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星空ペダル  作者: シノシノ
第一章 高校二年
38/85

手を離せ

星見視点

お手洗いをしにみんなから離れるのを伝えて離れようとするとゆっしんが着いて行こうかと言われた時恥ずかしかった。

柚希や琴羽から非難を受けている内にお手洗いに向かった。

済ませてトイレから出て、みんなが待っている場所に歩いた。その時プラネタリウムのチラシが掲げられたに目を奪われて歩いたから、前を歩いていた人にぶつかった。

ぶつかった人に謝ろうと前を向くとそこには髪を染めよく分からない服装をした二人組男性がいた。


「…すみません」

「…別に構わないが」


気持ち悪い目をして私の事を見てくる…ハッキリ言って気持ち悪い。さっさみんなの所に戻りたく歩き出そうとしたら、右手を捕まれた。捕まえたのはさっきぶつかった人だった。


「謝礼としてちょっと付き合ってよ」

「…人を待たせてる」

「その子も女の子…丁度いいじゃん」


もう片方の男性も乗ってきた。それに何が丁度いいの!


「は、離して」


掴んでいる手を離そうとしたけど抜ける気配すらなかった。それに苛立ちを覚えたのか握っている手を力を入れられて痛みが走った。


「下手に出てるからって調子に乗るなよ」


怒った表情で睨まれて、体が硬直した。怖くて動けない…血が引いていくのがわかる。

私がもう抵抗をしないのと嬉しそうな表情なり力が緩まったが、私の恐怖は続いている。


「よーし、カラオケに行こうか」

「いいね、個室でたっぷり楽しもうな」


どうなるか想像が出来てしまい、恐怖が加速した。助けを呼ぼうにも声が出ない。

引っ張られそうになると踏ん張る事しか出来なかった。そして呟きに等しい声だけが出た。


「……結心」

「手を離せ」


そしていつも聞いていた頼もしい声と引っ張られ力がなくなって尻餅を付いた。

そして見上げると拳を振り抜き見たことない表情するゆっしんと倒れている男性。何が起きたのかはすぐにわかった。


「…ゆ…っしん」

「もう大丈夫だからな」


安心してる瞬間にもう一人の男性がゆっしんに殴り掛かったけど、 それを受け流して一本背負いで背中から地面に落ちた。


「今の内に逃げるぞ」


抱えられるように持ち上げられて、走ってその場から離れた。

琴羽や柚希がいる所までもうすぐの所で止まり下ろしてくれたが、ゆっしんは壁にもたれ掛かった。


「ゆっしん、走れたの?」


さっきまでの恐怖が嘘のように忘れて、ゆっしんが心配になった 。


「走れるが……後日水を抜かないとな」


苦笑してるゆっしん…そして静かに心拍が加速した。

次回予告

戸部「でもナンパだったらどうしましょ」

琴羽「大丈夫大丈夫、結心はそこらの男には負けないよ」

戸部「なんで自信あるですか?」

琴羽「結心のお父さんは警察官で、護身程度は結心習ってた」

戸部「すごいですね! 次回予告『事情を聞くから』」

琴羽「明も習ってたよ」

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