1 ショーの始まり
最後に補足情報を追加しています!
江土高校に入った生徒は行方不明になる…
こういった噂が昔にはあったらしい。でも最近行方不明者は大幅に少なくなったそう
というのも、あの人達が影で活躍しているから
俺の名前は赤城、江土高の2年生。
いつも学校に通ってはいるんだけど、あまり授業には出ていない。その理由は、いつアイツが来るのか分からないからだ。もちろん今日も来やがったよ、だから4時間目は出れなかった。昼飯の前だというのにさ
トコトコ…
赤城は校内でパンを買い、そのまま学校の地下1階にある室内へと向かった…
ガラガラ…
その部屋の扉の開ける赤城
「もうみんないたのか、さっきは大変だったな」
この室内にはすでに5人の高校生がいた
蒼(男)高3リーダー
ローサ(女)高2
ゴルド(男)高2
葉奈(女)高2
グレイ(男)高1新人の5人
何の集まりなのかというと、これは非公認部活の怪物討伐部での集まり…
彼らは行方不明者の原因である怪物を影で倒していたのだ
パソコンの操作をしながらゴルドは言う
「赤城さん…今来たところですいませんけど、ゲート反応がありましたね」
ゲートとは、現実世界と怪物世界を行き来できるもの。怪物はそこから手を伸ばし人間を怪物世界へと引きずり込むのだ
「おいまじか…まぁそんなら、このパンを一瞬で口に詰め込んでやるわ」
モグッ…モグッ…
そんな赤城を尻目に、他の部員たちは対怪物用ベストと対怪物用銃を身につける
「赤城!早く来いよ!」
「ちょっ…早すぎるて…」
赤城もベストと銃を取りに行った
………………
タッタッタッ…
「ここだな…」
彼らがたどり着いたのは学校の駐輪場だった
「よし!ゲート発見、いくぞ」
彼らはゲートの中に入った
「この中では死ぬことは許されない。絶対に生きて帰るぞ」
蒼はゲートの中に入るといつもこの言葉を言う。なぜなら怪物の世界の中で死んでしまうと、その死んだ人間は怪物になってしまうからだ
そうこうしているうちに、彼らの周りには怪物達が…
「来やがったか…銃を構えろ!撃て!」
バババババッ!!
―ガアッ…!グガァ!―
怪物達に銃弾が当たり、のたうち回る
―グハッ!―
バタッ…バタッ…
この相手は全員下級の怪物、一体、また一体と、血のような紫の液体をまき散らかしながら倒れていった
「片付いたな…よし戻ろう」
彼らは再びゲートに入り、現実世界へと戻った
「楽勝だったな!こんくらいなら余裕すぎるな」
「よし、ゲートも閉じていってる」
ゲートを開いた張本人である怪物を倒したことで、そのゲートは閉ざされていった…
「じゃあみんな、それぞれ戻るとしよう」
そうして任務を終えた彼らはそれぞれ自教室に戻っていく…
だが、その陰で誰かがこちらを覗いている…
「あの人達は一体何を…?」
………………
そして6時間目が終わり放課後、赤城は教室を出て部室に向かおうとした。すると
タッタッタッ!
「お前が赤城か!」
突然廊下の向こうから誰かが駆けてきた
「だ…誰?」
「俺の名前はバロンだ。そんなことよりお前…さっき何をしていた?」
「さっきというのは…いつのことなんですかね」
汗をかきながら返答する赤城
「昼休憩の時ですよ!あなたは…いや、あなた達は何故か地面から姿を現しました。あの後走ってその地面を見たら何も無かったのに…」
「絶対なんかしてましたよね…」
「うわぁ…ゲートのこと言ってるじゃん…」
赤城は小声で言う
「まぁ…そこまで見られてたとしたら仕方ないか…ナイショですよ。来て下さい」
赤城はバロンを連れて部室へと向かっていった
トコトコ…
地下へと入っていく
「しかし、バロンはなんであんなところいたんだ?駐車場だなんて…」
「それがですね…実は俺には1人親友がいまして…高木ってやつなんですけど、でもそいつ行方不明になっちゃって…」
「噂だと思ってたのに本当になって…しかも親友が。まぁ…それからはもう1人であそこで休憩してます」
「運が良いのか悪いのか…今日、その真実が知れることになると思うぞ」
「真実…?」
そうして2人は部室へと移動出来る
ガラガラ…
赤城は部室の扉を開けた。すると部員のみんなはバロンの姿を見て困惑する
グレイは驚きながら言った
「誰だ?なんで勝手に連れてきた?」
けげんそうに低い声で言った
「それが…昼休憩のあの時に見られてたそうで…」
「まじか…見られてたのか…」
バロンは蒼に向けて言った
「ここは一体…」
「ここは行方不明者が多発している原因である怪物を倒している怪物討伐部だ」
「行方不明者…俺の親友もその内の1人です…」
「君もそうだったのか…だが実は俺もそうなんだよ。俺はその親友のためにも怪物を倒し続けている」
「そうだ、名前を聞いてなかった」
「俺の名前はバロンです。よろしくお願いします」
「しかし討伐と言ってもどうやってやってるんですか?」
「対怪物用ベストと対怪物用銃を使って戦ってる」
「こんな少人数でも大丈夫なんですか?大人数の方がいいと思うんですけど」
「怪物の世界で死んだ者は、体内で怪物のエネルギーに侵食される。最終的に侵食が進むとその人は怪物になってしまうんだ。だからむやみに人を募集できない。少人数なのはこういう理由があるからだ」
「怪物の世界…なんか全く知らないことばっかですね…」
「まぁ後々分かってくるだろう。今日も怪物が現れるかもしれない。暗くなるまではここにいとけ」
「分かった」
だが、今日はゲートの反応がなかったそう――
「もう下校時間も迫ってきてるな。グレイ、ゲートの反応はあったか?」
蒼はパソコン作業をしているグレイに聞いた
「反応は今のところ無いですね。今日は出動する必要は無いかと…」
そうして次の日…
今回は2時間目の途中からの出動となった
ゴルドは授業を受けながらゲートの様子を見ていた。反応があると知り、机の下でスマホを使い部員達にメールを送る
今回のゲートは校庭のど真ん中に発生したらしい。彼らは授業を抜け出してすぐさま向かった
トコトコ…
「この中に入るんですか…」
ゲートを初めて見るバロンは驚きながらも中に入っていく
7人は中に入ると怪物に向けて銃をぶっ放した
バババババ!!
―グアァァ…グアァ…!―
「バロン、見たら分かる通り単純作業だから」
ローサはバロンに向けて言う
「本当ですね」
バババババ!!
「よし!ゲートの開いた張本人を撃破した。ゲートが閉まる前に戻ろう」
その葉奈の一言でみんなはゲートを使って逃げた
タッタッタッ…
ドシン…!ドシン…!
奥の方から異様な影が現れる。それは他の怪物とは明らかに違った
―ハアァ…少シ遅レタカ―
その怪物は脱出する7人を凝視し続けている
―俺タチハ…進化シタ。ココカラガ、新タナ始マリダ―
………………
タッタッタッ…
「一瞬でしたね…」
バロンは興奮で手を震えている
「毎回こんくらいだな。いつも銃撃ってさえいれば怪物は全員倒れてくから。多少危険はあるけど間に合えばいいってだけかな」
「まぁバロンもいずれ慣れてくるだろう」
その日の放課後、蒼は1人で部室の整理をしていた
「しかしバロン、以外とやるなあいつ。とはいえ、あいつのことはまだ俺らが守っていかないとダメだな」
「誰だ、棚を開けて開けっ放しなのは、まいっか」
「今日はこれ以上は出なそうだし、俺も帰るとしよう」
蒼はそうして家に帰っていった
しかし次の日に事件が起きてしまう
放課後、水泳部の部員が怪物によって襲われてしまうのだった
グレイが言うにはゲート反応は少しも無かったのに…
蒼達は走ってその現場に向かおうとしたが、着くとそこにはもう誰もいなかった…
「くそ…間に合わなかったか…」
「ゲートだ!ゲートを探せば少しの人数でも助かるかもしれない」
「そうだな。探そう!」
タッタッタッ…
だがゲートは見つからなかった。水泳部の人達は怪物によって帰らぬ者となってしまった
………………
この事件は一瞬にして世間に広まっていく。再び起こった大量行方不明事件として
この事態に焦る校長
「行方不明…再びか。一体この学校に何が起きていると言うんだ!もうこの学校は終わりだ…」
「明日は休校にして何が起きているのか原因を探すしか無い」
校長の言う通りで明日は休校となった
次の日――
校長は教師とともに学校を歩き回る
外には何人ものマスコミが待ち伏せていた
「昨日のこともあったし、休校にしてるのかもな…」
………………
校内を歩き回る教師達…
原因を探ろうとしている彼らだが、当然見当たるわけがない
一旦集合することになり、5年前のように再び警察達の力を借りることにしようとなった
「警察に頼ってみますか…前みたいになんでもありませんでしたってならなければいいんだけどね」
「ちょっと待って下さい…!齋藤先生がいませんよ」
「なんだって…」
「キャッ!」
「どうした!?うあっ!」
「ぐあっ!」
彼らは次々とゲート内に引きずり込まれてしまう…
一瞬にして彼らは姿を消してしまうのだった……
次の日…
学校から何も連絡が来ないことに不思議がる赤城
「俺だけなのかな…まさかそんなわけ…」
赤城は葉奈にメールを送った
返信が来る
―私も来てないよ。なんだか嫌な予感がするね…―
「一旦学校に行ったほうがいいかもな…」
そして赤城は6人にメールを送信。学校に集合しようと呼びかけた
………………
数時間後…
学校の目の前で全員は集合することが出来た
「みんな集まったか」
「今の段階でも学校からの連絡は来てないか。じゃあ行きましょう」
トコトコ…
7人は学校の中へと入っていった…
―怪物は、現実世界にいると身体能力が大幅に下がる。なので、ゲートを発生させた際には、顔や手だけを出して人を引きずり込みます
だが、例外もいるらしい―
3/7 修正済み