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異世界日本史  作者: 齋藤
18/21

1922年   ワシントン海軍軍縮条約

                    独逸 ベルリン



「ベルリンも酷い事になってるな。何処を見ても乞食と浮浪者ばっかりだ。」


「工場は何処も閉鎖、閉鎖。酷いもんだ。まぁおかげで端た金で工作機械が買えるんだからな。工作機械は有り難く使わせていただこう。」


「さっきの工場の独逸人の顔......。何度思い出しても笑いが止まらん。」


「戦争の前は足元見られてぼられたからな。ざまぁみろってんだ。」


「これであの工場は浮浪者用の収容場に早変わり。ご愁傷様だな。」


「うちの工場はああはなりたくないな。」


「日本も景気が後退しつつあるからな。なんとかせんとな。」


「なんか良い話はないもんかねぇ~。」


「独逸よりはマシだよ。なんせ解決する方法が無いんだからな。マルクの急落なんて酷いもんさ。」


「昔は1ドル4マルクぐらいだったのに今じゃ1ドル250マルクくらいだ。それに今もどんどん下がってるからな。もう少し経てばマルクはただの紙切れになっちまうかもな。」


「まぁ独逸がくたばろうが俺達には関係ないがな。」


「むしろ商売敵がいなくなるから問題ないな。」


「独逸が仏蘭西や英国に目の敵にされている方が日本は動きやすい。これからも独逸には頑張ってもらいたいよ。」


















                 ビスマルク諸島 ニューブリテン島



南の温暖な土地に、バナナの木が一面に広がっていた。資源や石油は出ないかもしれないが誰しもが自分の土地の為に希望に胸を膨らませながら働いていた。



「いや~ここら辺は冬でも暖かくて良いね~。」


「これで石油かなんかが出るなら最高なんだがなぁ~。」


「でもよ~ここで石油が出てたら英国が日本に統治させる訳ないだろ~。」


「だよな~。」


「まぁ暖かくて食いもんも作れる土地なんだ。それだけで食い詰めた次男三男には楽園みたいなもんだよ。」


「バナナがいつでも食えるなんて夢みたいだ。母ちゃんにも食わしてやりたいよ。」


「本土から移住してくる奴がこれからもっと増えるだろうな。」


「そりゃ小作人から自作農になれるんだ。自作農だぞ!自作農!。例え死人が出ても諦め切れんだろうな。」


「まぁ死人はもう出てるんだがなぁ......。」


「独逸の忘れ物がなけりゃもっと厳しいはずだったからな。独逸に感謝だよ。」


「後は濠太剌利が静かになってくれれば言う事なしなんだがなぁ.......。」


「まぁ横から獲物を盗られたら怨むだろうな。」


「怨むなら英国を怨んでほしいもんだ。英国から貰ったようなもんなんだからな。」


「それは無理だから日本を敵視してるのさ。それに例の白豪主義ってやつだ。」


「はぁ......。」


「一緒に戦ったって言うのに、嫌だね~。」


「めんどくさい奴らだよ、ほんと。」


















                      日本 帝都



「納得いかん!!!。何がワシントン条約だ!!。」


「うるさいなぁ~こっちだって頑張ったんだぞ。長門と陸奥の保有が認められただけでも有り難くおもえよ。」


「うるさい!!。貴様ら外務省が大蔵省と共謀したせいで八八艦隊どころか六六艦隊がおじゃんだ!!。」


「何だと!!。未完成の長門と陸奥の建造を認めさせるのがどれ程大変だったと思ってるんだ!!。」


「ふざけるな!!そもそも貴様らが設計に難癖つけてきたから建造が遅れたんじゃないか!!。しかも亜米利加も英吉利も40糎砲の戦艦を追加で建造する事になったんだぞ!!。こっちは38糎だぞ!!。新聞じゃビック5だって馬鹿にされてたんだ!!。」


「日本ではビック7でも何でも好きに言えば良いじゃないか!!。」


「そんな恥ずかしい真似できるか!!。」


「ぐちぐちとうるさいなぁ!!。磐梯と加賀と土佐を廃艦にするだけなんだぞ!!。亜米利加は11隻廃艦だぞ!!11隻!!。条約を結ばないで対抗できるのか?。」


「そ、それは.......。」


「こっちは10隻を保持できて亜米利加は18隻英吉利は16隻!!国力差から考えれば比率はどう考えてもこっちが得じゃないか!!。」


「せめて比率7割を認めさせろよ!!。何故諦めたんだ!!。」


「亜米利加が7割を認めるわけ無いだろ!!。長門と陸奥で既に譲歩を引き出したのにできるか!!。」


「うるさい!!うるさい!!。予算は六六艦隊分は出すと言ったじゃないか!!。どいつもこいつも最近は軍縮軍縮言いやがって!!。新聞も好き勝手馬鹿にしやがる!!。」


「はぁ......。」


「ちくしょう!!絶対に諦めんぞ!!。」




















                      東京 



「おい新聞を見たか?。エドワード王太子は無事帰国できたようだぜ。」


「お、そうなのか?。良かった良かった。昔の大津事件みたいなのは御免だからな。」


「鎧姿も凛々しくて良かったよな。今回は特に何も無く終われて良かったよ。」


「いや~他の国の王様が日本に来てくれるなんて誇らしいじゃないか。嬉しいねぇ~。」


「英吉利も結構良い国じゃないか。」


「でも同盟は無くなっちまうんだろ?。もったいねぇなぁ。このまま続けりゃいいのによ。」


「でもよ、同盟が無くなれば前の戦争みたいに欧州の戦争に巻き込まれなくて済むんだろ?。そっちの方が良いじゃねぇか。」


「それもそうだな.....。俺の向かいの家の息子も欧州で死んじまったしな......。」


「そうか?。日本は儲かって島も貰えたしなぁ。別に良いと思うがな。」


「俺は戦争に行ってないからな、何とも言えん。」


「俺は弟が死んじまったよ.......。もう戦争はうんざりだ......。」


「........。」


「........。」


「す、すまねぇ......。」


「いや.....。いいんだ.......。」


「........。」


















                        海軍省



「鳳翔が竣工だ。世界初の空母だ。」


「正しくは世界初の空母として設計された空母。だろ?。」


「いいんだ。言ったもん勝ちさ。」


「それで空母からの離艦実験はいつ行うんだ?。待ちきれんぞ。」


「最初は英国で空母に乗っていたウィリアム・ジョルダンにやってもらう。その後日本人がおいおいやっていく予定だ。時期は......。来年の2月以降だな。」


「来年か.......。一〇式艦上戦闘機の訓練は上手くいっているのか?。もし空母が壊れるような事があったら拙い。」


「大丈夫だ。陸での訓練は上手くいっているぞ。いい調子だ。」


「それならいいんだが......。ここで失敗すれば空母関連の予算が嬉々として水雷の連中に盗られてしまう。それは避けたい。」


「分かっている。この実験に我が海軍の空母予算が懸かっているんだ。抜かりは無い。」


「ここで実績を出さねば我々少数派の航空派はお終いだ。失敗は許されん。絶対に成功させるぞ!!。」


「「「おぉ~!!」」」






12月17日にフォールアウト4が発売されるので次の投降は大幅に遅れると思います。

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