仲のいい先輩後輩
休み時間、教室で明と昨日あった事で話していた。
「結心、異性として見られてないな」
「やっぱりか……どちらかと言うと兄と見られてる感がある」
「中学でも女子から一番無害な男子として一位だったじゃないか」
中学のアルバムでふざけてランキングがあったその中で安心する男子で堂々の一位だった。理由も明が言った通りだった。
こいつは壁ドンされたい男子で一位だった……ちっ。
「まぁ、頼られるのは吝かではないだろ」
「信頼はされてると分かるからいいんだ」
そうだ、マイナス思考で考えても仕方ない。
「おーい、坂雪…お前にお客さん」
クラスメイトに声を掛けられて、扉に視線を向けると戸部がいた。
「坂雪先輩、このクラスだったで」
最後まで言わず戸部の姿が消えた。というより横から誰かが戸部に飛び付いたのはわかった。
「助けに行かなくていいのか?」
「行かなくてもいいと思う」
『琴羽先輩!?』『柚希、久し振り!』『坂雪先輩がいるなら琴羽先輩たちもいるでしたね……スリスリしないで下さい! スカートが捲れてます!』
廊下から聞こえてくるカオスな状況……明からさっさと助けに 言って来いという目が俺にプレシャーを与えてくる。首を振って拒否しているが顎をクイクイと動かして行けと。
『見えます!見えますから!』『柚希はいい臭いする』
放っておいたら大変な事…戸部の貞操を守る為に出動した。
戸部を救出したが…やや泣き掛けの戸部に正座して座られてる琴羽。琴羽の説教は明がやってくれるとして、俺は戸部か。
「まぁ、なんだ。琴羽も久し振りにあって嬉しかったんだ」
「ひっく…ひっく…汚されちゃいました」
そこまでの所は行われてなかっただろ…というのが過ったが何も言わないでおいた。
「こんな私でも、貰ってくれますか?」
「好きなヤツに言え」
頭にチョップして嗜める。
「痛ーい! そこは可愛い後輩に『もちろん』と言う所ですよ」
「冗談でも言う相手を選べ」
部活でもこんなだったのが今でも懐かしい。あの頃は戸部と付き合ってるとか言われてたな。
次回予告
戸部「いや、もうちょっとで絶対領域が開かれる所でしたよ」
明 「お前も女だから気を付けろ」
戸部「そうゆう所は袖中先輩も変わりませんね」
明 「そう簡単に変わってたまるか。次回予告『梅雨だから』」




