おれの旅立ち (7)
「遅くはないと思うよ。人それぞれだし。けど、早い子は中学ンときだから」
が~ん。
おれはハンマーで頭を殴られた感じだった。
そ、そうだったのか。
・・・知らんかった。
「男どうしのえっちって、どんなのか聞いてみたかったんだけどな~。また今度ね」
また今度って・・・。
中学、高校と体操と勉強ばっかで、そんなこと意識したことなかった。
・・・いや、ないわけじゃない。
けど、相手が男となると、そんな出会いなんてないに等しかった。
おれって、やっぱ、子供なんだ。
知るべきことを知らないなんて。
これはまずい。
なんとかしないと。
なんとかって言っても、どーすればいいのか・・・。
おれの頭によぎったのは、出会い系サイトだった。
サイトと言うからにはネットにつなげないといけない。
おれはケータイとパソコンを購入した。
ケータイは母さんの分とで2台。
建前上、連絡用ってことで。
貯金しててよかったァ~。
なれないケータイとパソコン。
設定に手間取って、ようやくネットにアクセスできるようになった。
けど、肝心の出会い系サイトは見つからなかった。
検索でヒットしたのは、全部男性VS女性。
う~、分からん。
・・・・・・。
あ、分かった。
おれは検索ワードに「ゲイ」と入れてみた。
簡単なことなのに、そんなことも思いつかなかった。
見ィっけ~!
ヒットしたサイトは結構あった。
全部閲覧するのも面倒で、テキトーにアクセス。
まずは「掲示板」というのが、どんなものなのか知りたかった。
全国版とか、地域別とか、タイプ別なんてものもある。
なるほど。
実際に掲示板を見てみた。
名前が表記されてるけど、明らかに実名じゃない人がいる。
つまり、ここでは偽名OK。
ふむふむ。
掲示板に載せるときはプロフ?というものをつけるらしい。
プロフってなんだろ。
・・・あ、プロフィールのことね。
てな感じで、おれは掲示板を使うにあたってのマナーや伝言の載せ方なんかを覚えた。
おれのアクションのときがきた。