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星空ペダル  作者: シノシノ
第一章 高校二年
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不思議な人

不思議な人だ……そう思ったのは今日だけじゃなかった。アッキーと話しながら望遠鏡を調整してくれてるゆっしん。

坂雪結心…声を掛けられたのは昨日が初めて…、掛けられた時は驚いた。また会うなんて思わなかったから。

普通なら放っておかれるのに望遠鏡が入った箱を持ってくれたり、みんなから詰まらないと言われるのに楽しそうに話しを聞いてくれた……本当に不思議な人。


「星見ちゃん、結心の事見てどうしたのかな?」

「不思議と思って」

「結心が不思議?」


ゆっしんの幼馴染みの相楽琴羽…相楽出版社の令嬢らしいけど、とてもそうには思えない。

琴羽になら話してもいいかと思って、昨日の出来事を話した。


「あー、それは結心らしいねー」

「…らしい?」

「そっか、真那は年下だから知らないだね」


琴羽から聞いた話しでわかった…あの人はお人好しなんだ。友達の柚希もそうゆう経緯で助けられたとお昼に聞いてた。

得がある訳でもないのに、誰かの為に動く…それで損したのに。


「あれはおばさんたちから受け継がれてるお人好しなんだよね」

「ゆっしんの両親?」

「そう、おばさんもおじさんもお人好しなんだよね…まぁ、おばさんの方がもっとお人好しだけど。後、弟妹もいるから面倒見もいいからね」


お人好しなのはわかったけど、ひとつだけ分からない。私に 構ってくる理由がわからない。昨日で助けたくらいでいいのに、今日のお昼だって話し掛けてきた……他の人でも放っておかれてたのに。たまに熱心に声を掛けてくる男子もいたがそれと違う。


「真那は男子から告白とかされた事ある?」

「……ある」

「真那の容姿だと男子の保護欲が出るをだろうけどね」

「………?」


自分の容姿なんて気になった事もなかった。それで困る事もないから…ただ星が見れるならそれでいい。


「その男子たちと結心は違うでしょ」


琴羽の言う通り…告白してきた男子とゆっしんはどこか違う。でもどう違うかわからない、


「これは無自覚なのかな…でも見てる方が面白いから黙ってるか」


小さい声で呟く琴羽の声が聞こえなかった。


「真那、また来てもいい?」

「勿論、いい。琴羽とはまた喋りたい」


琴羽と話すのは嫌いじゃない…でも、ゆっしんともっと話すのは好きだ…アッキーは話したのは少ししかないから分からない。

次回予告

琴羽「真那、可愛かったな~」

明 「随分、話していたみたいじゃないか」

琴羽「口数は少ないけど、楽しかったよ」

明 「つねに楽しそうに生きてるだろ」

琴羽「それとこれは別だよ。次回予告『帰り道で』」

明 「そこら辺はよく分からないな」

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