表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/52

6 止まらぬ支配


2つ目の怪物の世界…

 

 

 ―グガァ!!―

 バンッ!バンバンッ!

空間の怪物が一方的に攻撃をし続ける…



蒼達はただひたすらその攻撃を避けるだけで打開策がない。このままでは、蒼達の体力が減ってしまうだけ…

「はあぁ…はあぁ…このままでは…」


 ―グカァア!!―

 バゴンッ!


「ぐあっ!」

吹き飛ばされる蒼…


 ―ガアァ!!―

空間の怪物は止まらない

次に、バロンとゴルドを蹴散らしていく

 バゴーン!バゴーン!!


「ぐはぁっ!!」


 

 バッ…!

飛び、空間の怪物の背中に攻撃をしかける赤城

「オラァァ!!」

 バチンッ!バチンッ!

しかし赤城の攻撃は全て異空間によって弾かれる…

「くそ…!駄目か…」


 ―あがいても無駄だ!死ねぇ!―

 バンッ!バンッ!

空間の怪物は赤城を軽々と吹き飛ばしていく…

葉奈も吹き飛ばし、ローサも吹き飛ばす…


 

「うっ…回復…しないと…」

葉奈は立ち上がり、倒れている他5人の回復を行う


 ―空間というのは守りだけはでなく、攻撃として使うことも出来る。今からお前らをその空間で殺してやる―

そう言うと怪物は、守りとして使っていた周りの異空間の形を変幻自在に変える

そして、球状に変形した複数の異空間をこちらに向けて放った


 バババババ!!

 

空間の怪物は、異空間の弾くという性質を利用し、蒼達に攻撃を与える

葉奈の行った回復も空しく、無意味なものとなってしまう…


「ぐはぁ!!」

6人同時に、その場に倒れ込む


「みんなを…守らないと…」

身体はすでにボロボロな状態だが、赤城は立ち上がる

「はあぁ…はあぁ…」


 ―終わらせよう。次は亜空間だ―

空間の怪物は、次に亜空間の形を変える

そして赤城に狙いを定める

 ―真っ暗い無の中へと消え去るがいい…!―


 ザッ…ザッ…

赤城は立ち上がった…

「俺が…5人を守る…はあぁ…はあぁ…」


 ―やってみろ!亜空間くらえ!はあっ!―

 ビュンッ!

 

「魅せてやる…!俺の技を!!」


 ―お前が、技…?―


 ボワァァ!! 

すると、赤城の剣が真っ赤に燃え上がった

赤城は前から来る亜空間をその剣でぶった斬る

 ズサァッ!!


 ―空間を…斬った…?―


「まだだ…」

 タッタッタッ!

燃え盛る剣を持った赤城が、走って近づいてくるじゃないか…


 ―くっ…!―

空間の怪物は急いで周りに異空間を生成する。しかし、赤城の技によって全て斬られてしまう…


「ファイアスラッシュ!」

 ズサッズサッ!ズサァァ!!


 ―ガアァ!!―

赤城は、その怪物の目を斬り刻んだ

 ―アァァ!!ガアァ!!―


 

「赤城が技を…!?流石に凄すぎる…」

バロンが起き上がった

 


すると… 

「うっ…あっ…」

 バタッ…

唐突に赤城が倒れだす…

技の影響なのか、ひどい火傷を負っている状態…

 

 タッタッタッ…

回復に向かう葉奈

「赤城のおかげで戦況が逆転したよ!」


「それは良かった…だけど、無理したみたい…」


「今から回復するから待ってて」

葉奈は、赤城の回復を行う


 


 ―ガアァ!!グガァ!!―

目を潰されもがき苦しむ空間の怪物…


 バッ!

その隙に蒼達4人が飛びかかる

飛びかかるとすぐに、彼らは空間の怪物の細い足を切り落とす


 ―ガアァ!!―

身動きの取れなくなった空間の怪物は、何もすることが出来ない。

そのまま、矢と砲弾、槍と拳を同時にくらい、死んでいった…

「はあぁ…はあぁ…なんとか倒せた。良かった…」

 

「死ぬ時は一瞬だったな」


空間の怪物が死んだことで、逃げるのを遮っていた謎の空間の効力が無くなる

なので蒼達はゲートに向かい、外に出るのだった

ちなみに赤城は、バロンに抱っこされながら脱出する…




 ギギギ…!!

空間をいじくり、瞬間移動してくる2体目の空間の怪物と、グレイ怪物…

彼ら2人は、蒼達が脱出するところをじっと見つめている

 ―開放されたと思ったら、まず最初に見る光景が弟の死骸か…―

 ―まぁ別にいいか、あいつが時間稼ぎしてくれたおかげで、外は完全に侵食されたからな―


 ―2地点解放できたとなると、ほんの少しだが人間界でも動きやすくなるだろう―

  

グレイ怪物の言う通りで、もうすでに江土高校と花沢高校の周辺は、怪物世界の侵食が完了してしまったのだ…



 ………………

 

 トコトコ…

怪物隊の機関へと戻る蒼達…


一階、待ち合わせ場のイスで蒼達を待つ蝶々達…

戻って来る蒼達を見て、蝶々は向かっていった

「どうした、遅いじゃないか。何かあったのか」


「それがですね…あの後花沢高校で、怪物による侵食がありまして…」

「侵食は止められませんでしたが、空間の怪物を倒すことは出来ました」


「マジで!?やるじゃんか」


「でもそのせいで、赤城が火傷を負ってしまい…」


 

「救急で誰か運ばれていったと思ったら、赤城だったのか…」

「でも待って、花沢高校が侵食されたの?」

谷口の顔が曇る


「ここ数日間で2地点も侵食されるとは…」

「ちょっと、みんな来てくれ」

蝶々は、ちょうど空きの状態の会議室へと向かっていった。蒼達もついていく…



  

 トコトコ…

「すげぇ広い」

 

「何するんですか?」

ローサは蝶々に質問をする


「作戦会議だ」

そうして、着くとすぐに蝶々は、会議室に設置されている大きな机に地図を広げる

「俺は昔怪物と戦い、その怪物達を封印した。だから俺には怪物を封印されている場所を知っている」

「残るは3地点、あいつら怪物はそこのどちらかに向かうだろう…」

 

「この地図でいくと、どことどこになるんですか?」


「中央、少し南の方にあるショッピングセンター、そして南東の方にある山下大病院、そして南西方向の大公園の3つだ。どこも大勢の人が集まるような場所、ゲート用員の下級怪物を増やすには最適すぎる場所、非常に解放しやすい現状となっている」


「先回りして行くにしても、3地点か…」

不安がるゴルド…


「まずは2地点にそれぞれ分かれて行く。そして、残った地点は怪物隊の一般部隊が見守ってもらう」

蝶々は提案を出し続ける


「毎日いるのは難しそうだし、3地点とも、常時監視カメラかなんかをつけてもらえるといいかもね」

葉奈も乗ってくる


そうして蝶々は、江土高校を壱、花沢高校を弐、そして次来るかもしれない場所を参と名付けた


すると、作戦会議をしている蝶々達のところに官吉がやってくる

 トコトコ…

「会議中すみません、ここに隣接されている研究所のリーダーから、蒼にお礼がしたいということなので伝えに来ました」


「俺に?」

そうして、研究所へと向かう蝶々達…





 トコトコ… 

「ここが研究所…」

中に入ると、研究員達が研究をしている。その中から、リーダーらしき人がこちらに歩いてくる…

「君達が例の方々?」


「官吉さんに呼ばれてきました。でも、何故私にお礼を?」


「対怪物用銃とベストのことだよ。私達はあれを参考にして新たな強化版の銃を作った」

「この銃は一般部隊の人達に持ってもらう。しかし、怪物細胞をエネルギーに変換させているとは、びっくりしたよ」


「小さい頃から機械の改造とかが好きで、あんま上手くはないですけど…」


そうして、研究所にはもう用はなくなったので、彼らは自室へと戻っていった



 

一方で、怪物の世界では…

 ギギギ…!!

空間をいじくり、弐から壱へと空間移動する空間の怪物とグレイ怪物

ちょうど空間移動したところでは、長が怪物達を集めて話し合いを行っていた

 

 ―花沢の封印と、2体目のゾラの解放を行うことには成功しました―

グレイ怪物は、弐の解放、2体目の空間の怪物の解放を成功したことを長に報告した


 ゴゴゴゴ…!!

 ―もう1体の方はどうした…!―


 ―例の奴らによって殺されました。しかし、あの時に蝶々達はいなかった。手下の奴らも着実に力をつけていることが分かります…―


 ―それはまずいな…やはり封印された5地点を早く解放し、山下坂全体を侵食させなければ―


 ―分かりました。しかし、ガーラは今どこに―

グレイ怪物は、変身の怪物だけがここにいないことに気づいた


 ―分からない。まぁ、彼なりに何かやってくれるのだろう―

 


  

 ………………

 

そして次の日の朝…

「今日の朝はようやく朝の日差しで起きれた。やっとここの朝飯を食べられる」


今日は良い目覚めだそう

そのまま食堂に向かう蒼達



 

 トコトコ…

「いつ話す?」


「別に、言わなくてもいいんじゃない?」

山城と谷口と会話をしながら蝶々達がやってくる。彼らも朝飯を食べに来たようだ


 

「蝶々さん、おはようございまーす」

ローサが挨拶しにいった


「おぉ…!おはよう。赤城は大丈夫か?」


「明日回復予定ですって」


「明日か…それじゃあ、参と肆には、4人ずつで向かうしかないか」

 



 

彼らは朝飯を食べ終える

そうして先回りするために、すぐに目的地へと向かった


ショッピングモールには、谷口と蒼、ローサと葉奈

大病院には、蝶々と山城、ゴルドとバロン

その4人ずつで向かうことにした



 ………………

 

 タッタッタッ…

「ここだな…」

蝶々達4人は、先回りして大病院に辿り着くことに成功。今のところは怪物が来るような雰囲気はないそうだ

「よし!怪物の奴らが来るまで待つとするか」


 

 ………………

  

 ザッ…ザッ…ザッ…

 ―よしよし、丁度人が来たようだな―

人間界にグレイ怪物が歩いてやって来る…

後ろに大量の下級怪物と、2本の刀を構えている侍の怪物がいる

しかし、彼らが来たところは谷口達が向かったショッピングモール…

 

だが、谷口達も先回りには成功している!

 

「とうとう来やがったな…!くらえ!」

蒼は弓矢を飛ばした

 ヒュンヒュンッ!

 

 バシンッ!バシンッ!

 ―ガアァ!!―

数体の下級怪物が死んだ


 ―先回りされていたか…―

グレイ怪物は、侍の怪物から刀をもらう

 シャキンッ!

 ―俺はヒミだ。ここでお前らを殺してやる。はあっ!―

谷口に向かっていった


 キンッキンッ!

他の対応怪物とは違いしっかりと人の形をしているグレイ怪物、対応怪物としての本領を発揮する

 

負けず劣らずの谷口、背後から襲ってくる侍の怪物も楽々とあしらう

 

 ―くそ…こうなったら本気を出すしか無い!―

侍の怪物は一本の刀を生成した

 

 タッタッタッ…!

「オラァァ!!」

そこに、ローサが侍の怪物を殴りにいく

 バンバンッ!


 ―グガッ…!やりやがったな!―

 シャキンッ…!

侍の怪物は刀を振り回し、ローサにするどい攻撃をあたえる


「ぐあっ!!」


「ローサまかせろ!」

蒼が援護射撃を仕掛ける

 

 ブサッ!ブサッ!

 ―ガアァ!!―

侍の怪物の背中に数本の矢が突き刺さる…


 

一方で葉奈はローサの回復に向かう…

そして谷口は、高速の斬撃をグレイ怪物に向けて放った

「くらえ!!」

 ズザザザ!!

 

 ―ガアァ!!―

 バタッ…

背中から地面に倒れた…

 ―ハアァ…ハアァ…残念だったな…今頃羽水町に仲間のヒミ達が向かっていることだろう…お前らのアジトは完全に分かってるんだからな…!―


「なんだと…」



 

 ………………


羽水町では……

  

 バサッ!バサッ!

羽を羽ばたかせながら、対応怪物が羽水町に侵入してくる。怪物隊の本部に向けて突撃しにくるのだった…



 トコトコ…

するとそこに一般部隊がやってくる

新対怪物用銃を構え、向かってくる怪物に狙いを定める

「いくぞ!はっ!」

 バババババ!!!


 ―ガアァ!!!―

 ―グガァァ!!―

 バゴーーン!!バーーン!!

一般部隊と新対怪物用銃の活躍により、大量の怪物が死んでいく…

 

「やったぜ!」

 



 


 1体目の空間の怪物は完全に死んだ。だが2体目が残っている…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ