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星空ペダル  作者: シノシノ
第一章 高校二年
25/85

バカ?

「ユウくん、次これ運んで」

「了解」


かつて両親がアルバイトしていた甘味処『月見』で和菓子やお茶を運んでいる、実際は俺はアルバイトじゃなくてただの手伝いだ。


「本当助かるね」


厨房から顔覗かせる穏やかな女性。『月見』の元店長の一人娘で現店長の永田(ながた)恵美(えみ)……22歳。叔母は坂雪だったけど結婚して永田に変わったと………ここの部分は俺からしてはどうでもいいんだが。


「いつでもアルバイトで採用するんだけど」

「母さんたちが元だけど働いていた所では、ちょっと」


両親が働いていた所で働くのはちょっと遠慮したい……。

一息つくついでに辺り見回して大正時代に着ていた女子学生服、矢絣やがすりの着物に編み上げブーツの女性店員…若い子しかいないが。その中男は自分一人だけ…アウェイ。ちなみに俺は書服と呼ばれる服装している、


「なんで男が俺だけなんだよ?」

「それは私にも分からないかな」


そもそも店員の服装からして男は来ないよな…客としてなら来るんだが。おかげで力仕事は全部回ってくる。


「なんだ大正の服装なのかも分からないな」

「それはお母さんの趣味だって」


趣味なのか…なんか聞きたくなかった。


「そうだ、ユウくん。なんか雰囲気変わったね」

「変わってないと思うけど」

「ううん、変わったよ。前は迷ってる感じだったけど、今は穏やかになってる」


変わってるのか?前に母さんから女性はそうゆうのは敏感だよって言ってたな。そして隠し事も出来ないとも言ってたな。


「それは星見と出会ったおかげかな」

「そうなの。お姉さんに話してごらん」


目をキラキラさせている…避けれそうになさそうで出会った事も含めて、全部話した。


「ユウくん……バカ?」


罵倒された!?


「そこまでいってるならすぐに分かるでしょうに」

「いや、何を言ってるのか全く分からない」

「あの両親と同じくらい鈍感ね…それは遺伝かしら?」


そんな遺伝は一切ないだろ。

永田「ユウくんはいい子なんだけどなー」

作者「あの二人の子供だからね」

永田「心配なのよ。父親はヘタレで母親は鈍感だから」

作者「否定出来る要素が全くない!? 次回予告『来てみました』。永田さん恋人いますか?」

永田「いないわね…ロクな人がいないから」

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