知ってる
ゲリラ豪雨が叩き付けられる窓眺めて…ボーとしている。それは、星見にも言える事だ…ろう………違った、乾いてるタオルで望遠鏡のレンズを拭いてる。
「拭かないと不味いのか?」
「メガネと同じ…痕が残る」
メガネの例えは分かるような……明なら分かるだろうな、アイツはメガネ掛けてるし。
というか、タオルあるなら貸して欲しかった。雨で濡れた髪や服を拭きたかったが何も言わなかった。
拭くのが終わったのか、隣に来て一緒に外眺めた。
「よく降るな…さすがゲリラ豪雨」
「…なんで…?」
「いや、ゲリラ豪雨が降るのは…」
「違う…なんで…走らなかったの?」
「えっ?」
走らなかった……?トイレで絞るまでの事だろうか…まぁ、廊下に滴り落ちたりはしてたが。
「…望遠鏡を取りに行くのに…走らなかった」
「あぁ…それか…気分だ!」
クラスメイトたちしか事情は知らなかった…先生から聞かされたりしてたからな。
「誤魔化さないで…足を庇ってる」
…あちゃー、無意識に足を庇ってたのか。
「話すと長いだが…それに」
「大丈夫…雨もまだ収まらない」
星見の目が知りたがっている。話すのが怖いとか億劫じゃない…悲劇のヒーローとかで見られたくないというか…本音はアホをしたのを隠したい。
「俺的には話したくない」
「私は聞きたい」
「私的にも聞きたいですねー」
…………ん?なんかひとつ多くないかしかも聞き覚えがある声だった。星見の反対を見てみると戸部の姿があった。
なんでここにいるんだよ!いつの間に来てたんだ!?ツッコミ所多くないか!
「柚希…いつの間に」
「ヤッホー、真那ちゃん…いや~、雨が急に降ってくるモンだから帰れなくてね」
和やかに談笑を始める二人……タイミングよく来てくれたのは感謝するが…話そうとする勇気を出そうとしたんだが……正直空気読んでほしかった。
戸部も悪い子じゃないだ…中学時代でも女子と話してたら度々こうゆうがあった。
「真那ちゃん、坂雪先輩はお人好しだけど恥ずかしい過去はしゃべらないからね」
「それは話してて知ってる」
なんか凄い事になってるが…ここで口を挟むとロクな事にならない…父さんの実体験で。
次回予告
明 「凄い雨だな」
琴羽「明、傘持ってるー?」
明 「当然だろ、まぁ折り畳み式だが」
琴羽「一緒に入れてー」
明 「小さいが大丈夫だろ。次回予告『ダルい』」
琴羽「ありがとう!」(折り畳み傘あるんだけどね)




