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2 怪物達の計画



 トコトコ…

「校内には誰もいない……異様な雰囲気だ…」


「まずは地下に行って武器を持ち帰ろう」


「まぁあの部室は基本的に安全ですからね」

何故安全なのかというと、部室には絶対安地ゾーンが張られているため、その一室ではゲートが生成されることはないから

 

すると…


 ガガガガ…


彼らの足元にゲートが開かれる音がする

「ゲートだ…!早く逃げろ!」

 タッタッタッ!

一階にいた彼らは猛ダッシュで地下へと走っていく


背後にはゲートから怪物の手が伸びてくる

 

 タッタッタッ!!

「これはさすがに逃げられる。後は階段を下って地下に行くだけだ」


「転ばないように下れよ!」

 タッタッタッ!


 

 ガガガ…

再び生成されるゲート…


「また!?今回数多くない?」

 

「大丈夫だ。慌てずに、慌てずに…」

蒼の言葉通りに慎重に逃げていく

 タッタッタッ!!


なんとか7人は逃げ切った。部室まで逃げ切ることが出来たのだ。しかし部室の様子がおかしい…

辺りはボロボロで荒らされてしまっていたのだ。絶対安地ゾーンも薄れており、効力が切れかけている状態


 

 トコトコ…

蒼は最悪なことに気づく。それは、対怪物用ベストと銃が紛失してしまっていること

「何故無い…これも怪物のせいなのか…?」

「くそ…こうなったら予備の3セットを使うしか無いか…」

予備用に隠しておいたベストと銃を蒼は取った

3セットしかないので、蒼と赤城、そしてローサが使うことになった

「ローサは彼らを外まで連れていってあげて、俺らはゲートの中に行くから」


「分かった!」

そして蒼と赤城を残し、ローサは葉奈達を連れて学校の外へと走っていった


 ………………


 

ゲートの中へと入っていく蒼と赤城 

今回の怪物の世界はいつもより紫がかっていて、いつもより物々しい雰囲気だった

「怪物が1体もいない…やっぱり何かおかしいよ」


「確かにおかしいが、まだ慌てるな」


 

 バッ!

すると蒼の背後から、1体の怪物が飛びかかってくる…

 ―グガァ!―


 カチャッ…

蒼は銃を構えた

「来やがったか…くらえ!」

 バーン!バババ!!


 ―ガァ…!―

 バタッ…

 

  

「くそ…ゲートを開けたのはこいつじゃないか…」

蒼は弾の装填をしながら奥へと進んでいく



 

 すると急に、辺りに謎の緊張感が漂う……


  

 ―来タカ人間ドモ…!― 

その声とともに上空から謎の巨体が落ちてくる

 バーーン!!


 

「な…なんだ…!」

蒼と赤城は思わず後退りをする


 ゴゴゴゴ…

 ―今日デオマエラヲ殺シテヤル…―


 

 カチャッ…

蒼と赤城は、その大きな身体に向けて銃を放つ

 バババババ!! 

しかしその怪物の鋼鉄な身体は、蒼達の銃弾を全て弾いく 

 ―虫ケラガ…!ハアッ!!―

 バゴーン!!

その怪物は、自身の大きな腕を使い地鳴らしを起こした


 バーーン!!

「ぐあっ!!」

「なんなんだこの怪物…いつもの奴らのように簡単には倒せないぞ…」


「やばいぞ!これはもう早く逃げるしかない!!」

「怪物になりたくなければ、ゲートに向かって走れ!」

 タッタッタッ!


 

 ―例エ外ニ出テモ、オ前ラハ絶望スルコトダロウ。ハッハッハッ!―


「なんのことだ……」


「そんなことはどうでもいい。赤城!早くこの世界から出るぞ!」

なんとか、蒼達はその鋼鉄な怪物から逃れることが出来た


 ………………

 

その一方で、ローサ達にも危機が訪れるのだった…


 タッタッタッ……

ローサは残りの部員を引き連れ、学校外へと走っていく

「くそ…!私達に反応してゲートが開いた…」

 カチャッ…

銃を構える

「くらえ!」

 バババババ!!

ローサは、ゲートから伸びてくる手を撃ちまくった

「よし!みんな逃げていいぞ!」


 

「ありがとうローサ!」

下駄箱らへんまで逃げることに成功した彼らだった…

 

しかしここでありえないことが起きる


 

 トコトコ…

「みんな、本当に今までありがとう…」

グレイは笑顔でそう言うと、自分の肌を強く掴み、ビリビリと剥ぎ始めた

 ―ハハハ!ありがとう!我ら怪物の計画は順調に進みそうだよ!―

肌が剥がれると、中は紫色の肌をしているのが分かった


「グレイ?何してる…どういうことだ…!」


遂に本性を表したようだ

 ―やっと楽になれた―


「なんで私達を裏切ったの…!!一体どういうことなの…!」


 ―私は怪物の長からの命令で、スパイとして忍び込んだまで。この世界でも対応できるという私の特徴を活かしてここまで計画を進めた―

グレイは、人間世界に対応している特殊怪物だった

 ―そしてお前らはここで死ぬ―


 

 カチャッ…

銃を構えるローサ…

「みんなは先に逃げてて…私がグレイを倒すから。はあっ!」

 バババババ!!


 ヒュンヒュン!ヒュンッ!

 スタッ…

銃弾は全て避けられてしまう…

 ―俺は今までの奴らとは違うんだよ。オラァ!―

 ガシッ!

その怪物はローサの首を掴んだ。そしてひたすらローサを殴り続ける


「うっ…!ぐふっ!」

「絶対に…死ぬわけにはいかない…」

するとローサは、対怪物用ベストの中に入っていたナイフを取り出し、グレイ怪物の手を切った

 シャキンッ!

 ―うっ…!ナイフがあったとは…私の確認不足だった―

ローサは解放される


「逃げないと…」


 ―逃がすわけにはいかない…!あの世界に引きずり込んで、1人だけでも怪物化させられたらそれでいい―

 タッタッタッ!

 ―待ちやがれ!―


 

その時だった

鋼鉄の怪物から逃げ切った蒼と赤城がその場に辿り着く。2人は新たな怪物を発見し、すぐに銃を構え発砲した

 バババババ!!

 

 ―ぐぁっ!ぐはっ!―

数発の銃弾が、グレイ怪物に命中

 ヒュンッ…!

そして、すぐさま避けるグレイ怪物

 ―危うく蜂の巣にされるところだった…―

 ―しかしあいつ、蒼と赤城の2人を仕留められなかったのか…―

  

「何なんだお前は…!」

 

 ―最後に言っておこう、怪物には種類がある。下級の怪物から、俺みたいにこの世界でも対応できる怪物、そしてお前らの倒せないような怪物までな、手を引くなら今のうちだ。良く考えておいたほうがいい―

そしてその怪物は姿を消してしまった…


 

「はあぁ…はあぁ…」

「鋼鉄なあいつといい、今のあいつといい、何なんだったんだ一体…」


「蒼と赤城!待ってたよ!」

ローサが走ってくる


「ローサ!無事だったか?」

「しかし何だったんだ今のは…」


「あれは…グレイの本当の姿」

「グレイはスパイとして何かしらの計画を進めていたそう」

 

「今のがグレイ…?嘘だろ…」


「まぁ…早めにここから去ろう」

 タッタッタッ…



 …………………


  

次の日…

朝のニュースでは不可解な事件として江土高校の特集がされていた

昔から謎の行方不明事件があったことも大々的に公になっていくのだった…


校門の前にはマスコミ達が待ち伏せている

中継中…

「今ですね〜この高校の目の前にいるんてすが、まるで廃墟のようです。見た感じ人のいる感じはしませんね」

「少しだけ、中に入ってみましょうかね」


 

 ガガガガ…

マスコミの足元近くにゲートの開かれる音…

 

「このような感じになっており…うがぁっ!」

 ズザザザ…!!

「アァァッ!!」

その人はゲートの中へと引きずり込まれてしまった… 

そしてこの光景は中継中のカメラにバッチリ写っており、全国に流れてしまった


他の記者も引きずり込まれ、その場に残ったのは1台のカメラのみ…



 

 ………………


  

「俺ら、どうする」

赤城は仲間とのグループ通話をした


「グレイには裏切られ、怪物は何種類もいると…」

「実は私達って、怪物について何も知らなかったんだね」


「みんなは、グレイが言っていていた計画についてどう思う?」


「計画ね…あいつら怪物の計画…」

「どうせふざけた計画だろ。くそ…!グレイあいつめ…」


テレビを見ていたゴルド…

「みんなテレビ見てるか?今、記者がゲートの中に引きずり込まれていったぞ」


「やっぱり止めに行ったほうがいい。こんなのどんどん被害者が増えるだけだぞ」


「でも怪物は強くなっていってる。無駄に終わる可能性が高すぎる」


「その時は逃げればいい。そもそもゲート内に入らなければいい話だから」


「そっか。じゃあ学校の付近で様子見といったところだな」

そうして彼ら6人は学校付近に集合することとなった




 

 タッタッタッ… 

数分して彼らはその場に辿り着く

遠くから見る学校の姿はまるで廃墟のようなものとなっていた

対怪物用ベストと銃をこの日のために3セット作った蒼、出来栄えは少し劣るかもしれないが、それをゴルドと葉奈、バロンの3人に渡した

「よし、行くぞ」

 トコトコ…


  

6人は校門を通り、中に入ろうとした。

すると前から誰かが歩いてくる…

 トコトコ…

 ―また来たんだな。お前ら―


「グレイ…」

6人の目の前に現れたのはグレイだった

「観念しやがれ…!」

6人は銃を構えた。その怪物に狙いを定める


 ―急に銃なんか構えちゃって…怖いな君達は―

 ―でもね、もう計画は完了しているから―


「計画が完了?一体お前は何をするつもりなんだ!」


 ―見ていれば分かるさ…―  

すると江土高校の敷地内に、一斉にゲートが開かれる。だんだんとその無数のゲートから、怪物世界のエネルギーが学校内を汚染していく


「お前…!何するつもりだ!」


 ―ここ一帯を汚染し、ここ一帯を怪物の世界にさせるんだよ。このまま汚染を続けていければ、この町は怪物の世界に変わっていくだろう―

 ―ゲートから出る俺らの世界のエネルギー、地面を見れば分かるだろ―

紫色に変色していく地面…

学校が侵食されていっているのが分かる

 

「こんなの、どう止めろっていうんだよ…みんな、どうすればいい」


「俺にも分からない…もう逃げるしか無いんじゃ」


 

 パチンッ!

すると、グレイは指を鳴らす

次の瞬間、赤城達の足元に大きなゲートが開かれる。そうして赤城達は、そのゲートに飲み込まれてしまうのだった…


 ―ありがとう。では後は頼んだよ―

グレイは、そのまま学校内へと入っていった


 

 ………………


 

「うあー!!」

 バタッ…!

6人は怪物の世界へと落とされてしまった…

「最悪だ!ゲートは上空にあるし…どう脱出すればいいんだ」


「落ち着いて下さい…」


「落ち着いてられるか…!俺らはもう死ぬもしれないというのに…!」

蒼は絶望してしまう 


 

 ザッ…ザッ…

6人の目の前には、大勢の下級の怪物達がいた。そしてその怪物達を指揮している他のとは一回り大きさの違う怪物がいた

「鋼鉄のあいつ!」


「逃げるぞ…逃げるぞ!」


 ―逃サナイ!ミンナ行ケ!―





 



現在見つかった怪物の数3体

 下級怪物 対怪物用銃で余裕に倒せる奴ら

 対応怪物グレイ 現実世界でも対応している身体をもつ

 鋼鉄の怪物 対怪物用銃が全く効かない。鋼鉄な身体

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