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異世界日本史  作者: 齋藤
13/21

1917年   ロシア革命

                   日本軍 欧州派遣軍司令部



「ようやくタンクとやらを見れるのか。」


「英国がやっと供与してくれたのさ。4両しかくれなかったがね。」


「ケチな奴らだ。欧州まで無理して来たんだから新兵器くらいどんっとくれればいい物を.....。」


「まぁ新兵器だからな.....。仕方あるまい。」


「そこまでする物なのか?ソンムの戦いじゃ使い物にならなかったらしいじゃないか。」


「それは......。俺にもわからん。わからんが疑問に思うなら実物を見てから判断した方がいいだろ?。それにどうせただで貰ったんだ。こっちに損は無い。」


「それもそうだな。」


「お?あれがタンクってやつか?。」


「あれが......。まるで鉄の化け物だな.....。」











マークⅠ戦車  これは英国が開発した世界初の実用に耐えうる戦車だ

しかしこの時の技術と戦術ではまだまだ本当の実力を発揮できるものではなかった

戦車はまだ生まれたばかりの幼い赤子だったのだ 









「いや~やっと終わった。」


「なかなか凄いじゃないか。新兵器とやらは。」


「あれを戦場で見たら逃げ出すのもうなずけるよ。んん?伊藤はどうした?。」


「伊藤の奴はもう少しタンクを見てから帰るらしい。」


「見学が終わったと言うのに、真面目な奴だ。」


「あいつ食い入るようにタンクを見ていたな。」


「あいつも物好きだな~。」


「それにしてもタンクかぁ.....。どうなんだろうな?。」


「どうなんだといわれてもなぁ......。見た目では使えそうな気がしたが、まさか試験場で故障するとはなぁ.....。それにもう少し速く動けなければただの的だ。6キロでは遅すぎる。もう少し良くなれば使えるかもしれんが現状では難しいな。」


「大量に投入すれば信頼性はごまかせるな。」


「まぁ4両では戦場に投入なんてできんな。」


「もっと欲しいな.......。」


「どうせならこの4両は本土に送って研究すべきだな。」


「確かに.....。手配してみるか......。」


「英国がタンクをもっとくれれば我々でも運用してみるか。」


「今後に期待だ。」




















                       外務省



「聞いたか?露西亜が北の満州鉄道を満鉄に売ったらしいぞ。」


「はぇ~交渉をしているとは聞いていたが本当に売るとはな~。これで満州の鉄道は全部満鉄かぁ~。」


「あいつら満州どころか亜細亜の鉄道や海運にまで手を出してるからな。金が続くもんだ。」


「亜米利加が満州を日本に代わって護ってくれるんだ。ありがたいよ。」


「兵を出すのは日本だがな。」


「出す金はうちには無いからな......。」


「はぁ.....。それにしても露西亜はよく売ったな。俺は絶対に手放さないと思っていたのに。」


「そこまで追い詰められてるって事だろ?。噂じゃ市民のデモや反政府運動が増えているらしいぞ。」


「それって大丈夫なのか?。今露西亜が抜けたら東部の兵力が西部に集中して西部戦線が崩壊するぞ。」


「露西亜は市民を押さえつけるつもりらしいが......。」


「はぁ......。前の我が国との戦争の時でさえデモが起きたようだし相当不満が溜まっている様だな.....。」


「日本でも都市部で労働運動が起きているがここまで酷くはない。」


「勘弁してほしいよ.....。英国はどうしたんだ?露西亜に抜けられて厳しいのは英国や仏蘭西だろ?。」


「支援はしているらしいがそれだけだ。流石に他国の市民の不満はどうにもできん。」


「それもそうか.......。はぁ......。せっかく国家予算が2倍になり、鉄鋼の生産量も100万を大きく超えたのに戦争に負けたら意味が無いぞ.......。」


「憂鬱だ.....。」


「まぁいざという時の為に露西亜在住の日本人の居場所を確認して避難する方法を考えるとするか.....。」


「はぁ......。」


















                   西部戦線 日本担当地域



「仏蘭西軍は今日も小規模な攻勢を仕掛けるようだ。」


「よくもまぁ飽きないもんだ。」


「俺達は守るばっかで暇なもんだ。塹壕はクソみたいだが死ぬよりはマシだな。」


「あいつら俺達を呼んでおいて守備にしか使わないからな......。まぁその方がありがたいがな。」


「よっぽど亜細亜人が嫌いなんだろうさ。」 


「けっ、ムカつく奴らだ......。」


「それにしてもさっきの独逸人を見たか?。背はでかいくせにあいつあんなに痩せ細っていたな......。飯を食ってないのかあいつら?。」


「あぁ.....。投降してきた奴か?確かに痩せてたな.....。英国の発表もまんざら嘘ではないみたいだな.....。」


「発表?まさか独逸人は食べる物が無くて兵士は木や草を食べているってあの笑い話か?。」


「それだよそれ。聞いた時は馬鹿にしていたがもしかしたら本当の事なのかもしれんぞ。」


「ふ~ん。こっちは食うぶんには不足は無いからな......。独逸人も大変なんだな。」


「お、仏蘭西の攻勢が始まったみたいだぞ。」


「何人生きて帰れるんだろうな......。」


「明日はわが身って奴だな.....。」


「......。」


















                       外務省



「露西亜で革命だ!!。皇帝が退位したぞ!!。」


「まずい!!まずい!!まずいぞ!!。」


「ついに起きたか.....。もはやどうにもできんぞ.......。」


「臨時政府は!!臨時政府はどうしたんだ!!。」


「大丈夫だ。臨時政府は戦争を継続すると発表したようだ。東部での戦闘は続いている。押されているようだがね......。」


「よかった.....。」


「押されていてもなんでもいい。露西亜は西部戦線の為に盾になってくれればそれでいい。」


「なんとか首の皮一枚つながった......。だがどうなるかわからん。露西亜は離脱する前提で今後を考えんとな.....。」


「クソ!!露西亜人共め!!。」


「臨時政府はまだいいが他の組織はあの共産主義なんだろ?。信用できるのか?。」


「信用するもしないも露西亜が戦わなければ終わりだぞ。承認するしかない。」


「ただでさえ兵力は殆ど送ってしまったんだ。露西亜で何か起きても対応できん。国防の必要な最低限の戦力しかないんだ。露西亜の臨時政府に期待するしかないな。」


「あぁ.....。胃が痛い....。」



















大蔵省



「米国が独逸に宣戦布告した。この戦争勝ったな。」


「あぁ、独逸は手詰まりだよ。もはや和平を仲介できる大国はいない。王手だね。」


「これで安心できる。露西亜のおかげで胃が壊れるとこだったよ。」


「面倒ばかり起こしやがって、露助共め!!。」


「まぁ亜米利加のおかげで勝ったも同然だ。大事なのは戦後だよ。」


「確かに......。後はいかに犠牲を少なく利権を確保するかだな。」


「おいおいもう戦後の話か?取らぬ狸の皮算用になるぞ?。」


「そうだ。独逸は未だ強大だぞ。米国の参戦でそこまで劇的に変化するわけではないぞ。」


「急激に変わりはしないだろうが勝てはするさ。戦後の事を考えてもバチは当たらん。いつかは終わるんだ。戦後の事は考えておいた方が良い。」


「う~ん......。それはそうだが......。」


「とりあえず軍縮だなこれは譲れん。」


「確かに。軍縮は絶対だな。」


「建造中の戦艦........。中止させたいな......。」


「新型戦艦もな.......。」


「陸軍も減らさないとな.......。」


「「「ふふふ......。」」」







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