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番外編:北海道旅行4 勧誘と勇斗の成功

ゴール地点で詩織とハイタッチを交わしたあと、詩織がふと首をかしげた。


「ねぇ、花月ちゃんって……運動苦手じゃなかったっけ?」


その言葉に、俺は肩をすくめながら答えた。


「まぁね。でも、スノボーだけは得意なんだよ」


「へぇ〜、そうなんだ〜! じゃあ、今の滑りはその成果ってわけか〜」


と笑っていると、少し遅れて勇斗がゴールしてきた。


「ふたりとも速いよ……しかも、周りの人たちも見てた。釘付けだったよ」


息を切らしながら、素直に賞賛の言葉をくれる勇斗。


「ありがと。……でも詩織のほうが一瞬前に出てたし、実質あっちが勝ちかも」


「え〜っ、それは引き分けでしょ〜!」


と軽くじゃれ合うように言い合いながら、俺たちはそのまま数本滑った後、ゲレンデの休憩所へ向かった。


---


中に入ると――


奥のソファに、先に入っていた夏美・琉生・流麗の3人が座っていた。何やら真剣な話(量子コンピュータ)をしている様子で、周囲のざわめきにも気づいていないようだった。


「よし、合流しよう」


俺がそう言って歩き出そうとした、ちょうどその時――


「ねぇねぇ、君たちさ、よかったら一緒に滑らない?」


と、目の前に突然現れた男女のグループが道をふさいだ。


「うわ……勧誘か」


俺はすぐに察し、黙って話を聞き流すモードに入る。


一方、詩織はしっかり断ろうとしたが――


「まあまあ、そう言わずにさ〜!」


「女の子ふたりで来てるの? 男連れてないならちょうどいいし!」


言葉を遮られ、うまく断ることができない。


「ねぇ、一緒に滑ろうよ!」


と、グループのリーダーが俺たちの手を取ろうとした――その瞬間。


「……待て」


スッと差し込まれた一つの手が、俺とグループの間に入る。


「僕の連れに、何をしている」


低く、はっきりとした声。


それは――勇斗だった。


睨むように男たちを見つめるその目に、リーダー格の男は一瞬ビクリとし、周囲の空気が変わった。


「え、いや、別に……そういうつもりじゃ……」


「違うのか?」


「……失礼しました」


グループは小さく謝りながら、逃げるように去っていった。


すると、その場にいた他の客たちから拍手と小さな歓声が上がった。


(……え、なんかヒーロー登場みたいになってるし)


勇斗は気恥ずかしそうに髪をかきながら、こちらを見た。


「……ふたりとも、大丈夫?」


「うん、ありがとね」


「助かったよ、マジで」


と俺と詩織が答える。


その後、奥の夏美たちに目をやると――まだ何やら難しそうな話を続けていて、このやり取りには一切気づいていなかった。


---


日が暮れ、スキー場も少しずつ人が減ってきたころ――


俺たちはホテルへ戻ることにした。


部屋に戻ると、夏美はベッドにゴロンと倒れて深いため息。


「疲れた……でも、楽しかった」


「だねー」


と軽く返したそのとき――


バタンという音とともに


「ねぇ、温泉入らない?」


と、いきなり部屋のドアを開けて現れた流麗が満面の笑みで言ってきた。


「……え?」


「……温泉?部屋についているお風呂じゃなくて?」


俺と夏美は、あまりにも自然に話しかけてくる流麗のテンションにポカンとするしかなかった。

最近リアルのほうが忙しくなってきいますので毎日投稿できるよう務めますが投稿できない日があるかもしれません。その点についてはご了承ください。

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