同窓会(5)
集合場所から会場までの移動の間、好奇の目がおれに集中。
「お前、変わりすぎだろ?」
「え、そう?ヤバイ?」
「たったの4年でここまで変わるなんてねェだろ、フツー」
真木はまだおれをジロジロと見てる。
「整形した・・・ワケじゃないよな」
寺本は面白い生き物を見てるような顔だ。
「な~んも触ってませんけど」
そんなことより、おれには気になることがあった。
「中沢は、来てないんだな」
「ああ。あいつ、連絡が取れないんだ。一応、実家の方には電話したんだけどな」
「そうか・・・」
ちょっと落胆。
「会いたかったのかな?樋口クン?」
寺本が耳元でボソリとささやいた。
「うん、まァ」
つい、本音を言ってしまった。
「あ、いや、そ、そーじゃなくて・・・」
あたふたするおれを、寺本はしたり顔。
「まだ好きなんだね~。純なヤツ。けど、見た目とギャップがありすぎ~」
「うゥ、うるさ~い!」
ここはもう、寺本のノリに合わせるしかない。
そうやって、おれは中沢を頭の中から追い出した。
会場についてからは、今度は女子たちに囲まれてしまった。
「樋口君、カッコよくなったよね~」
「高校ンときもカッコよかったけど、あのときは知性的って感じっだったなァ」
「今は危険なオトコって感じ」
それ、ほめてるのか?
彼女たちも知らない。
おれがゲイってこと。
知ってる会社の同僚の女子社員にしてみれば、危険な香りがちっともらしい。
「よせ。間違ってもおれなんかに惚れるな。不幸になるぜ」
忠告のつもり。
女子たちは一瞬真顔。
そして・・・。
「やだ~、樋口君ってば、おもしろ~い!そんなキャラだった~?」
けらけら笑ってる。
こら。
マジメに聞け。