緒におはじきで遊んでいた……古い。
鞄とクッキーの袋を置くと知華がトコトコと寄ってきた。
「お兄ちゃん、このクッキーってあのお姉ちゃんから?」
「よくクッキーだけでわかるな」
「だって、琴羽お姉ちゃんはお兄ちゃんなんかに作らないから」
そりゃそうだな。菓子系はバレンタインの義理しか貰った事ない。それ以外は結構試し系であった。
「戸部とかいると思うだけど」
「一回しか会った事ないから」
家に連れて来た事は前のが初めてだったな。
「それで付き合ってるの?」
「だから付き合ってないからな」
「信じられない!?」
どうゆう事なんだよ。付き合ってないのに信じられないと か言われても困るだが。
「お菓子を貰ったのに」
「たががお菓子だろ」
「だーかーら、お兄ちゃんが何かしてお姉ちゃんを助けたお礼なんでしょ」
どこかで見ていたような言い方で正直戸惑います。
「知華、その鈍感は今さらだと思うよ」
「巡まで!?」
弟まで知華の味方なのか!?
「女の子がお礼に手作りなんか渡さないよ!」
「いや、現にこうしてお礼として貰ってるだろ」
「「ハァー」」
おい、そこまで露骨にため息を着くな。さすがのお兄ちゃんも傷つく。
「お兄ちゃん、お母さんとお父さんと一緒だね」
「あぁ、鈍感とヘタレか」
知華と巡がコソコソと話してるが聞こえているぞ。お前らは嫌みを言いに来たのかよ。
「そこまで言うとこのクッキーを分けてやらないぞ」
星見から許可を貰ってるので、分けるつもりで帰って来たのにな。
「「ごめんなさい!」」
素直に謝ったので残りのクッキーを知華や巡にあげて食べるのを 眺めて、「「美味しい美味しい」」と言い合ってるのでよかった。あとで星見に連絡しておくか。
次回予告
知華「お姉ちゃんのクッキー美味しい」
巡 「そうだね、美味しい」
知華「今度作ってみようかな?」
巡 「えっ、作れるの?次回予告『先輩、作りました』」
知華「どうゆう意味よ!」




