ダルい
ゲリラ豪雨の洗礼を浴びた翌日……ベットから降りようとしたら体がぐらついた。そして気づいた…体がだるく吐く息が熱い……とにかくいろんな所がダルい。
「もしや…」
昨日雨を浴びたから気を付けていたつもりだったんだけどな…。
やっぱり望遠鏡を回収しに豪雨に出たのが悪かったか。でも体は丈夫だけど望遠鏡はどうか分からないから優先したが。
「……37度9分…風邪だね。学校には電話入れておくから今日はゆっくり寝ててね」
体温計を持って部屋を出ていく母さんを見送り、携帯で幼馴染みに休むのを伝えるとすぐに返事が返ってきた。
『ラジャー』『ゆっくり休め』
携帯を放って寝る事でダルさを忘れようと目を閉じた。
夢を見た……小さい頃の夢…お祭りで賑わってる中で隅の方で浴衣を小着たさい女の子が泣いている。それを放っておけなくて、両親に『友達がいたから話しくる』と嘘を言ってからその子に近寄った。
『こんな所で泣いてるの?』
『ひっく…えっぐ…ママとパパとはぐれた』
『なら探しに行こう…そうだ、これあげる』
射的でとった布で作られたウサギのストラップをその子にあげると泣き止み、顔をあげた。
『僕は坂雪結心、きみは?』
『私は××××』
そこで夢から覚めた。
どこか懐かしかった…確かその後母さんにバレてお説教されたな…父さんも止めずに苦笑して見てたような。
窓の外は西日が差し込んでいた。
「もう夕方か…」
体のダルさもマシになっていて体温計で計ると37度2分か…微熱程度になったか。朝と比べたら随分とよくなった。
まだベットで大人しくしているように母さんに言われてるから大人しくしてるが……暇だが…母さんの同情の目が気になる。
「やっほー、お見舞いに来たよ!」
「!?」
ノックもせずに入ってきたのは琴羽だった。というかノックくらいしておけ!
「あれ…案外元気そうだね」
「琴羽、頼むから部屋に入る際はノックをしてくれ」
「結心、琴羽がするとでも思ってるのか?」
続いて入ってきたのは明だ。何今さらと読める顔されても…困るだが。
「二人してお見舞いなんて珍しいな」
小学生の時は見舞いすら来なかったのにな!俺は二人が休んだ時は見舞いに行ったのに。
「二人じゃないだけど…ちょっと連れてくるね」
部屋を出ていく琴羽を見送り…明からは今日の授業ノートコピーを貰った際耳元で囁かれた。
「琴羽が医者20人くらい連れて来ようとしたが、阻止しておいたぞ」
ありがとう親友!医者20人ってさすが社長令嬢なだけあるがやることのスケールが凄い。まさか母さんが同情な目を向けた理由ってこれか。
「ほらほら、入って入って」
「…引っ張らないで」
この声は……。
琴羽に引っ張られながら入ってきたのは星見だった。
次回予告
戸部「今回も私出てないですが」
作者「言いたい事は分かるが、我慢して」
戸部「私的には我慢してるんですよ」
作者「次もまだ出ないからな。次回予告『気にするな』」
戸部「限度というのがあるのを忘れないで 下さい 」




