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『悪役令嬢、最強魔導師として無双します』〜追放されたけどチートスキルで王国も恋もぜんぶ救ってみせますわ〜  作者: のびろう。
第2章『王都へ、反撃のドレスアップ!』

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7/30

プロローグ 魔導とドレスと、ちょっとの勇気

王都の空は、記憶よりも少し曇っていた。


かつてわたくしが暮らしていた場所。

あの日、断罪を言い渡された玉座の間から、すべてを失って去った街。

今、再びこの足で踏みしめている――でも、もうわたくしは、あのときの“令嬢”じゃない。


「……ふふっ」


小さく笑みがこぼれたのは、たぶん、ちょっと緊張していたから。


隣を歩くセリアがこちらを見上げる。


「平気?」


「ええ、当然ですわ。“主役”は常に堂々と、ですもの」


そう。

わたくし、リディア・アルヴェインは、もう“公爵令嬢”ではない。


けれど――

精霊と契約し、魔導を極めし者として、再びこの地に帰ってきたのよ。


身分を捨て、立場を捨て、それでも“わたくし自身の物語”を進めるために。



王都への道のりは、静かだった。

けれど不思議な胸騒ぎが、ずっと消えなかった。


「ねえリディア、見て」


セリアが指差した先、街道脇の樹木に“黒い染み”のような痕跡があった。


「これは……」


「魔族の瘴気、だと思う。

 王都の周辺で、最近こういう痕が何件も確認されてるって」


「王都の中枢に、魔族が忍び寄っている……?」


「うん。まだ表沙汰にはなっていないけど、

 何かが王城の中で動いてるのは、間違いないって情報があって」


「“仮面の男”ね」


「……聞いてたの?」


「ええ。セリアがあのとき話してくれたわ。

 白銀の髪、仮面で顔を隠し、貴族会議に干渉する男……」


──アレン・レイヴァント。

追放されたわたくしの婚約破棄に加担した、王家の腹黒王子。


だけど。


わたくしの“物語”を壊したのも、

“書き換える”チャンスをくれたのも、彼だった。


「魔族の影も、仮面の王子も、正面から迎え撃つ」


わたくしは静かに呟いた。


「この王都を、再び“真実の光”で照らすために」


「……リディアって、すごいね」


「褒めても何も出ないわよ?」


「そうじゃなくて――」


セリアが照れたように微笑んだ。


「でも、そういうとこ、やっぱり好きだなって思って」


「……もぉ、そんなこと言うと変なフラグ立つわよ?」


「えっ?」


「乙女ゲーム的に!」


ふたりで笑い合った。

でもその奥で、胸の奥に静かに燃える決意は――消えない。



王都が見えてきた。


尖塔と大理石の城壁、かつての“帰る場所”。


けれど今のわたくしは、

帰るのではない。乗り込むのよ。


「さあ、セリア。潜入の時間よ」


「ほんとにやるんだね、“偽装作戦”」


「ふふっ。“追放された悪役令嬢”が正面から入ったら、面白みがないでしょ?

 今回は――“平民モード”で華麗に舞い戻るのよ」


「華麗に、ね……」


「もちろん!

 ドレスと魔導と、ちょっとの勇気で、全部奪い返してみせますわ」


今度こそ、

“奪われたまま”の人生に、

魔法と気品で――反撃の一手を。

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