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異世界日本史  作者: 齋藤
10/21

1914年   世界大戦勃発

                        海軍省



「独逸の糞野郎が!!わざわざ裁判で公にしやがって!!。」


「あぁ、予算がまた削られる.......。」


「この件で今までの汚職や賄賂についても調べが進んでいるらしい。予算は駄目みたいだな.....。」


「一度終わった事を蒸し返しやがって.....。あんな事何処でもやってるだろうに.....。」


「あのな....。そもそも賄賂なんて事をするからこんな大事になるんだ。そんな恥知らずな言い訳は止めておけよ。」


「賄賂なんて止めておけばよいものを。金に目が眩むからこうなる......。」


「クソ!!一部のアホのせいでこの様だ。おかげで予算は削られ家族からも白い目だ。嫌になる。」


「俺もだ.....。親父に聞かれたよ.....。お前もやってるのかってな.......。」


「海軍だけにすき放題言いやがって!!。」


「まぁ道ずれで陸軍の賄賂も暴露してやったがな。おかげで陸も予算を減らされるみたいだ。ざまぁみろ。」


「ふん。俺達だけで済まさせてやるものかよ!!独逸め、絶対に許さんぞ!!。」

















                      満州



「はぇ~ここも豊かになったもんだ。前まで荒んだ何も無い町だったのにな。」


「これも亜米利加資本の工場のおかげさ。あっという間に鉄道が延びて来てこれだ。金持ち様様だよ。それにしても露西亜人が減ったな。最近あからさまに減ったぞ。」


「亜米利加が露西亜から積極的に利権を買い漁っているからな。北の鉄道もその内買い取ってしまうんじゃないか?」   


「ふ~ん。金持ちだな~。亜米利加人も増えているおかげで日本も亜米利加人向けの輸出で儲けているし満州は日本の生命線だな。」


「あぁ、日本資本の工場もできた事だし満州はもっと儲かるぞ。」


「でも最近満州を返せと支那人が騒いでいるが大丈夫なのか?。」


「袁世凱が抑えているがね.....。何か起きそうだな。」


「俺達の投資で近代化したのに返せなんて、虫の好い事を.....。」


「何があっても満州の利権は元を取るまで絶対に返さん。」


「まぁ元を取っても返さないがな。」


「「「ははは」」」


















                       外務省



「大変だ!!サラエボで墺太利の皇族が暗殺された!!。」


「何だと!!それでどうなった!!。」


「最後通告が出されたようだ。多分過酷な条件だろうな。」


「セルビアは受け入れるだろうか.....。」


「それは分からんが受け入れなければ確実に戦争が起きる。受け入れてくれればいいが.....。」


「今戦争が起きれば軍に予算を取られる。それは避けたい。」


「また戦争か.....。我々は関係するのか?。」


「墺太利は独逸が支援しているしサラエボは露西亜が支援している。戦争が始まれば必ず介入するさ。」


「始まらなければいいが.....。」















その後 外務省や大蔵省の願い空しく7月28日墺太利がセルビアに宣戦布告、ここに第一次大戦が始まる。


















                       海軍省



「まさかここまで大規模な戦争が起きるとは.....。我が国は参戦するのか?。」


「政府は自ら参戦する気は無いようだ。英国から要請が来るまで待つつもりらしい。」


「すぐに参戦すればいいものを.....。支那の利権を手に入れる絶好の機会ではないか。」


「まぁどうせすぐに参戦要求が来るさ。そこまで変わらんよ。」


「そうかね?ふん、まぁいい。それはそれとして青島や南洋諸島を占領した後はどうするんだ?まさか欧州まで出兵するのか?。」


「分からんが戦争が激化すれば派兵を求めてくるだろうな。」


「そこまで戦争が続くか?どこの国も短期決戦で挑んでいる。早く終わるかもしれんぞ。」


「露西亜との戦争を忘れたのか?あの規模ではすまない戦争だぞ。それにどの国も殆どが大国だ。間違いなく長引くぞ、この戦争は.....。」

「まぁ長引けば派兵は求められるだろうな......。」


「だが現実的に派兵は厳しいぞ。現状の兵站では1~2個師団の派兵や駆逐隊の派遣が限界だ。それも一回戦えばその後は補給が続くか分からん。厳しいぞ。」


「そこを理由にすれば断れるだろ。欧州まで行くのは無理だ。」


「そもそも日本が派兵する必要があるのか?。列強が勝手に始めた戦争だ。こんな戦争で船が沈むのはもったいない。派兵なんてお断りだ。」


「政治家は欧州まで行かせたがっているらしいがね。私としても派兵も已む無しだろうと思う。それに欧州で目立てば予算も増える。」


「だから補給はどうするんだ。」


「単独では無理だが列強に支援してもらえば派兵も可能ではないか?。列強が派兵を求めてくるなんて、切羽詰った事態になった時くらいだろう。そうなれば派兵してくれるなら、と補給は欧州でやってくれるかもしれん。」


「ふん。希望的観測に過ぎないな。自力で派兵しろと言って来たらどうするんだ。そもそも派兵したら、奴らにいいように使い潰されかねんぞ。」


「そうだな.....。指揮権はこちらで握っておかなければならんな.....。」


「まぁどっちにしろ検討ぐらいはしないといかんな。」


「そうだな。」


















                         外務省



「最後通牒から一週間....。独逸からの返答は無しだ。政府は9月26日をもって独逸に戦線布告するようだ。 」


「結局参戦か....。欧州の戦争になぁ.....。」


「まぁ担当は極東、西太平洋だけだがな。英国は警戒していて政府も列強から警戒されないように及び腰だったからな。あまり被害は無いだろうさ。支那での権益拡大は諦めるしかないながな.....。」


「ふん。英国は植民地がたくさん有るのだから支那くらいくれてもバチはあたらんだろうに。」


「まぁここは優等生を演じて輸出の儲けで我慢しよう。それに英国も困れば派兵を求めてくるさ。その時やってしまえばいい。」


「亜米利加にも話をつけておこう。共犯にしてやる.....。ふふふ.....。」



















                       陸軍省



「ついに戦争か.....。青島や南洋諸島くらいなら来年までには占領できるな。問題はその後だ。」


「政府は欧州への派兵に賛成らしいが.....。はっきり言って無理だな。兵站が厳しいし反対も多い。支那への利権確保を諦めたんだ。派兵する必要もあるまい。」


「独逸権益は支那へ有償で返還する事になったからな。ケチな奴らだ。」


「それにしても欧州の戦闘は凄いな.....。マルヌの会戦じゃ双方合わせて50万の被害らしい。我々陸軍三つ分が壊滅だ。近代戦は恐ろしいもんだ。」


「旅順要塞でも被害は多く出たが......。やはり近代的な要塞や塹壕に突撃するのは自殺行為のようだな。」


「とりあえず青島攻略部隊には重砲や機関銃を他の師団から回して多めに配備させるか。現状では火力を集中させるしか対応できん。」


「予算が無くてそれ程配備できなかったからな.....。はぁ.....。」


「まぁ予算も増えるだろうさ。それよりも近代戦の経験が必要だ。欧州に観戦武官を送るか。」


「そうだな。何人か行ってもらうか。」


















                         

                       青島



「砲撃を続けろ!!敵の要塞を吹き飛ばせ!!。」


「神尾中将のお蔭で砲弾は腐るほどある!!。心配せずに撃ち続けろ!!。」




砲声が轟き続け、要塞は見るも無残に破壊されていく。

砲兵は、独逸の航空機に辛酸を嘗めさせられた事にたいする怒りをぶつけるかのごとく砲撃を続ける。

12月21日青島要塞は白旗を掲げ、青島での戦闘は終結した。

だが戦争が終わるわけでもなく日本は世界大戦に飲み込まれていくのだった。









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