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異世界日本史  作者: 齋藤
16/21

1920年   禁酒法

                      チタ



「どうした!!。騒がしいぞ!!。」


「分隊長!!。露西亜人共が騒いでいます!!。線路の先に何かがいるようです!!。」


「チッ、また便衣兵か。これで六回目だぞ。どいつもこいつも金塊を狙いやがって.....。伍長。 何人か連れて様子を見てこい。露西亜人も連れて行け。」


「は!!。田中!高田!着いて来い!!。」


「はっ!!」


「はい。」











「けっ....。こんなとこで戦争なんてやってられん。」


「寒くて寒くて堪りませんよ。早く本土に帰りたい.....。」


「タバコも碌に吸えんしな。」


「せめて金塊を少し欲しいですよ......。」


「止めとけ止めとけ。見つかったら銃殺だぞ。」


「銃殺ですか......それでも500トンの金塊ですよ。500トンだから10億円くらい。少しくらい......。」


「言葉に気をつけろよ?。噂じゃ金塊をちょろまかそうとした白軍の小隊が1つ丸ごと銃殺されたらしい。この前も露西亜人が何人か消えたからな。」


「小隊が丸ごと......。」


「米国や英国の取り分もあるからな......。下手すりゃ国際問題だ。憲兵も目を尖らせてるだろうさ。」


「やっぱり止めときます.....。」


「それがいい。どうせ碌な事にならんからな。」


「小隊かぁ.....。金塊の為に何人死んだんでしょうね。」


「アカ共も狙ってるからな......。6桁いくかもしれんな.......。」


「.......。」


「伍長、露西亜人が見つけたようです。あそこに何人か人がいます。」


「ん?あれか.......。民間人に見えるが......。」


「子供のようですね。」


「露西亜人に確認させますか?。」


「そうしてくれ.....。便衣兵じゃないなら何でも良いさ......。」


















                     ジュネーブ



「結局亜米利加は参加せず.....か。」


「結局このザマだ。ウィルソンの悔し顔が目に浮かぶよ。」


「まぁウィルソンが倒れたのは痛かったな。」


「反発を生んでそのまま倒れたんだ。こうにもなる。」


「独逸は加盟させてもらえないし露西亜は論外......。」


「アカの国なんて加盟しなくていい。共産主義は危険だ。それにアカ自身も国連を非難してたからな。それより独逸で共産主義者が勢いを増している。そっちの方が問題だよ。」


「このまま独逸が共産化したら賠償金も消える。それは避けたいな。」


「それもだが、もし独逸で革命が起きたら本土の主義者も増長する。経済にも影響がでるぞ。」


「ふん。アカ共は厄介事しか起こさない。迷惑な奴らだ。」


「まぁ英国がいるんだ。どうとでもなるさ。」


「そうだと良いがね。」


「はぁ.....。本当に国連は役に立つのか?。」


「まぁまぁ、日本は常任理事国になれたんだ。文句は我慢してやろう。」


「それでもなぁ.....。」


「常任理事国ねぇ。」


「一等国とは言わんがここまで来れたんだ。後はゆったりと行きたいよ。」


















                        大蔵省



「亜米利加はまだグダグダと出兵を続ける気なのか?。」


「こっちはさっさと撤退したいってのに......。」


「撤兵させないと本格的な軍縮ができないのによ~。」


「亜米利加はこの前の米国守備隊虐殺の報復をするまで撤兵はしないつもりだよ。」


「はぁ......。さっさと撤退しないからこうなるんだ。金塊は手に入ったんだ。あんな不毛な土地からさっさと撤退させたいよ。」


「露西亜にはもう日本人は兵隊しかいないんだ。チェコ軍団も亡命者も退避させたんだから目的は達成したって言うのに。めんどくさい奴らだ。」


「軍人共が出兵を理由に予算を要求してくるしこのままでは不味いぞ。」


「バイカル湖まで占領しろと言う奴もいるからな。度し難い。」


「軍はアホばかりだ。」


「それでどうするんだ?。」


「そうだな......。英国の圧力がどうたらって理由に撤退させるか。」


「いいのか?圧力なんて来てないぞ。」


「どうせバレやしないさ。嘘でもなんでも撤退さえできたらいい。」


「それは大丈夫なのか......。」


「なぁ、米国の政治家にも働きかけないか?。あっちも軍人の増長を良しとしないから乗ってくると思うぞ。」


「それもいいな.......。そうだな......。やれることはやるか。」


「戦争は終わったんだ。お祭り気分はもう十分だよ。」


















                      日本本土



「これ見てみろよ。亜米利加で禁酒法が成立だってよ。」


「禁酒法ってなんだよ?。」


「その名のとうり酒を禁止にする法律らしいぞ。」


「なんでそんな法律が決まるんだ?。亜米利加人は酒が嫌いなのかよ。」


「たまには建前が本音に勝つ時があるのさ。今回は建前が勝ったんだよ。」


「亜米利加人も可哀相に。こんな美味いもんを飲めなくなるとはな。」


「ほんともったいないよな。こんなに美味いのにな。」


「昼間から飲む酒は最高だぜ!!。」


「「ははは!!!」」


















                       陸軍省



「ついにシベリアから撤退か.......。」


「嬉しいやら悲しいやら......。」


「予算がなぁ......。」


「バイカル湖まで占領してしまえばいいものを。」


「アホが、兵站も何もかも維持できんだろうが。」


「だよなぁ......兵站がなぁ......。」


「列強の兵站は凄かったな。沢山の大砲を並べてそのまま一週間撃ち続ける贅沢な戦争をできるんだから。」


「羨ましいもんだ。」


「精神論馬鹿だった鈴木が兵站狂いになる程の戦争だったからな。おかげで精神論を念仏のように唱える馬鹿が減ってよかったよ。」


「胃痛は増えたがな。」


「ははは.......。」


「笑えんよ.......。」


「シベリア撤退で予算も撤退だな。」


「はぁ.......。」


「この際朝鮮の軍事支援なんてせずに軍を駐留させればいいものを。そうすれば予算も増えるというのに。」


「いやいや、露西亜対策に味方を育てるのは悪い事ではないだろ。」


「あいつら役に立つのか?。」


「教え込めばいけるさ。それに余った旧式兵器を処分して予算の口実にできるぞ。」


「まぁその手は暫くは無理だな。」


「そうだな......。兵器は大量に貰ったからな.......。」


「とりあえず朝鮮に送る兵器と軍事顧問は良いのを送ってやるか。」


「それで問題無いな。」









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