1911年 辛亥革命
北海道
「スキーとやらは難しいな........。」
「板と棒で雪上を滑るのか........。うぉ!!。」
「ははは、下手な奴だな。俺はレルヒ少佐から直接教えていただいたからな、貴様らにスキーを伝授してやろう。」
「くそ、偉そうに.......。滑ってしまえ。」
「そうだ、下手のくせにいい気になるなよ。足元を掬われるぞ。」
「まぁ難しいのは別としてスキーは北部での戦闘には役に立ちそうだな。」
「移動速度が段違いだな。北海道や樺太の部隊には練習させても損はないな。」
「八甲田山の事もある。冬季装備については研究を続けなくては。」
「装備もだが情報もだな。何も知らずに訓練を行った者もいたからな.......。」
「兵士や士官の意識改革も必要だな。」
「それにしてもスキーは露西亜でも役に立ちそうだな。」
「確かに。スキーで移動する小規模の部隊で後方撹乱をさせたら面白そうだな。」
「おぉ、それはいいな。ついでにシベリア鉄道も爆破させよう。」
「とりあえず訓練用に予算を出してもらうか。」
「そうだな。」
外務省
「日米通商航海条約調印か......。やっと税権を回復できた。」
「17年だ。17年待ち望んだ改正だ。感無量だよ。」
「あぁ、これで一等国とは言わんがやっと対等な国家になれる。」
「まぁ移民について色々と譲歩したがね。」
「紳士協約の事もある。新規の大規模移民なんてすでに望み薄だ。それで改正できるなら安いもんさ。」
「まぁそうだな。」
「これであと少しで米国以外の国とも改正できるな。」
「まぁ今年中にはできそうだな。」
「さっさと改正してほしいもんだ。」
海軍省
「戦艦2隻の予算が出たぞ!!。」
「おぉ!!出たか!!これでやっと安心できる。」
「河内級と磐梯級も竣工した。これは追い風が吹いている!。来年の2隻の予算も期待できるぞ!。」
「ゆくゆくは戦艦8隻と装甲巡洋艦8隻の八八艦隊を.........。海軍軍人の本懐ここにあり、だ。」
「独逸海軍や亜米利加海軍の拡張が甚だしい今、艦隊の整備は手は抜けられん。」
「日本も建造しているが追い付くのは無理だな。牽制のために英国には頑張ってもらわんとな。」
「それにしても独逸海軍は14隻も弩級戦艦を建造している。英国も11隻も建造しているし来年には超弩級だ。世界帝國様は違うな。」
「羨ましい。日本ももっと戦艦を建造したいものだ。」
「戦艦もいいが防護巡洋艦や駆逐艦も建造しなければいかんぞ。筑摩級も来年には就役するが航路防衛には数がまるで足りていない。航路は日本の生命線だ。軽視しては困る。」
「大丈夫だ。巡洋艦も来年の予算で建造する予定だ。」
「ふん。何が航路だ。海軍の全ては艦隊決戦だ。決戦に勝てればそれでいいんだ。」
「何だと!!航路防衛を無視するのか!!海運こそが日本の生命線ではないか!!決戦に勝っても航路が守れなければ日本はお終いだぞ!!。」
「航路を守ったところで決戦で勝てなければ意味が無いではないか!!。そんな事も分からないのか!!。」
「なにを!!」
「なんだ!?」
「おいおい、落ち着け!!。言い争ったとこで何の意味も無いぞ。」
「ふん、分からずやが。航路防衛なんて語る臆病者は黙っていろ。」
「ふん。決戦だけのアホが.......。」
「「「..........。」」」
「そ、それで戦艦の艦名はどうなったんだ?」
「あ、あぁ。扶桑級の扶桑と山城で決まりだ。武装は結局14インチ三連装4基案になった。」
「ふ~ん。結局ヴィッカーズ社の提案どうりか。でも三連装砲の開発はまだなんだろ?。間に合うのか?。」
「多少は時間が掛かるだろうな。まぁ三連装砲なんて日本じゃまだ自主開発は厳しいから仕方ないがな。」
「連装砲でいいと思うんだがな~。信頼性も整備性も連装砲の方が上だろ?。そんなに慌てて採用する必要があるのか?。」
「そうか?墺太利や伊太利亜では三連装砲が採用されているし亜米利加でも新型戦艦は三連装砲らしい。信頼性は技術進歩で補えるはずだ。そこまで懸念する必要は無いだろ。」
「そんなに旨く事が進むのかね......。これで失敗したらギアサージ級を建造した米国を笑えんよ。」
「そんな事にならない事を願うがね。」
外務省
「酷いもんだ。まさか反乱が起きるとはな.......。」
「約260年続いた清王朝もこれで終わりか.....。まぁこれだけ腐敗すれば当たり前か。」
「列強から金を借りるために民間から鉄道を取り上げて担保にするとは......。偉く豪胆な事をするもんだ。」
「おかげで四川で大暴動が起きて次は反乱軍の武装蜂起ときたもんだ。もう何をしても清は駄目だな。英国などの反応はどうだ?」
「あぁ、列強はとりあえずは静観しているよ。まぁ自国に有利な方を選んでいるんじゃないか?。」
「日本は清王朝が倒れる方向で対応を検討している。まぁ列強の目もある。たいした事はできんな。」
「ここで動けば満州の連携や経済が危ういからな。何もできんよ。」
「軍では介入すべきだ、と話す者もいるが絶対にできん。」
「ふん。軍人が外交に口を出すなと言うんだ。」
「支那の殆どの省は反乱に同調している。経済にも大きな影響が出るぞ。」
「もう支那はお仕舞いだな.......。」