プロローグ
ーー 遥か昔、この世界が誕生したときの話
◆◆◆
あるとき何もないところから二種類の、やがて神や悪魔と呼ばれるようになる“存在”がたくさん誕生した
神は自分で創った“存在”に自分の力を分け与えた
その“存在”はやがて子神と呼ばれるようになった
子神は神が自分を創ったように“存在”に力を分け与えた
その“存在”はやがて使徒と呼ばれるようになった
使徒は子神が自分を創ったように“存在”に力を分け与えた
その“存在”はやがて精霊と呼ばれるようになった
精霊は使徒が自分を創ったように“存在”に力を分け与えた
その“存在”はやがて妖精と呼ばれるようになった
やがて、神々から力を分け与えられた聖なる“存在”たちは世界中に散らばった
聖なる“存在”たちのいる大地は魔力に満ち、平和な世界となった
しかし、その平和は長く続かなかった
神々と同時に誕生した悪魔から、力を分け与えられた悪の“存在”たちによって世界は荒れていった
悪の“存在”たちの攻撃は凄まじく、世界は消滅しかけた
世界の消滅を防ぐため、聖なる“存在”たちは悪の“存在”たちに立ち向かった
その聖なる“存在”たちと悪の“存在”たちの激しい戦争は後に、こう呼ばれる
〜聖悪戦争〜
◆◆◆
人間が誕生したのは、聖悪戦争が終結してから300年後のことである
聖なる“存在”たちによって魔力で満たされた世界に誕生した人間は、体の内にある魔力と大地の魔力を利用して“存在”たちと同じ力を使うようになった
その力は魔法と名付けられた
自然魔法と名付けられた、自然に属する魔法を使う者たちは魔法師と呼ばれた
契約魔法と名付けられた、人間と契約をかわしてそれぞれの力を強化する魔法を使う者たちは契約師と呼ばれた
あるとき、一人の契約師が魔獣と呼ばれた魔力を持つ獣との契約に成功した
その魔法は獣契魔法と名付けられ、それを使う者は獣契師と呼ばれた
あるとき、自然魔法を破る力を持つ者が現れた
その人間は破魔師と呼ばれた
こうしてこの世界に様々な生命が誕生した