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星空ペダル  作者: シノシノ
第一章 高校二年
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嘘をつくな

「ジメとした湿気が気持ち悪いですよ~」

「それをここに来て言う事なのか」


とある休み時間、教室でまったりしていたら戸部がやってきた。来たというか押し掛けてきたに近いな。

倒れるように上半身を机に預けてるが……何も言わないでおこう。


「教室だとフッた男子がいて気まずいですよ」

「星見の所にでも行けばいいのに」

「いや、最近真那ちゃんは男子からの告白ラッシュに忙しくて」


驚いて席を立ち掛けたが、星見の事だから断ってるに違いない。

でも、人気はあったが最近一気に上がったらしい。


「真那ちゃんが大変そうなんですよね…………男子もげればいいのに」


一体なにを?と聞くのが怖くて仕方ない……ある部分を押さえたくなる。それも近くで聞いていた男子たちは押さえていた。

それは誓って嘘を言ってる目じゃなかった。


「中学の頃のお前はそんなんじゃなかったよな」

「坂雪先輩が卒業してから一気男子から声を掛けられるのが増えたんで」

「俺が卒業してから?」

「なんか付き合ってると思われたみたいで」


距離も近かったからそう思われてたかも知れないが、戸部は妹みたいな感じなんだが。


「それで、そうですと言っておきました」

「おいこら、ちょっと待て!」


なんで肯定してるんだ!勘違いする奴が出てくるだろうが……そう言えば、卒業して部活の後輩から同情的メールが来ていたが、まさかこれか。


「なんで嘘をつくんだよ」

「面白そうだったのとあと一年だけだったので」


戸部の性格は理解しているが、こんな冗談は好んでいたっけ?

時計を見るともうすぐ次の授業が始める時間だった。


「ほら、もう終わりだ。自分のクラスに戻れ」

「全く冷たいですねー」


口でプンプンと言いながら教室を出ていくのを見送ってから、よくやく一息つけれる。


「そういや、あの女子って戸部だろ」


クラスメイトの男子が話し掛けてきた。


「さっきの会話を聞いてたらわかるだろ」

「そりゃそうか。二年と三年の間では戸部は噂になってるぜ」

「どうせ可愛いとかだろ」


そりゃそうだろと笑顔を見せてから戻った。戸部も容姿はいいからな。俺からしてはなんか妹にちょっかいを出されてるみたいで複雑な気分だ。

次回予告

星見「柚希、どこに?」

戸部「坂雪先輩に行っていたよ」

星見「ゆっしんの所に?」

戸部「だって、真那ちゃんが告白に断ってる間暇なんだよ」

星見「…………」

戸部「あれ? 真那ちゃん不機嫌?」

星見「なんかイラッとした。次回予告『出現』」

戸部「でも、あいつはどうしたの?」

星見「部活に行ってる」

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