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星空ペダル  作者: シノシノ
第一章 高校二年
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出現

いつも通りに天体部の部室に行き扉を開けようとしてスライドさようとしたが、鍵が掛かって開かなかった。珍しいと思った…いつもなら鍵が開いて中に星見がいるんだが。

lineに何も通知きてなかったからあるとは思うだが……迎えに行くか。何度か行った事あるので大丈夫たけど。

教室のドアに戯れていた女子に話し掛けてきた。


「悪いな。星見、いるか?」

「…星見ちゃんですか? いますよ…頑張って下さい」

「お…おう」


一体なにを頑張ればいいんだ?

疑問に思いながら入って行き星見の席に視線をやると固まった。

星見とネクタイからして一年の男子と話していた……話せたんだなという驚きが大きい。

固まっていた俺に気付いた星見がやってきた。その後ろにはさっきの一年男子。


「…ゆっしん、どうしたの?」

「いや、天体部にいなかったから」

「…………忘れてた」


だろうな……それはいいんだが後ろの一年男子がこっちをじーと見てくるんだが。


「星見、後ろの男子は?」

蛯原翔(えびはらしょう)…幼馴染み」

「あなたが、坂雪先輩ですか。星見がお世話になってます」


自己紹介なんだろうが……その敵意は少しでも隠すようにしろよ!


「これから望遠鏡を運ぶのは俺がやるんで、お疲れ様です」


この一言でイラッともにしたし……何よりムカついた。俺だって年上なので表情に出さないように…ように。


「…翔は部活で忙しい」

「そんなくらいどうって事ないから」


でも見てる限りでは翔と言う奴の一方か。……同情するような嫌悪あるような………なんとも言えない気持ちが胸の中で渦巻いている。


「…でも、ゆっしんにやって欲しい…隣にいて欲しい」

「「なっ!?」」


星見の言葉に驚く男二人……でもその言葉の意味は理解してくる……互いに。

ゆっしんにやって欲しいは、蛯原が部活で忙しいから。

隣でいて欲しいは、話すのが好きだから。

と理由なんだと思う。


「そう言われたら、引き下がるしかないだろ」


頭を掻いてため息をつく蛯原。今まで星見の保護者的な事をしてたんだろうな、それなのにポッとでの男が出てきたのだから心中穏やかではいられないか。

ポンッと蛯原の肩に手を置いて一言。


「お前も苦労してるんだな」

「……なんで同情なんですか?」

次回予告

蛯原「先輩が同情してくるんだ?」

星見「…ゆっしんも苦労してるから?」

蛯原「それは理解してしまうが……な・ぜ・か!」

星見「この学校の伝説の人に似てるかも?」

蛯原「まぁ、苗字も一緒だったな。次回予告『あっぱー』」

星見「…ボクシング?」

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