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嘘の代償  作者: R
8/14

次の日、俺は彼女に電話をかけることにした。少し早いような気もしたが、声が聞きたかったし、いてもたってもいられなかったのだ。

発信ボタンを押そうとしたが、胸がドキドキしてうまく話せそうにない。こんな気持ちは初めてだ。

まず話すことを頭で整理しよう。少し落ち着いてから発信ボタンを押した。

なかなか出ない。すると留守番電話サービスのアナウンスになってしまった。

俺は何も入れずに電話を切った。だまされたのか、いやいやそんなはずはない。彼女の方から教えてくれたんだ。

大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせた。

するとすぐに着信があった。彼女だ。

「ほら言ったじゃないか。」

独り言をいいながら電話にでた。

「ごめん出れなくって、電話ありがとう。私も掛けようと思ってたんだ。」

やったーと声を出しそうだった。電話の声も実にかわいかった。

「昨日大丈夫だった?今日は二日酔いじゃない?」

「やだ、そんなに飲んでないわよ。昨日はありがとう。楽しかったね。」

「お礼を言うのはこっちだよ、あんなむさ苦しいメンバーのテーブルに呼んじゃってごめんね。」

「全然」

「それでさ」

二人は同時にしゃべった。

「あっ徹くんからどうぞ」

「うん、あの良かったら今週末にでも会えないかなと思って。就活の話とかもっと聞きたいと思って。」

「私もその話しようと思ったの。」

「良かった。じゃ土曜日はどう?」

「うん。大丈夫。」

「じゃ12時にハチ公前でいい?」

「わかった。じゃあおしゃれしてくね。」

「いいよそんなの。来てくれるだけでいい。」

「えっ」

俺は言った後恥ずかしくなった。

「あっじゃ土曜にね。」

「うんわかった。ありがとう。じゃあね。」

 

 俺はガッツポーズをしてやったーと叫んだ。すごい達成感だ。

その達成感はすぐにドキドキに変わった。次に会う日のことを考えたら、何も手につかなそうだ。

何を着て行こう、どこの店に行こう、何を話そう。何て幸せな悩みなんだろう。

土曜日が来るまで、頭の中はそのことしかなかった。


 ついに待ちに待った土曜日がきた。

俺は30分も早く着いてしまったので、近くのレコード店でフラフラしていた。

そこで誰かに肩をたたかれた。振り向くとなんと彼女だった。

「えっどうしたの?」

「早く着きすぎてフラフラしてたの。」

「俺も!。」

二人は恥ずかしそうに笑った。


 その日はとても楽しくて、あっという間に時間が過ぎていった。

こんなに話してもまだ足りないくらいだ。

俺たちは次に会う約束をした。最近できた近郊のテーマパークだ。これは立派なデートだろう。

俺はその日に告白しようと決めた。




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