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星空ペダル  作者: シノシノ
第一章 高校二年
19/85

初めて

恒例となった放課後の天体観測、快晴な太陽を浴びながら……と思っていたが。


「曇りだな」

「…曇り」

「曇ってるね」

「見事な曇り」


空に広がるのは曇ばっかりだった。まぁ、当然快晴ばかりではないよな。

今日は琴羽と明が参加していた。琴羽に連れて来られた明だな。


「…観測は無理……終わり」


星見の言葉で望遠鏡を片付けた……慣れてしまってる自分。

部室に寄って望遠鏡を置いてからどうするか話し合ったが、星見はビックリするほど遊びとか無知にだった。


「そうだ、久しぶりにゲーセンに行かないか?」

「…ゲーセン?」

「ゲーセン、そうだ…明、プリクラしたいな」

「…拒否権は……ないのか」


そんなこんなで近所のゲームセンターにやってきた。興味深そうに辺りを見回す星見がいて、ちょっと可愛かった。和んでいたがフッと思い気付いた。


「星見、ゲーセンも初めてなのか?」

「…そう…とても興味深い」


明たちにも声を掛けようとして見回したがどこにもいなかった。 疑問を持つ前にlineの着信音がなった。琴羽からだったが『二人で楽しんで♪』……明の冥福を祈っておくか。


「星見は何が見たい?」

「……何があるか知らない」

「ごめん、そうだったね」


初めてなんだから何があるか知らないよな。迂闊だったな……女子をエスコートするのはどうするか。

星見も女の子なんだからこっちかな?


「これは?」


透明なガラスケーズ内に沢山のぬいぐるみなど入ってある……クレームゲームだ。

星見がトコトコと歩いてクレームゲームをひとつひとつ覗いて、何が入ってるか見ていた。後ろから着いて行っていたがあるクレームゲームの前で立ち止まった。


「どうしたんだ?」

「…とても可愛い」


クレームゲーム内にあったのは星の形したぬいぐるみだった。こんな時でも星が好きだな。


「どうやって?」

「このボタンでアームを動かして、欲しいのを取るんだ」

「…んっ、わかった」


やり方を教えると星見がピンクの小さい財布から100円を取り出して、アームを動かす……ちょっと横に動いてから止まった。


「これ壊れてる」


とんでもない一言で笑ってしまった。まさか、やった事もないのはわかるがやり方はボタンの横に書いてる。

今度こそちゃんと教えてあげたが財布を覗いてから落ち込んでる。……察するにお金がないんだな。これが妹ならウルウルさせながら懇願する目がくるが……星見だからな、俺は財布を取り出してお金を取り出してクレームゲームに入れた。一言で言うと簡単に取れた。


「ほら、欲しかったんだろ」

「…………ありがとう」


受け取ったぬいぐるみに顔を埋めて小さい声でお礼が聞こえた……これでよかった……ミスったら、次なかったんだよな。

そして顔を上げた星見を見て動悸が激しくなった。微笑んでる星見の顔……。

次回予告

明 「うまくやってるようだな」

琴羽「そうだね…超絶鈍感な結心だからね」

明 「そこまで酷くないだろう。次回予告『嘘をつくな』」

琴羽「でも鈍感は認めるだね」

明 「俺たちでもわかるのにな」

琴羽 「そうだねー」

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