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異世界日本史  作者: 齋藤
11/21

1915年   塹壕戦

                      造船所



「追加建造だ!!政府からT型の追加発注が出た!!。」


「笑いが止まらん。政府や英国から駆逐艦や貨物船の発注がひっきりなしだ。大儲けだ!!。」


「戦争様様だ。激しくなればもっと儲かるぞ。」


「おかげで日本も新しい貨物船が増えている。戦争万歳だ。」


「不謹慎だな、まぁ儲かるのは良い事だ。」


「そう言えば仏蘭西人の商人も来ていたな。あいつらも発注しにきたのか?。」


「暢気なもんだな。本土で戦争してるのに船を買いに来るなんて。」


「戦争してても船は必要だろ。それでどうだったんだ?。」


「それが4隻も発注してきたんだ!!。一気に4隻も!!」


「よ、4隻!?。金持ちだな~。」


「4隻って、4隻も作ったら造船所の空きが無くなるぞ。」


「はぁ~。嬉しい悲鳴ってやつだな。」


「なんだか夢みたいだな~。」


「需要は増える.....。新しく造船所を作るか?。」


「借金をするのか?。そこまでしなくても......。」


「いや、今の儲けなら十分黒字になる!!。拡張も増設もできるぞ!!。ははははは!!。」


「欧州にはもっと儲からせてもらいますか。」


















                       外務省



「また英国からの派兵要請が来てるぞ。」


「またか、今年に入ってもう3回目だ。断るのもそろそろ厳しくなってきたな。」


「トルコへの派兵を断ってから英国の機嫌が悪くなっている。そろそろ派兵すべきかな.....。」


「軍部は派兵に反対してるぞ。どうするんだ?。」


「なに予算を出し渋りすれば喜んで行くだろうさ。陸軍の派兵はまだだが海軍ならな。政府は海軍の派兵から行う予定らしい。」


「ふ~ん。戦艦を送るのか?。」


「いや、戦艦は反対が多くてな.....。送るにしても戦艦の数が揃ってからだとさ。」


「悠長な事を.....。じゃあどうするんだ?。」


「駆逐艦や巡洋艦を派遣するようだ。ちょうど英国からもオーストラリア軍の海上護衛を求められていたからな。渡り舟だ。」


「護衛用の艦艇の追加予算を認めたんだ。それくらいはしてもらわんとな。」


「護衛後はどうするんだ?まさか帰還させるのか?。」


「まさか、その後は地中海の船舶の護衛をさせる予定だよ。さすがにそのまま帰るのは無理だな。」


「費用は英国持ちで、派兵すれば日本に物資の追加発注を便宜するって話だ。派兵しなきゃ損だ。それに戦争で軍に予算を取られてしまったんだ。稼げるところで稼がないとな」


「稼ぐと言えば露西亜への武器の輸出も予定どうりだ。順調すぎて怖いもんだ。」


「順調じゃないと困るぞ。なにせ英国からの要請だからな。それにしても露西亜に武器を輸出する事になるとはな.....。前の戦争の事を考えると不思議なもんだ。」


「未だに露西亜で武器が不足しているなんて信じられんな。仮にも列強だろ?。」


「武器が足りなくなる程動員しているのか、工場が足りていないのか。どっちなんだろうかね。」


「どっちもさ。露西亜の工業を遅れているからな。もっとも我々が言えた事ではないがな。それに兵員だって露西亜軍は500万程だが兵をさらに動員しているそうだ。これからもっと増えるぞ。」


「ならまだまだ売れるな。もっと売りさばくぞ。」


「武器を売れば独逸と潰しあってくれるんだ。売らなきゃ損だ。」


「作れば作った分は全て売れるからな。」


「これが総力戦か.....。」


















                      仏蘭西 


「戦線は膠着したな.....。」


「仏蘭西も英吉利もたまに攻勢をしかけているが毎回失敗している。大規模な攻勢でもしないかぎり駄目だな。」


「塹壕が硬すぎる。歩兵の突撃や砲撃くらいではどうもできんな。」


「あぁ、なにかいい戦術か新兵器でもなければ突破は無理だな。」


「毒ガスなんてもんを使ってもだめだったからな。」


「まさかあんな物を使ってくるとはな.....。まぁ風で使えなくなるなんて兵器として信頼性が無いがな。」


「それでも改良型や新型が出てくるかもしれん。対策はしておく必要があるな。」


「ガスマスクを英国から貰ったからな。それを元にしていくか。」


「予算がいるな.....。」


「そうだな......。毒ガスでも突破は無理だったが新戦術ならどうだ?。」


「戦術か.....。試行錯誤でやっているがどれもいまいち効果は無いな.......。」


「戦術と言えば前の攻勢で、砲撃を短時間だけにした時は何故か突破できたな。何でだ?。」


「んん....。なんでだろうな.....。」


「予想外だったからじゃないか?。事前砲撃は何時間も続くもんだから思わず奇襲のような状況になったんだろ。」


「なるほど......。奇襲が大事なのか.....。」


「まぁ対策されたのか二回目の攻勢は失敗したがね。」


「二匹目のドジョウはなんとやらってやつだな。」


「ドジョウを狙って二回目の攻勢で1万が戦死だ。恐ろしいもんだ。」


「それでも少ない方だからな.....。ここにいると感覚がおかしくなるよ。」


「仏蘭西軍は8万人が死んだらしい。それで進めたのは数百メートルだ。このままじゃ戦争が終わる前に兵士がいなくなるぞ。」


「空の戦闘でも大敗したらしいしこの戦争は大丈夫なのか?。」


「英国の国債を山ほど買ってるんだ。負けるのは困るな......。」


「このままでは派兵する必要が出てくるぞ.......。」


「派兵したくないなぁ......。」


















                    地中海 防護巡洋艦筑摩



「また輸送船が撃沈されたか......。」


「二日連続だ。潜水艦の脅威は本物だな。」


「未だに決定的な対処法が無いんだ。仕方あるまい。」


「せめてまともに攻撃さえできればなぁ。」


「最近やっと爆雷とやらが配備され始めたが、なにせ数が足りないからな。」


「あれなら上手くいけば撃沈できそうだ。体当たりよりは何倍もいい。」


「まぁ我々に供与されるのはまだ先のようだ。暫くは今までのように体当たりくらいしか対処法がないな。」


「はぁ......。潜水艦の撃沈なんて夢のまた夢だな。」


「いや、駆逐艦に被害が出てないだけでも十分だ。だがこのままでは護衛の意味がな.....。」


「せめてもう少し戦力があればマシに戦えるんだがな。」


「海軍省の連中はもっと駆逐艦を派遣してくれないのか?。」


「さあな。編成を急いでいるらしいが暫くは無理だな。」


「はぁ.....。何もかもが足りないな......。」


「連中が言ってたろ。足らぬ足らぬは工夫が足らぬってな。まぁ工夫ではどうもできんがな。」


「足りないのは工夫じゃなくて予算だよ。」


「違いない....。」














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