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星空ペダル  作者: シノシノ
第一章 高校二年
31/85

あっ、見えた

「ようやく人気のパンが買えてた」

「余っててよかったよね」

「人気なのはわかるが、そこまで食べたいのか?」


明、そこまで言われたら何も言えない。琴羽も何も言えないみたい。

購買部から教室に戻る為、渡り廊下を歩いていると前から星見と戸部が歩いて来た。


「ゆっしん、こんにちは」

「琴羽先輩~、放課後真那ちゃんとアイス食べに行きますけどどうですか~?」


そこで突然の突風が吹き抜けて………前にいた二人のスカートが捲れ上がった。一応、横にいた琴羽も捲れ上がってると思う…………視界に入ってないから見えなかった。


「わぁ」

「キャア!?」


どっちが可愛い悲鳴を上げたかは明白だろう。横からも悲鳴が上がったが。

心なし頬を赤く染める星見とスカートを押さえている戸部……仕草は二人とも可愛いと思った。とりあえず目に焼き付いたのは星見の白のシンプルで小さいリボンが付いて、だって戸部はチェックの柄が……「「えい」」目が!?

いつの間にか近づいていた二人から両目に指が突き刺さった。


「痛い……両目はないだろ……」

「ゆっしんが悪い」

「先輩の目がイヤらしいです」


イヤらしい……とはないとは言わないが少しだけだぞ。それに言うなら明だって………いない!?


「明先輩なら琴羽先輩に連れて行かれましたよ」

「琴羽の笑顔怖かった」


琴羽とは逆の方向を振り向くとさっきまでいた明がいなかった。

そしてどこから聞こえてくる二人の声。


『明よかったね、いいのが見れて』

『待て琴羽! 事故なんだ!』

『フフフ、遺言はそれだけ?』


そして聞こえてくる悲鳴と言葉では表現出来ない音が響いくる。琴羽は温和だけど明がこうゆう場面とか出会うとヤンデレになる………それも明への愛の大きさなんだろうな。


「あれにならないだけ感謝して欲しいですね」

「……音が凄い」

「先輩、どっちがよかったんですか?」

「はぁ!?」

「興味ある」


そこは戦略的させてもらう! ダッシュでその場から離れて行く。それによかったと聞かれて、変な事を言いそうだ。

次回予告

作者「ヤンデレも明のみだからな」

戸部「中学時代も少し見た事ありました」

作者「そりゃそうだろうな」

戸部「暴力ではなく残虐でしたね」

作者「怖すぎだ!次回予告『少し自覚した』。明は生きてるのか!?」

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